第3節 地域別にみた少子化の状況

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1 都道府県別にみた合計特殊出生率と人口の動向

(都道府県別にみた合計特殊出生率)

 2005(平成17)年の全国の合計特殊出生率は1.25であるが、これを上回る都道府県は34、下回る都道府県は13であった。この中で合計特殊出生率が最も高いのは沖縄県(1.71)であり、以下、福井県(1.47)、福島県及び宮崎県(1.46)、鳥取県、佐賀県及び鹿児島県(1.44)の順となっている。最も低いところは、再び1を下回った東京都(0.98)であり、以下、奈良県(1.12)、京都府及び北海道(1.13)、大阪府(1.16)と、大都市を含む地域となっている。
 2005年と2004(平成16)年を比較すると、2004年に比べて出生率が上昇した団体は、福井県のみであり、他の団体はすべて前年の数値を下回った。2004年の対前年(2003(平成15)年)比較では、東京都、千葉県、富山県、愛知県、香川県、長崎県、宮崎県の7都県で上昇していた。なお、前年からの下落幅が一番大きい都道府県は、青森県及び徳島県の0.10ポイントの低下であった。
第1‐1‐15図 都道府県別合計特殊出生率地図(2005年)

(過去30年間の変化)

 沖縄県を含む全国のデータが利用可能となった1975(昭和50)年についてみると、わが国全体では1.91であり、合計特殊出生率が最も高いのは、沖縄県(2.88)、以下、岩手県(2.14)、福島県、滋賀県及び長崎県(2.13)の順となっている。最も低いところは東京都(1.63)であり、以下、京都府(1.81)、北海道(1.82)、福岡県(1.83)、奈良県(1.85)の順となっていた。
 この30年間の変化をみると、すべての都道府県で合計特殊出生率の水準は低下しており、少子化の進行は、地域差を持ちながら全国的に同じように進行している現象であるといえる。特に、1975年と2005年の合計特殊出生率の年次差をみると、全国平均では、0.66ポイントの低下となっているが、最も大きな落ち込みとなっているのは沖縄県であり、1.17ポイントの低下となっている。

2 子どもの数と子どもの割合の変化

 人口に占める子どもの数の割合を都道府県別にみると、沖縄県が18.7%で最も高く、次いで滋賀県15.4%、佐賀県15.2%、福島県、福井県、愛知県及び宮崎県14.7%の順となっている。低いほうでは、東京都が11.3%で最も低く、次いで秋田県12.4%、北海道12.8%、高知県12.9%の順となっている。
 わが国では、1997(平成9)年に子どもの数が高齢者人口(65歳以上人口)よりも少なくなり「少子社会」に突入したが、子どもの割合が低い上記の都道府県では、既に子どもの割合が高齢者の割合の約半分まで減少していることになる。たとえば、島根県や秋田県、高知県の高齢者人口の割合は、それぞれ27.1%、26.9%、25.9%となっている。
 また、2000(平成12)年の国勢調査の結果と比較すると、子どもの割合は、全国では14.6%から13.7%へと0.9ポイント減少しているが、都道府県別では、2000年と比較して子どもの割合が大きく減少している団体は、長崎県(1.4ポイント減)、青森県、秋田県、山形県、福島県、鳥取県、宮崎県、鹿児島県及び沖縄県(1.3ポイント減)の順となっている。
第1‐1‐16図 都道府県別合計特殊出生率(2005年)

(コラム)福井県における少子化対策の推進

 福井県は、2005(平成17)年の合計特殊出生率が1.47と、沖縄県の1.71に次いで全国2位となり、全都道府県の中で唯一、出生率が前年と比べて上昇した。また、年少人口割合も、全国平均の13.7%に対して14.7%と、全国5位の高い水準にある(2005年国勢調査)。
 福井県の特徴は、働く女性の割合が高いことで、女性就業率は52.6%(全国2位、全国平均:46.2%)、共働き世帯の割合は60.5%(全国1位、全国平均:44.9%)となっている(2000年国勢調査)。完全失業率は、2.5%(全国2位、全国平均:4.4%)と低い(2005年労働力調査)。また、住宅関係の指標をみると、持ち家世帯率は75.8%(全国3位、全国平均:60.9%、2003年住宅・土地統計調査)、三世代同居世帯の割合は23.1%(全国2位、全国平均:7.5%、2000年国勢調査)と、全国的にみて高い。これらの指標から、女性が働きながら子どもを生み育てやすい生活環境にあるといえる。
 こうした環境に加えて、福井県は、各種の子育て支援策、すなわち保育サービスの充実や子育て費用に対する経済的支援、仕事と子育てを両立できる職場環境の整備、結婚を支援する事業等に取り組んできている。
 まず、保育サービスの充実については、1990年代後半から「ふくいっ子エンゼルプラン」に基づき、保育所の整備や延長保育、一時保育等の実施施設数の増加に努め、2001(平成13)年から保育所の待機児童をゼロとしている。県の独自事業として病児保育を進め、「病児デイケア促進事業」として、県内8市13か所(2006(平成18)年3月現在)で病児・病後児保育を行い、子どもが風邪など病気にかかっても、親は安心して仕事に行くことができるようにしている。
 また、すべての子育て家庭を対象にした事業としては、地域における子育て支援の充実を図るため、「すみずみ子育てサポート事業」を行っている。学校行事への参加や親の通院など、一時的に子育てへの支援が必要な場合、一時保育や保育所等への送迎、家事の手伝い等、きめ細かなサポートを実施しており、利用料についても半額を助成している。さらに、2005年度からは、保育士や保健師等の有資格者を「子育てマイスター」(育児相談等のボランティア活動を実施)として募集・登録し、地域で気軽に子育てに関する相談ができる環境整備を進めている。
 さらに、2006年度からは、3人以上の子どもがいる家庭を応援し、経済的負担の軽減を図るため、3人目以降の子どもについて生まれる前の妊婦健診費、3歳に達するまでの医療・保育にかかる経費を原則無料化する「ふくい3人っこ応援プロジェクト」を始めた。このプロジェクトの対象事業の中に、前述した「病児デイケア促進事業」や「すみずみ子育てサポート事業」も含まれており、3人目以降3歳未満の子どもにかかる病児デイケアの利用料や、特定非営利活動法人(以下「NPO法人」という。)等が実施する一時保育・送迎等のサービス利用料も原則無料となる。
 仕事と子育てを両立できる職場環境の整備については、企業における子育てをしやすい職場環境づくりを促進するため奨励金の支給や男性の子育てを応援する取組を行う企業を「父親子育て応援企業」として表彰している。
 このほか、結婚対策にも力を入れており、福井県の委託を受けて200人の結婚相談員が県内各地区で定例相談日を開設するほか、家庭訪問をするなど、地域の仲人役として積極的に活動している。また、市町が企画・実施する未婚男女の出会い・交流イベントへの助成も行っており、様々な機会を通じて縁結びを促進している。
「すみずみ子育てサポート事業」実施風景(福井県)

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