第6節 児童虐待防止対策を推進する

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1 児童虐待の現状

 児童虐待への対応については、2000(平成12)年11月20日の「児童虐待の防止等に関する法律」(以下「児童虐待防止法」)施行以降、様々な施策が推進され、児童虐待に関する理解や意識の向上が図られ、さらに2004(平成16)年には、児童虐待防止法及び児童福祉法の2つの法律が改正され、制度的な対応についても充実が図られている。しかしながら、子どもの生命が奪われるなど、重大な児童虐待事件が後を絶たず、全国の児童相談所における児童虐待に関する相談対応件数は依然として増加しており、その内容も困難な事例が増加していることや医学的治療が必要となるケースが増えているなど、早急に取り組むべき社会全体で早急に解決すべき重要な課題である。

2 児童虐待防止対策の取組状況

 児童虐待は、子どもの心身の発達及び人格の形成に重大な影響を与えるとともに、虐待を経験した者が親になった時に虐待を再現してしまう世代間連鎖を引き起こす場合もあるなど、子どもの一生涯、さらには世代を超えて深刻な影響をもたらすこともある。このため、虐待の発生予防から早期発見・早期対応、さらには虐待を受けた子どもの保護・自立支援に至るまでの切れ目のない総合的な支援体制を整備、充実していくことが必要である。
 このため、
 〔1〕 発生予防に関しては、子育て中の親子に対する交流・つどいの場の提供や地域子育て支援センターの推進、養育が困難になっている家庭に対して保健師、助産師、子育て経験者等が訪問し、育児・家事の援助や具体的な育児に関する技術支援を行う育児支援家庭訪問事業の実施
 〔2〕 早期発見・早期対応に関しては、市町村における要保護児童対策地域協議会(虐待防止ネットワーク)の設置促進、児童相談所が夜間休日を問わず、いつでも相談に応じられる体制の整備(24時間・365日体制)、子どもの生命の安全と心身のケアに万全を期し、迅速かつ的確な対応を図るため、児童福祉司の配置基準の見直しなど児童相談所の体制強化
 〔3〕 保護・自立支援に関しては、児童養護施設等の小規模ケアの推進、総合的な家庭環境調整を担う家庭支援専門相談員(ファミリーソーシャルワーカー)の配置、虐待を受けた子ども等への心理療法を担当する職員の質的・量的充実
などの取組を進めている。
 また、2004(平成16)年12月に策定した「子ども・子育て応援プラン」や2006(平成18)年6月に少子化社会対策会議において決定された「新しい少子化対策について」を踏まえ、児童虐待により子どもが命を落とすことがない社会(児童虐待死の撲滅)等の実現を目指し、今後ともより積極的に施策を推進していくこととしている。

3 児童虐待防止に向けた広報啓発の取組

 2004(平成16)年から11月を「児童虐待防止推進月間」と位置づけ、急増する児童虐待問題に対する社会的関心の喚起を図るため、その期間中、関係府省庁や地方自治体、関係団体等と連携した集中的な広報・啓発活動を実施している。2005(平成17)年度においては、月間標語の公募・決定、全国フォーラムの開催(11月22日~23日)、広報啓発ポスター・チラシの作成、配布及び政府広報を活用した各種媒体(テレビ、新聞、雑誌等)による広報啓発などを行ったところである。

4 今後の児童家庭相談体制の在り方に関する検討等の取組

 2004(平成16)年の児童福祉法改正の趣旨に沿った地域における児童家庭相談体制のより一層の強化・充実に向けた在り方を展望するため、「今後の児童家庭相談体制のあり方に関する研究会」を2005(平成17)年2月から開催し、この間、検討を進め、報告書を2006(平成18)年4月に取りまとめた。
 また、児童虐待による死亡事例等の検証は、事件の再発防止と対策を構築する上での課題を抽出するために重要な意義を持つものであり、2004年10月に設置した「児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会」の第1次報告(2005年4月)に続き、第2次報告〔平成16年中に死亡事例として厚生労働省が把握した53事例等を対象〕を2006年3月に取りまとめた。
 さらに、学校における児童虐待の早期発見・早期対応体制の充実を図るため、2005年度より、学校等における児童虐待防止に関する国内外の先進的取組について調査研究を実施し、2006年6月に報告書を取りまとめたところである。

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