第2章 仕事と家庭の両立支援と働き方の見直し

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第1節 企業等におけるもう一段の取組を推進する

1 一般事業主による次世代育成支援対策に関する取組の推進

○次世代法に基づき、一般事業主行動計画の届出が義務づけられている常時雇用する労働者の数が300人を超える企業の届出率は、2007(平成19)年12月末現在で98.3%、努力義務である300人以下の企業の届出数は、9,693社となっている。
○2007年度からは、事業主が行動計画に定めた目標を達成したことなどの一定の基準を満たした場合、都道府県労働局長から認定を受けられる仕組みを設けている。認定を受けた事業主は、認定マーク(くるみん)を、広告や商品などに付けることで、次世代育成支援対策に取り組んでいる企業等であることを対外的に周知できる。2007年12月現在で、403社が認定を受けている。

2 ファミリー・フレンドリー企業の普及促進

○仕事と育児・介護とが両立できる様々な制度を持ち、多様な働き方を労働者が選択できるような取組を行う企業を讃えるとともに、これを広く国民に周知するため、ファミリー・フレンドリー企業に対する表彰(厚生労働大臣賞及び都道府県労働局長賞)を実施している。

第2節 育児休業制度等についての取組を推進する

1 仕事と子育ての両立のための制度の一層の定着促進・充実

○育児・介護休業法が遵守されるよう引き続き事業主に対して指導等を行うとともに、育児休業の取得等を理由とした不利益取扱いなどについての労働者からの相談に対応している。また、2007(平成19)年10月から暫定措置として、雇用の継続を援助、促進するための育児休業給付の給付率を休業前賃金の40%から50%に引き上げることとした。

2 子育てをしながら働きやすい雇用環境の整備

○中小企業子育て支援助成金及び両立支援レベルアップ助成金の支給とあわせて、2007年度から、育児休業等の取組を積極的に促進するため、育児休業取得者等に対して独自に経済的支援を行った事業主を対象に育児休業取得促進等助成金を支給している。

第3節 男性の子育て参加促進のための父親プログラム等を普及する

○2005(平成17)年より、男性の育児休業取得を促進するなど、男性の育児参加を可能とするような職場づくりに向けたモデル的な取組を行う事業主に対して助成することにより、男性の育児参加を支援している。

第4節 労働時間の短縮等仕事と生活の調和のとれた働き方の実現に向けた環境整備を図る

1 仕事と生活の調和の考え方の浸透のための取組

○2007(平成19)年12月には、関係閣僚、経済界・労働界、地方公共団体の代表等からなる官民トップ会議において、仕事と生活の調和に関する基本的な考え方を示す「憲章」及び国・地方公共団体・企業の具体的取組や政策の方針を示した「行動指針」が合意された。

2 長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進等、労働時間等設定改善の促進

○「労働時間分布の長短二極化」の進展、年次有給休暇の取得率の低下傾向などの課題を踏まえ、労働時間等の設定の改善を団体的取組として行う中小企業団体に対し労働時間等設定改善推進助成金を支給する等、労使の自主的な取組を促進することにより、所定外労働の削減や年次有給休暇の取得促進等を推進している。
○事業主等が労働時間等の設定の改善について適切に対処するための事項を定めた「労働時間等設定改善指針」については、憲章及び行動指針の趣旨を盛り込むべく改正した。

3 ライフスタイルに応じた多様な働き方の推進

○近年、パートタイム労働者は増加し、役職に就くなど職場で基幹的役割を果たす者も増加しているが、待遇がその働きに見合ったものになっていない場合もあり、正社員との不合理な待遇の格差を解消し、働き・貢献に見合った公正な待遇を確保することが課題となっている。2007(平成19)年5月には、通常の労働者との均衡のとれた待遇の確保の促進することなどを内容とした改正パートタイム労働法が成立した。
○短時間正社員は、育児・介護や自己啓発など個々人のライフスタイルやライフステージに応じた多様な働き方を提供するものとして期待されるため、短時間正社員制度導入の手順等を示したマニュアルを事業主へ提供するとともに、実際に制度を導入した事業主に対して助成金を支給するなど、制度普及に向けた取組を行っている。

4 テレワークの推進

○「骨太方針2007」において、「テレワーク人口倍増アクションプラン」を着実に推進するなど、テレワーク普及に向けた総合的な支援環境の整備を図り、2010(平成22)年までにテレワーク人口の倍増を実現することを掲げ、政府一体となってテレワークの普及を推進している。
○テレワークのうち、事業主と雇用関係にある者が、情報通信技術を活用して自宅で業務に従事する在宅勤務について、「テレワーク環境整備税制」の新設や、導入・運用ガイドブックの作成、シンポジウムの開催等を通じた普及促進のための事業を実施している。

5 公務員の働き方の見直し

○2007(平成19)年の人事院勧告時の公務員人事管理に関する報告において、超過勤務の縮減は、職業生活と家庭生活の調和の観点からも、喫緊に取り組む必要のある重要課題であり、政府全体の計画的な取組が肝要であることについて言及した。
○地方公務員については、一般的に公務の世界に多様な働き方を導入するため、「地方公務員法及び地方公共団体の一般職の任期付職員の採用に関する法律の一部を改正する法律」により、任期付短時間勤務職員制度を創設し、制度の周知を図っている。

6 農山漁村での両立支援

○農山漁村では、出産・育児期の女性の負担を軽減し、農林漁業経営及び地域社会活動への参画を地域全体でサポートする環境づくり推進に向けて支援するため、シンポジウム等の開催、農山漁村における子育て支援活動の優良事例の紹介、子育て支援に携わる担当者への情報提供などを行っている。

第5節 妊娠・出産しても安心して働き続けられる職場環境の整備を進める

○男女雇用機会均等法は、妊娠・出産等を理由とする不利益な取扱いを禁止するとともに、妊娠中及び産後一年以内の解雇について、事業主が妊娠・出産等を理由とする解雇でないことを証明しない限り無効とすること等を定めており、同法に違反する事業主に対し指導を行い、是正を図っている。

第6節 再就職等を促進する

○2007(平成19)年度においては、マザーズハローワーク未設置県の主要なハローワークにマザーズサロン(36県各1か所ずつ)を設置し、子育てしながら早期の就職を希望している者等に対してきめ細かな就職支援を実施している。
○子育て支援を行う民間の団体と連携して、再チャレンジを目指す女性向けの情報提供を行う講座の開発を行うとともに、総合的な支援情報ポータルサイト「女性いきいき応援ナビ」を通じて子育て等でいったん退職した女性等の再就職・起業支援を推進している。

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