第4節 労働時間の短縮等仕事と生活の調和のとれた働き方の実現に向けた環境整備を図る

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1 労働時間対策

○近年、労働時間の長い者と短い者の割合がともに増加する、いわゆる「労働時間分布の長短二極化」の進展、年次有給休暇の取得率の低下傾向などの課題が発生している。これらを踏まえ、労働時間等の設定の改善を団体的取組として行う中小企業団体に対し労働時間等設定改善推進助成金を支給する等、労使の自主的な取組を促進することにより、所定外労働の削減や年次有給休暇の取得促進等を推進している。

2 ライフスタイルに応じた多様な働き方の推進

○近年、パートタイム労働者は増加し、役職に就くなど職場で基幹的役割を果たす者も増加しているが、待遇がその働きに見合ったものになっていない場合もあり、正社員との不合理な待遇の格差を解消し、働き・貢献に見合った公正な待遇を確保することが課題となっている。2007(平成19)年5月には、通常の労働者との均衡のとれた待遇の確保の促進することなどを内容とした改正パートタイム労働者が成立した。
○短時間正社員は、育児・介護や自己啓発など個々人のライフスタイルやライフステージに応じた多様な働き方を提供するものとして期待されるため、短時間正社員制度導入の手順等を示したマニュアルを事業主へ提供するとともに、実際に制度を導入した事業主に対して助成金を支給するなど、制度普及に向けた取組を行っている。

3 テレワークの推進

○「骨太方針2007」において、「テレワーク人口倍増アクションプラン」を着実に推進するなど、テレワーク普及に向けた総合的な支援環境の整備を図り、2010(平成22)年までにテレワーク人口の倍増を実現することを掲げ、政府一体となってテレワークの普及を推進している。
○テレワークのうち、事業主と雇用関係にある者が、情報通信技術を活用して自宅で業務に従事する在宅勤務について、「テレワーク環境整備税制」の新設や、導入・運用ガイドブックの作成、シンポジウムの開催等を通じた普及促進のための事業を実施している。

4 ワーク・ライフ・バランスの考え方の浸透のための取組

○仕事と生活の調和の取れた働き方を推進するため、企業経営者、経営者団体、有識者が参加する「男性が育児参加できるワーク・ライフ・バランス推進協議会」を開催し、検討結果を2006(平成18)年10月に提言としてとりまとめた。この提言では、男性が育児参加しやすい職場環境としてすべての労働者のワーク・ライフ・バランスの実現を提唱している。

5 公務員の働き方の見直し

○国家公務員の勤務時間制度について、人事院では、小学校就学前の子を養育する職員の職業生活と家庭生活の両立を支援するため、常勤職員のまま1日4時間勤務や週3日勤務等、1週間当たりの勤務時間を短くすることができる育児のための短時間勤務の制度を設けるとともに、併せて、その後補充のための職員を任期付短時間勤務職員として採用できる制度及び週20時間勤務をする育児短時間勤務職員2人を一つの常勤官職に並立的に任用し、空いた官職に常勤職員を任用できる仕組みを導入することが適当と認め、2006年8月、国会及び内閣に対して意見の申出を行った。これを受けて、2007年5月、「国家公務員の育児休業等に関する法律」(平成3年法律第109号)が改正された。
○育児を行う職員の早出遅出勤務に関し、放課後児童クラブの保育時間後の子の出迎えも対象とする国家公務員の制度改正を踏まえた対応について、地方公共団体に対して助言を行った。また、人事院から意見の申出がなされた育児のための短時間勤務制度等については、2007年5月、「地方公務員の育児休業等に関する法律」が改正され、国家公務員と同様に、地方公務員においても当該制度等を導入した。

6 農山漁村での両立支援

○農山漁村の女性は、仕事に加え家事・育児等の負担が大きいことから、出産・育児期の女性の負担を軽減し、農林漁業経営及び地域社会活動への参画を地域全体でサポートする環境づくり推進に向けて支援するため、シンポジウム等の開催、農山漁村における子育て支援活動の優良事例の紹介、子育て支援に携わる担当者への情報提供などを行っている。

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