第2節 将来の人口の見通し
1 総人口の減少と人口構造の変化
(50年後の我が国の人口)
「日本の将来推計人口(平成18年12月推計)」の中位推計(出生中位・死亡中位)では、合計特殊出生率は2055(平成67)年には1.26になると仮定している。このような仮定に基づいて試算すると、我が国の総人口は、2055年には8,993万人になることが見込まれている。
年齢3区分別の人口規模及び全体に占める割合の推移(中位推計結果)をみると、まず年少人口(0~14歳)では、2010(平成22)年の1,648万人から、2055年には752万人となり、総人口に占める割合は、13.0%から8.4%となる。生産年齢人口(15~64歳)については、2010年の8,129万人から2055年には4,595万人となり、総人口に占める割合は、63.9%から51.1%となる。老年人口(65歳以上)については、2010年の2,941万人から2055年には3,646万人となり、総人口に占める割合は、23.1%から40.5%に達する。
2 人口減少による影響
(労働力人口の減少)
こうした人口減少社会は、高齢者数の増加と生産年齢人口(15~64歳)の減少という「人口構造の変化」を伴うものであり、我が国の経済社会に大きな影響を与えることが懸念される。若者、女性、高齢者、障害のある者などの働く意欲と能力を持つすべての人の労働市場への参加の実現により、労働市場への参加が進めば、2030(平成42)年時点で6,180万人の水準にまで労働力人口の減少を抑えることができると見込まれている。
(国民の希望を反映した人口試算)
「出生動向基本調査」等の結果によれば、未婚者の9割はいずれ結婚したいと考えており、また、既婚者及び結婚希望のある未婚者の希望子ども数の平均は、男女ともに2人以上となっている。こうした国民の結婚や出生行動に対する希望が一定程度実現したと仮定し、「希望を反映した人口試算」(2007(平成19)年1月)では、2040(平成52)年までに希望がすべて実現するケースにおいては、2040年時点で、合計特殊出生率は1.75まで上昇する。国民の結婚や出産・子育てに対する希望と実態とのかい離を解消することにより、人口減少社会の流れを変えることが可能であると考えられる。