第3節 アジアの少子化の動向

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1 アジアにおける人口と出生率の動向

○アジアの国や地域の合計特殊出生率の水準をみると、ラオス(4.6)、パキスタン(4.0)、カンボジア(3.9)など高い国がある一方、香港(0.98)、台湾(1.12)、韓国(1.13)など東アジアの主要な国や地域では、「超少子化」ともいえる状況が発生している。

2 アジアの主な国における少子化対策の動向

○韓国では、2000(平成12)年以降の出生率の低下が著しく、低出産対策として今後5年間に約19兆ウォン(約2.5兆円)を投入し、2010(平成22)年までにOECD諸国の平均である1.6まで回復させることを目標としている。産前・産後90日間の出産休暇や、子どもが1歳まで取得可能な育児休業のほか、保育サービスとして、公営と民営の保育所、事業所内保育所と家庭型(小規模)保育所が制度化されている。
○シンガポールでも、2001(平成13)年以降の出生率の低下が著しく、様々な少子化対策が講じられている。特にユニークな政策として、独身者対策としての国営「お見合い(出会いの場提供)センター」が知られていたが、今後、それを廃止し、民間のお見合い産業に対して補助金等によって間接的に支援する仕組みに移行する予定である。経済的支援としては、子どもの出生時の現金給付と政府の補助も加わった積み立て制度から構成されているベビーボーナスがある。また、税制では、扶養控除のほか、同居している祖父母や外国人メイドを対象とした保育者控除や税額控除が実施されている。
第1‐補‐9図 アジアの主な国・地域における合計特殊出生率の動き

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