第13節 良質な住宅・居住環境の確保を図る

[目次]  [戻る]  [次へ]


1 子育てを支援するゆとりある住宅の確保の支援

 本格的な少子高齢社会、人口減少社会を迎え、現在及び将来における国民の豊かな住生活を実現するため、2006(平成18)年6月に「住生活基本法」が制定された。同年9月には、同法に掲げられた基本理念や基本的施策を具体化し、推進するための基本的な計画として「住生活基本計画(全国計画)」を閣議決定した。この基本法及び基本計画に則り、子育て世帯の居住の安定確保など、少子化対策に資する住宅政策を展開していくこととしている。
1 子育てを支援するゆとりある住宅の確保の支援
 住宅金融公庫(2007(平成19)年4月、独立行政法人住宅金融支援機構に移行)の証券化支援事業等による住宅取得の支援をはじめ、特定優良賃貸住宅制度(2007年度より、本制度等を再編し「地域優良賃貸住宅制度」を創設)や都市再生機構における民間供給支援型賃貸住宅制度により良質なファミリー向け賃貸住宅の供給を促進している。また、新規に建築される公共賃貸住宅はバリアフリーを標準仕様としている。
2006(平成18)年度には、特定優良賃貸住宅等に係る家賃の低廉化に関する事業において、対象世帯を子育て世帯等に重点化するとともに、一定の範囲内において地方公共団体が自由に家賃の引き下げ額を設定できることとし、地方の裁量性を拡大した。
 また、高齢者が所有する戸建て住宅等を、広い住宅を必要とする子育て世帯等へ賃貸することを円滑化し、子育てしやすい住宅の供給を促進する「高齢者の住み替え支援制度」を創設した。
 さらに、子育て世帯(小さい子どものいる世帯、一人親世帯)等の入居を受け入れることとしている民間賃貸住宅に関する登録制度を整備し、その情報提供を行うとともに、地方公共団体、仲介事業者、支援団体等が連携して居住支援を行い、子育て世帯等の円滑入居と安定した賃貸借関係の構築を支援する「あんしん賃貸支援事業」を創設した。

2 公共賃貸住宅における子育て世帯の支援

 公営住宅は、住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸することにより、その居住の安定を図ることを目的とするものであるが、子育て世帯については、入居者の選考に際し事業主体である地方自治体の判断により優先入居の取り扱いを行っている。2006(平成18)年2月には、小学校就学前の子どものいる世帯について、入居収入基準を緩和した。都市機構賃貸住宅においては新規募集時における当選率の優遇措置を行っている。
 また、大規模な公共賃貸住宅団地の建替えに際し保育所等の一体的整備を推進し、また、市街地再開発事業等において施設建築物内に保育所等を導入した場合の補助や保育所等に関する容積率制限の緩和等を行っている。

3 職住近接の実現とシックハウス対策の推進

 都心における職住近接により子育て世帯を支援するため、既存オフィス等のファミリー向け賃貸住宅への転用をはじめとする都市型住宅の供給を促進している。
 また、シックハウス対策としては、2002(平成14)年7月に建築基準法(昭和25年法律第201号)が改正され(2003(平成15)年7月1日施行)、新たにホルムアルデヒドに関する建材の制限、換気設備設置の義務付け等が規定された。さらに、子どもの健康への影響を考慮し、シックハウス対策に係る調査研究を進めるとともに、シックハウス症候群に関する学校関係者の理解の一層の促進等、学校におけるシックハウス対策を推進している。

[目次]  [戻る]  [次へ]