2 合計特殊出生率の動き

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(少子化の進行)

 これらの国々における合計特殊出生率の推移をみると、1960年代までの合計特殊出生率はすべての国で2以上の水準にあった。
 その後、1970(昭和45)年から1980(昭和55)年頃にかけて、先進国の合計特殊出生率は全体として低下傾向となったが、その背景には、子どもの養育コストの増大、結婚・出産に対する価値観の変化、避妊など出生抑制技術の普及等があったと指摘されている。
1990(平成2)年頃からは、合計特殊出生率の動きは国によって特有の動きをみせ、2000(平成12)年以降、出生率が回復する国もみられるようになってきている。
 そこで次に、主要国(フランス、スウェーデン、ドイツ、イタリア、イギリス、アメリカ)における最近の合計特殊出生率の動きを詳しくみることとする。
第1‐補‐3図 主な国の合計特殊出生率の動き

(フランスとスウェーデン)

 まず、ヨーロッパの主要国で出生率が相当程度回復してきた国として、フランスとスウェーデンがあげられる。
 フランスは、もともと主要国の間で出生率が高い国であったが、1990年代前半に合計特殊出生率が1.6台まで低下した。その後、回復傾向に入り、2006(平成18)年には2.00まで上昇し、人口置換水準に近づいている。
 スウェーデンは、1980年代前半に合計特殊出生率が1.6程度まで低下した後、回復傾向に入り、1990年頃には2.0を超える水準に達した。その後、1990年代後半にいったん1.5程度まで低下したが、再び回復傾向に入り、2006年には1.85まで上昇している。

(ドイツ、イタリア)

 主要国の中で、合計特殊出生率が最も低くなっている国はドイツとイタリアであり、我が国(2006年で1.32)を若干上回る水準となっている。
 ドイツは、1990年代前半に合計特殊出生率が1.2台まで低下した後、緩やかながら回復し、近年、1.3台で推移している(2005年は1.34)。
 イタリアは、1990年代以降、1.1~1.2台の低い水準で推移していたが、ここ数年は1.3台で推移している(2006年は1.35)。

(イギリス、アメリカ)

 イギリスは、1990年代以降、合計特殊出生率が低下傾向に入り、いったん1.6台まで低下したが、その後、緩やかながら回復傾向に入り、2005(平成17)年は1.78となっている。
 アメリカでは、1990年以降、合計特殊出生率が2を若干上回る傾向にあり、人口置換水準に最も近いところで安定的に推移している。特に2002(平成14)年以降、若干の上昇傾向がみられる1
1 アメリカの2005年の合計特殊出生率は2.05であるが、人種別にみると、白人1.84、アフリカ系が2.02、アジア系が1.89、ヒスパニック系が2.88となっている。ヒスパニック系の出生率が大変高く、全出生数の約24%を占めているが、白人の出生率も我が国の水準(2005年では1.26)を大きく上回っている。

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