2 就職経路の複線化に対応した多様な就職システムの整備

[目次]  [戻る]  [次へ]


(1)フリーター等の就労支援の推進

 2005(平成17)年5月より、年間20万人のフリーターの常用雇用化を目指すという目標を掲げ、各種対策を最大限効果的かつ効率的に実施し、約22万5千人(速報値)の常用雇用を実現したところである。
 2006(平成18)年度においては、その目標を25万人まで引き上げ、若年者のワンストップサービスセンター(通称ジョブカフェ)による就職支援(4を参照。)のほか、次の施策を実施するなど、就職支援の充実強化を図っている。
ア フリーター常用就職支援事業の強化
 フリーターが年間10万人程度増加していた状況を踏まえ、2005年5月より、常用雇用を希望するフリーターを支援するため、ハローワークにおいて専門の窓口を設け、セミナーや合同選考会の開催、専任職員による一対一の相談・助言、求人開拓、職業紹介、就職後の職場定着指導等、常用雇用化のための一貫した支援を実施している。また、2006年度においては、若年者ジョブサポーター(フリーター支援担当)を新たに配置し、担当者制による一貫した就職支援を拡充実施することとしている。
イ 若年者トライアル雇用の活用
 フリーターや学卒未就職者等の若年失業者を短期間のトライアル雇用として受け入れる企業に対する支援を行い、その後の常用雇用への移行を図る「若年者トライアル雇用事業」を2001(平成13)年12月より実施している。同事業により、2005年度は50,722人がトライアル雇用を開始し、そのうちトライアル雇用を終了した44,110人の80.0%に当たる35,302人が常用雇用に移行するなど、常用雇用の実現に高い効果をあげている。2006年度には、新たに長期若年無業者等を対象として、働く自信と意欲を高めつつ、段階的に常用雇用への移行を促進するための、短時間勤務によるトライアル雇用事業を実施している。
ウ 「日本版デュアルシステム」の推進
 若者のフリーター化・無業化を防止するため、教育訓練機関における座学と企業における実習を組み合わせた職業能力開発を行うことにより、企業のニーズに応える実践的な人材を育成する「日本版デュアルシステム」を推進している。2005年度の短期訓練(標準5か月間)においては26,517人が受講し、また2005年度に開始した長期訓練(1年~2年間)においては、626人が受講している。
エ ヤングジョブスポットにおける支援
 現在フリーター等の職業意識を高め、適職選択やキャリア形成を促すため、全国の都市部にヤングジョブスポットを設置し、若者同士の情報交換、職場見学等のグループ活動等への支援を行っている。ヤングジョブスポットについては、民間団体への事業運営委託を進めるとともに、企業や大学等を含めた関係者との連携を強化し、より効果的な運営に努め、2005年度では、全国に14か所設置している。

(2)就労が困難な若者に対する自立支援の推進

 様々な要因により働く自信をなくした若者に対して、合宿形式による集団生活の中で労働体験等を通じて、働くことについての自信と意欲を付与することにより就労等へと導く若者自立塾を2005年度から設置している。2005年度においては、20団体を選定し、支援を行っている。
 また、働くことに不安を抱えている者や自信を失っている者などをはじめとした若者に対する地域の支援拠点として、2006年度から、地域若者サポートステーションを地域の主導により25か所に設置し、地域の若者支援機関からなるネットワークを構築するとともに、キャリア形成に係る相談を含めた総合的な相談等を行い、個別的、継続的かつ包括的な支援を行っている。
 さらに、対人関係における不安や就職活動での失敗などによる挫折等が原因となって、就職を希望しながら就職活動に対して消極的になっている若者を対象として、全国のハローワーク等において、臨床心理士等の専門的人材を活用し、就職活動等における不安などの多様な悩み、課題を有するフリーター層、早期離職者等を含めた若年求職者に対して、就職に関わるそれぞれ個々人の課題に応じた個別的、専門的相談を提供し、その就職促進を図ることとしている。

(3)「実践型人材養成システム」の推進

 人口減少社会を迎えるとともに、団塊世代の大量引退が見込まれる中で、わが国産業を支えてきた熟練技能の喪失が懸念される一方、生産現場への若者の入職の減少が相まって、現場を支える人材の質量両面にわたる不足への対応が急務となっている。
 このため、第164回通常国会で成立した「職業能力開発促進法及び中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の改善の促進に関する法律の一部を改正する法律」(平成18年法律第81号)において、「実践型人材養成システム」を法律上に位置づけた。
 同システムは、実践的な技能を備えた職業人を育成するため、企業が主体となり、新規学校卒業者を主たる対象として、「教育訓練機関における自社のニーズに即した学習」と「自らの企業における雇用関係の下での実習(OJT)」とを組み合わせて行う新たな実践型の訓練システムであり、就労でも就学でもない、「第三の選択肢」として普及・定着させることとしている。

(4)職場定着の促進

 新規学卒就職者の早期離職率の減少を図るため、2005年度から、業界団体と連携し、地域における若年労働者同士の交流や企業における人事管理等に関する講習会の開催をするとともに、インターネット等を活用した、若年労働者の働くことに関わる幅広い相談に応ずる体制を整備するなど、学卒就職者など若年労働者の「職場定着促進事業」を実施している。

[目次]  [戻る]  [次へ]