第1節 子ども・子育てを支援するとともに、教育機会の確保を
1.子ども・子育てを支援する
1)子どものための現金給付
子どものための現金給付については、2011(平成23)年4月~9月までの6か月間は、2010(平成22)年度と同じ月額1万3千円の子ども手当の支給を行ったが、「子どもに対する手当の制度のあり方について」(2011年8月4日民主党・自由民主党・公明党3党幹事長・政調会長合意)に基づく「平成23年度における子ども手当の支給等に関する特別措置法」(以下「特別措置法」という。)が2011年8月に成立、同年10月1日に施行された。
また、「児童手当法の一部を改正する法律」が、衆議院で修正が行われた上、2012年3月に成立、同年4月1日に施行された。これにより、所得制限額未満の方に対しては、3歳未満と、3歳から小学生の第3子以降については児童1人当たり月額1万5千円、3歳から小学生の第1子・第2子と、中学生については児童1人当たり月額1万円の児童手当を支給し、所得制限額以上の方に対しては、児童1人当たり月額5千円の特例給付を支給することとなった。
2.子どもの学びを支援する
1)公立高校授業料無償制・高等学校等就学支援金制度(高校等の授業料負担の軽減)
家庭の状況にかかわらず、全ての意志ある高校生等が安心して勉学に打ち込める社会をつくるため、「公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律」(平成22年法律第18号)が2010(平成22)年3月31日に成立し、同年4月1日から施行されている。
制度の導入や、都道府県の授業料減免等の取組によって、2010年度の経済的理由による高等学校等中途退学者数は、前年度に比べて減少(高等学校:1,647人(2009年度)→1,043人(2010年度)、約37%減少。私立高等専修学校:253人(2009年度)→174人(2010年度)、約31%減少)するなど、高等学校等の生徒の就学に変化が見られた(「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」及び「文部科学省調べ」)。
2)奨学金の充実等
独立行政法人日本学生支援機構の奨学金事業では、毎年充実を図ってきており、2011(平成23)年度においては、特に、無利子奨学金の貸与基準を満たしながら貸与を受けられない者の解消に向けた拡充に重点化し、無利子奨学金で対前年度比9千人増の35万8千人、無利子奨学金と有利子奨学金をあわせた事業全体で、対前年度比8万8千人増の127万2千人の学生等に対して奨学金を貸与するための事業費を計上している。
3)学校の教育環境の整備
2008(平成20)年3月に幼稚園教育要領、小・中学校学習指導要領を、2009(平成21)年3月に高等学校・特別支援学校学習指導要領などの改訂を行った。新学習指導要領では、子どもたちに知・徳・体のバランスのとれた「生きる力」を育むことをねらいとして、授業時数の増や指導内容の改善を図っており、2011(平成23)年4月から小学校等、2012(平成24)年4月から中学校等において新学習指導要領が全面実施となっている。