第2節 新しい少子化対策の概要と今後の取組の方向

[目次]  [戻る]  [次へ]


1 新しい少子化対策の視点

(新しい少子化対策の特徴)

 新しい少子化対策は、少子化対策の抜本的な拡充、強化、転換を図るため、〔1〕社会全体の意識改革と、〔2〕子どもと家族を大切にする観点からの施策の拡充という2点を重視し、後述するとおり新たな視点を整理した上で、40項目にわたる具体的な施策を掲げている。
 特に、家族・地域の絆の再生や社会全体の意識改革を図るための国民運動の推進を強調していること、親が働いているかいないかにかかわらず、すべての子育て家庭を支援するという観点も加えて、子育て支援策の強化を打ち出していること、成長に応じて子育て支援のニーズが変わっていくことに着目し、妊娠・出産から高校・大学生期に至るまで、子どもの成長に応じて、年齢進行ごとの4期に分けて子育て支援策を掲げていること、などが特徴的な点といえる。
第1‐2‐6図 新しい少子化対策の概要

(少子化対策の拡充・強化・転換と緊急性)

 まず、少子化の状況及びこれまでの少子化対策に対する認識として、
〔1〕 2005(平成17)年は、総人口が減少に転じる人口減少社会が到来し、出生数、合計特殊出生率ともに過去最低を記録したこと
〔2〕 こうした少子化傾向が続くと、人口減少は加速度的に進行し、経済産業や社会保障の問題にとどまらず、国や社会の存立基盤に関わる問題となること
〔3〕 1990年代半ばからの従来の対策のみでは、少子化の流れを変えることができなかったことを深刻に受け止める必要があること
という点を指摘する。
 そして、出生率の低下傾向の反転に向け、少子化の背景にある社会意識を問い直し、家族の重要性の再認識を促し、また若い世代の不安感の原因に総合的に対応するため、少子化対策の抜本的な拡充、強化、転換を図っていかなければならない。また、第2次ベビーブーム世代がまだ30代であるのもあと5年程度であることを考えると、速やかな対応が求められるとしている。

(社会全体の意識改革)

 総合的な少子化対策を進める上で、生命を次代に伝え育んでいくことや家族の大切さが理解されることが重要であり、子どもを家族が育み、家族を地域社会が支えるような社会であってこそ、出生率向上のための各種支援策が効果を発揮する。家族の絆や地域の絆を強化するために、国、地方自治体、企業、地域社会等が連携の下で社会全体の意識改革に取り組むことが重要であるとしている。

(子どもと家族を大切にするという視点に立った施策の拡充)

 子どもを持ちたいという国民の希望に応え、子どもを安心して生み、育てやすくする環境整備のための支援策をさらに拡充していくことが重要であるとし、子育て家庭は子どもの成長に応じて様々なニーズや懸念を有していることから、少子化対策は総合的、体系的、多角的に立案され、以下の5つの考え方に沿って重点的に推進する必要があるとしている。
〔1〕 子育ては第一義的には家族の責任であるが、子育て家庭を、国、地方自治体、企業、地域等、社会全体で支援する。
〔2〕 すべての子育て家庭を支援するため、地域における子育て支援策(在宅育児や放課後対策も含む)を強化する。
〔3〕 仕事と子育ての両立支援の推進や、子どもと過ごす時間を十分に確保できるように、男性を含めた働き方の見直しを図る。
〔4〕 親の経済力が低く、仕事や家庭生活の面でも課題が多い出産前後や乳幼児期において、経済的負担の軽減を含め総合的な対策を講じる。
〔5〕 就学期における子どもの安全確保や、出産・子育て期の医療ニーズに対応できる体制の強化、特別な支援を要する子ども及びその家族への支援を拡充する。

[目次]  [戻る]  [次へ]