6 目指すべき子育て支援サービスの実現に向けた制度的な枠組みの在り方について

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(施策間の整合性・連携の欠如、政策の一元性・サービスの一貫性の欠如)

 育児休業制度の利用は増加しているが、妊娠・出産に伴い離職する割合は約7割と依然高く、仕事と家庭との両立支援策が出産前後の就業継続の増加に必ずしもつながっていない。少子化社会対策が一定の効果を持つためには、経済的支援と保育サービス等の地域の子育て支援サービスの充実、育児休業や短時間勤務制度など育児期の多様な働き方の選択肢の拡大といった仕事と家庭との両立支援策の双方をバランスよく組み合わせて取り組んでいくことが必要である。
 同時に、この両方の施策が切れ目なく利用できる仕組みも必要である。産休・育休から保育サービスへの切れ目のない移行や、両者の整合性の確保など、経済的支援や各種サービスが一体的に提供される利用者本位の仕組みにすることが重要である。
 近年出生率が回復しているフランス、スウェーデンでの継続就業環境整備と保育環境整備をみると、フランスでの3歳未満児の託児所の利用率は1割強と日本の2割と比べれば低いが、認定保育ママを利用している者が約3割となっており、これらを含めれば、認可保育サービスを利用する者の割合は4割以上となっている。保育ママを利用した場合は託児所に預けた場合に比べた場合の差額が補填され、また、自宅保育の場合にも一定額の補助がなされている。そのほか、3歳未満(第1子は6か月)の子どもを養育している場合には休業中の所得保障などの乳幼児迎え入れ手当(第1-3-22図参照)がある。
 スウェーデンでは、両親合わせて480日間の両親手当が親保険(財源は事業主からの拠出金(賃金の2.2%))から支給されており、1歳ぐらいまでは育児休業を取得する場合が多い。そして、その後は、社会サービス法で基礎自治体に申請後3~4か月以内に保育の場の保障が義務づけられていることもあり、ほとんどの子どもが就学前保育を利用している。
第1‐3‐22図 育児休業と保育のつながり(フランス、スウェーデン)

(包括的な次世代育成支援の制度的枠組みの構築)

 ワーク・ライフ・バランスの実現を支える子育て支援サービスの基盤整備については、すべての子どもの育ちを支え、子どもの成長を育むすべての家族を、地域全体で支え、当事者でもある親も責任を持ってそれに主体的に参画していくという基本的な理念に立って進められなければならない。
 このため、様々な働き方、ライフスタイルの選択に対応した子育て支援サービスの実現を目指し、3歳未満児に対する家庭的保育(保育ママ)の充実を含めた多様で弾力的な保育の拡充、子育て家庭がその生活圏内で利用できる地域子育て支援拠点等の子育て支援サービスの面的な整備を進めるとともに、産休・育休から保育サービスへの移行等利用者本位の切れ目のない支援を提供できるよう、子育て中の利用者の適正・確実な負担を含めて国民全体で支え合う包括的な次世代育成支援の制度的な枠組みの構築を図る必要がある。
 さらに、すべての子ども、すべての家族を応援する観点に立って、児童虐待や障害、母子家庭など困難な状況にある子どもや家族に対する支援の強化を図る必要がある。

(地域の実情に応じた施策展開)

 多様な働き方を支える子育て支援サービス基盤の整備については、地方公共団体、とりわけ住民にもっとも身近な基礎自治体が、個々人の生活圏域において、子育ての当事者や地域住民の参画のもとで、それぞれの地域の実情を踏まえて施策展開していくことが求められている。
 このため、基礎自治体において、このような施策展開が着実かつ持続的に進められるよう、財源の確保を含めた制度的な枠組みについて検討していく必要がある。
 また、このような基礎自治体を支援するため、各自治体で行われている先進的な地域における子育て支援の取組事例を集め、情報提供をしていくことも必要である。

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