第2節 生命の大切さ、家庭の役割等についての理解を進める

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将来の親となる世代が子どもや家庭について考え、子どもとともに育つ機会を提供するとともに、国民一人ひとりが家庭や子育ての意義について理解を深められるようにするため、教育分野において、次のような取組を実施している。

学校教育においては、子どもたちに乳幼児とのふれあいの機会をできるだけ多く提供するとともに、将来親となった際に必要となる子育ての基本的な知識・技能・態度等を習得させることが重要である。また、少子化とそれがもたらす社会への影響、子育てや男女が共同して家庭を築くことの大切さなどについても理解を深めさせることが重要である。

このため、小学校、中学校、高等学校の各学校段階で、関係教科、道徳、特別活動及び総合的な学習の時間において相互の連携を図りながら子育てへの理解を深める教育が実施されている。

2004(平成16)年5月には、このような指導を行う際の基本的な考え方や指導体制の先進的な事例を紹介した「子育て理解教育指導資料」を発行した。

なお、中央教育審議会答申(2008(平成20)年1月)では、関係教科等における改善の具体的事項として、生命の大切さや家庭の役割等の理解についても提言している。文部科学省では、この答申を踏まえ、2008年3月に学習指導要領を改訂したところである。

また、各都道府県教育委員会や学校の創意工夫により、地域人材の参加・協力や体験活動などを生かした道徳教育の在り方について実践研究を行う「道徳教育実践研究事業」を実施しており、生命を大切にする心や思いやりの心、協力し合う態度を育成する道徳教育の一層の推進を図っている。

2008年度からは、「豊かな体験活動推進事業」の中で、「児童生徒の輝く心育成事業~ふれあい応援プロジェクト~」として、学校における命の大切さを学ばせるのに有効な体験活動について調査研究を実施し、その成果を全国に普及している。

家庭や地域における取組としては、夫婦で共同して子育てをすることの重要さなどについて盛り込んだ、家庭教育のヒント集としての「家庭教育手帳」を作成し、全国の教育委員会等に提供して、乳幼児や小学生を持つ各家庭への情報提供や家庭教育に関する学習機会などで活用を図っている。また、子育て中の父親の役割等について学習する集いの開催など、父親の家庭教育への参加を促進する取組の支援を行うとともに、企業等への出前講座の実施や、保護者のもとに出向いた情報や相談対応等、積極的かつきめ細かな家庭教育支援を行なっており、保護者が家庭教育についての理解を深める取組を推進している。



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