2 企業と自治体の連携による子育て支援運動の推進

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(企業の子育て支援における2つの役割)

 企業の役割は、従業員に対する両立支援にとどまるものではない。
 仕事と子育ての両立を進めるためには、子育てを支える地域の基盤作りが必要である。そして、その際には、企業も地域社会の一員として、行政や市民と連携しながら、子育て支援に取り組むための機運を醸成することが重要である。
 たとえば、石川県のほか多くの自治体では、子育て世帯の経済的な負担の軽減を図るための事業をスタートさせている。このような事業に協賛する企業が増えることにより、地域の子育て支援に取り組む機運が高まり、参加企業の自主的な取組が促進されることも期待できる。
 また、資生堂が開設した事業所内保育施設「カンガルーム汐留」は、趣旨に賛同した近隣企業にも店員枠の一部を開放し、企業が連携することにより、子育て環境を改善することを目指している。また、ハロウィーンパーティなど、「カンガルーム汐留」のイベントに社員や地域住民も参加することにより、社内の働き方の見直しを促進している。
 このように、企業が地方自治体や地域のNPO等と協力して、地域の子育て支援に参画することにより、地域の子育て環境の改善に貢献するとともに、従業員が子育てに対する理解を進めることで、従業員に対する両立支援の取組も促進されることが期待される。
 地域子育て支援と企業両立支援の好循環により、国民運動を促進していくことが重要である。

(コラム)「石川県プレミアム・パスポート」

(子育て世帯への経済的支援と企業の子育て支援に対する機運の醸成)

 石川県では、多子世帯の経済的な支援に加え、企業が子育て支援に積極的に参画するきっかけとなるよう、2006(平成18)年1月より「プレミアム・パスポート事業」をスタートさせた。
 18歳未満の子どもが3人以上いる世帯を対象として、対象世帯からの申請に基づき、パスポートを交付。協賛企業の店頭でパスポートを提示することにより、あらかじめ店舗ごとに設定された割引等の特典を受けることができる。
 企業にとっては、協賛することで、情報誌やホームページ等で店舗のPRができたり、低利融資制度を利用できる等のメリットが受けられる。
 他の自治体においても、同様の子育て割引制度の導入の動きが広がっている。
第1‐4‐21図 プレミアム・パスポート事業の概要
資料:石川県提供
第1‐4‐22表 子育て世帯向け割引等の特典事業一覧
世帯
主な実施自治体
実施(予定)時期
実施(予定)の内容
18歳未満の子が3人以上 石川県 06年1月~ 役所に申請して「プレミアムパスポート」を受け取り、店頭で提示することにより、特典を受けられる。
山梨県 06年10月~ 役所に申請して「子育て応援カード」を受け取り、店頭で提示することにより、特典を受けられる。
奈良県 05年8月~ 役所に申請して「なららちゃんカード」を受け取り、店頭で提示することにより、特典を受けられる。
18歳未満の子が1人以上 富山県 06年10月~ PRチラシや県広報誌、県のHP等から優待券をコピーし、協賛店に持参すると特典を受けられる。
大分県 06年10月~ 携帯に送信した会員証や乳幼児医療費助成受給者証などを店頭で提示し、割引等の特典を受けられる。
静岡県 06年4月から順次実施 子どもを同伴した保護者又は妊婦が「しずおか子育て優待カード」を店舗で提示し、特典を受けられる。
島根県 06年7月~ 「しまね子育て応援パスポート」を提示し、割引等の特典を受けられる。(妊婦も対象)
小学生以下の子を持つ家庭 徳島県 07年1月~(予定) 「とくしま親子ふれあいカード」にポイントを貯めることにより、交付された特典カードで特典を受けられる。
就学前の子の世帯 福岡県 06年10月~ 就学前の子どもを連れている場合、「子育て応援の店」で割引等の特典を受けられる。
佐賀県 06年10月~ 携帯に送信した会員証を店舗で提示することにより、割引等の特典を受けられる。
長崎県 06年10月~ 就学前の子どもを連れている場合、「子育て応援の店」で割引等の特典を受けられる。
熊本県 06年10月~ 就学前の子どもを連れている場合、「子育て応援の店」で割引等の特典を受けられる。
資料:内閣府作成
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