5 今後の取組に向けた推進方策

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(ワーキングチームにおける検討)

2010(平成22)年度からの「子ども手当」の導入や高校教育の実質無償化等の施策の実施を目指し、保育サービス等を含めた総合的な「子ども・子育てビジョン」(以下「ビジョン」という。)を策定するため、2009(平成21)年10月、内閣府の少子化対策担当の政務三役(大臣、副大臣、大臣政務官)を中心として「子ども・子育てビジョン(仮称)検討ワーキングチーム」(以下「ワーキングチーム」という。)を設置した。ワーキングチームでは、有識者、事業者、子育て支援に携わる地方自治体の担当者等からのヒアリングを活発に行いつつ、検討を進めたところである。その際、2009年2月から6月まで開催された「ゼロから考える少子化対策プロジェクトチーム」における検討結果等について、プロジェクトチームのメンバーからもヒアリングを行うなど、これまでの成果の活用も図りつつ検討が行なわれた。事業者からのヒアリングにおいては、幼稚園機能と保育所機能を一体的に提供する認定こども園を運営する事業者からヒアリングを行い、認定こども園運営上の課題等についての議論を行った。地方自治体の子育て支援担当者からのヒアリングにおいては、特に都市部において深刻な問題となっている保育所待機児童の解消に焦点を当て、地方自治体による独自の取組を聴取し、意見交換を行なった。仕事と生活の調和をめぐる課題については、経済団体及び労働者団体等との意見交換が行なわれた。

また、保育所待機児童問題の実情を把握するために、積極的に保育サービスの現場の視察が行われた。認可保育所のみならず、東京都の認証保育所や、廃校となった小学校を活用した保育施設、保育所型の認定こども園を訪問し、それぞれの保育サービスの現場の声に耳を傾けてきた。また、待機児童問題が深刻な沖縄においては認可外保育施設が多いことから、その実情の把握が行われたところである。

(今後の子ども・子育て支援策についての意見募集)

ビジョンの策定にあたって、広く国民から意見募集を行い(2009年10月16日~11月11日)、312件の意見が寄せられた。寄せられた意見の中では、「保育所・幼稚園・放課後対策」に関する意見が最も多く96件(31%)、次いで、「ワーク・ライフ・バランス(WLB)」及び「子ども手当等(経済的支援)」に関する意見がそれぞれ36件(12%)などとなっている。本意見募集からは、子ども手当のような現金給付のみならず、保育サービス等の現物給付に対する国民の要望が強いことがうかがえる(各項目に関する主な意見に関しては、「今後の子ども・子育て支援策についての意見募集」の結果について(PDF形式:374KB)PDFを別ウィンドウで開きます)参照)。

(「子ども・子育てビジョン」の意義)

以上のような、これまでの施策の評価、国民の求める子ども・子育て施策、結婚、出産、子育てをめぐる最近の状況、ワーキングチームにおける検討や意見募集等を踏まえ、ビジョンは、

<1>現在、子どもと子育ての置かれた状況を踏まえ、これからの新しい子ども・子育て支援等の理念や基本的な考え方を明らかにする

<2>今後5年間に重点的に取り組む施策を盛り込むとともに、保育サービス等の整備などの「数値目標」を盛り込む

<3>国と地方が連携・協力して、社会全体で子育てを支えるという気運を盛り上げる

ことを目指して策定された。

第2節においては、ビジョンの具体的内容について紹介する。

わがまちの子育て応援宣言(子育てお国自慢)

地方自治体においても、次世代育成支援対策推進法に基づく後期行動計画を策定することとなっていることから、国と地方自治体とが連携・協力して、社会全体で子育てを支えるという気運を盛り上げるとともに、子どもと子育てを応援するための施策を強力に進めていくことが大切である。そのために、ビジョン策定にあたり全国の地方自治体の首長に対して、「わがまちの子育て応援宣言(子育てお国自慢)」を寄せていただき、国と地方自治体とが連携・協力して、社会全体で子育てを支えるという気運を盛り上げていきたいと呼びかけたところ、ビジョン策定までに全ての都道府県・指定都市を含む、合計282の地方自治体の首長から熱いメッセージやユニークな取組が寄せられたところである。

「子育てお国自慢」(例)の図


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