1 アジアにおける人口と出生率の動向

[目次]  [戻る]  [次へ]


(アジアにおける人口の状況)

 アジアは世界で最も人口が多い地域である。その中には、中国やインドのように国土が広い国がある一方、シンガポールのように一つの都市が国家を形成している国もある。
 人口規模をみると、最も人口が多いのは中国の13.3億人であり、次いでインドの11.7億人となっている。このほか、人口が1億人を超える国として、インドネシア(2.3億人)、パキスタン(1.6億人)、バングラデシュ(1.6億人)があり、我が国は、これらの国に次ぐ1.3億人となっている。
 数千万の規模の国や地域も多く、フィリピン(8,796万人)、ベトナム(8,738万人)、タイ(6,388万人)、ミャンマー(4,880万人)、韓国(4,822万人)は、ヨーロッパのドイツ(8,260万人)、フランス(6,165万人)、イギリス(6,077万人)に相当する規模となっている。
 また、マレーシア(2,657万人)、台湾(2,288万人)、北朝鮮(2,379万人)は、2,000万人を超える規模となっている。
 このようにアジアには人口規模の大きな国や地域が多い。

(アジアにおける合計特殊出生率の状況)

 アジアの国や地域における合計特殊出生率の水準をみると、最も水準が高いのは、ラオスの4.6であり、次いでパキスタン(4.0)、カンボジア(3.9)の順となっている。そのほか、合計特殊出生率が2.5以上の国は、バングラデシュ(3.1)、フィリピン(3.0)、インド(2.9)、マレーシア(2.8)となっている。
 一方、合計特殊出生率が2を下回る国や地域も多い。香港(0.98)が最も低く、台湾(1.12)、韓国(1.13)、シンガポール(1.25)の順となっており、我が国(1.32)は、これらの国に次ぐ水準となっている。また、中国は1.7となっている。
 このように、アジアでは、合計特殊出生率が高い国がある一方、東アジアの主要な国や地域では「超少子化」ともいえる状況が発生している。
第1‐補‐8表 アジアの主な国・地域の人口及び合計特殊出生率

(アジアの主な国・地域における出生率の動き)

 上記でみたように、出生率の低下は、我が国や欧米諸国だけではなく、アジアでも起きている現象である。そこで、上記の国や地域の中から、東アジア及び東南アジアにおいて経済成長が著しく、時系列データの利用が可能な韓国、台湾、香港、シンガポール及びタイの合計特殊出生率の動きをみることとする。
1970(昭和45)年の合計特殊出生率の水準をみると、我が国が2.13であったのに対して、タイが5.02、韓国が4.50であり、当時の全世界平均(1970~75年平均:4.47)に近い水準にあった。また、台湾(3.71)、香港(3.29)、シンガポール(3.10)も我が国を大きく上回っていた(台湾は1971年の数値)。
 その後、これらの国や地域でも合計特殊出生率は低下傾向となり、現在では人口置換水準を下回る水準になっている。タイの1.90(2005年)を除けば、我が国(2006年の1.32)を下回る水準となっており、シンガポールが1.25(2005年)、韓国が1.13(2006年)、台湾が1.12(2006年)、香港が0.98(2006年)となっている。
第1‐補‐9図 アジアの主な国・地域における合計特殊出生率の動き

[目次]  [戻る]  [次へ]