第2節 仕事と家庭が両立できる職場環境の実現を
1.育児休業制度その他の両立支援制度の普及・定着及び継続就業の支援とともに、子育て女性等の再就職支援を図る
1)育児休業や短時間勤務等の両立支援制度の定着
これまでの従業員数が100人以下の事業主に適用が猶予されていた短時間勤務制度、所定外労働の制限の制度及び介護休暇について、2012(平成24)年7月1日より全面的に適用になる。
この改正育児・介護休業法の周知・徹底を図るとともに、法律に規定されている育児・介護休業や所定労働時間の短縮等の措置などの両立支援制度を安心して利用できる職場環境の整備を支援している。
2)両立支援制度を利用しやすい職場環境の整備
2011(平成23)年9月に助成金を再編し、育児や家族の介護を行う労働者が働き続けやすい雇用環境の整備を行う事業主等を支援するため、両立支援助成金及び中小企業両立支援助成金の支給を行っている。
3)育児休業の取得等を理由とする不利益取扱いの防止
妊娠・出産、産前産後休業及び育児休業等の取得等を理由とする解雇その他不利益取扱いに係る労働者からの相談には丁寧に対応し、法違反の疑いがある事案については迅速かつ厳正に指導するとともに、法違反を未然に防止するため周知徹底を行っている。
4)妊娠中及び出産後の健康管理の推進
男女雇用機会均等法に基づいた母性健康管理の措置及び労働基準法の母性保護規定について、事業主、女性労働者、医療関係者等に対し周知徹底を図っている。
5)子育て女性等の再就職支援
子育て等のためにいったん離職した女性の再就職・起業等を支援するため「女性の再チャレンジ支援プラン」(2006(平成18)年12月改定)に基づき、関係府省が連携して支援策の推進に努めている。職業能力開発施設では、土日・夜間等の時間帯を活用した訓練コースを設定し、訓練機会の確保を図った。
6)男女雇用機会均等の確保による就業継続の支援
男女雇用機会均等法に沿った男女均等取扱いが徹底されるよう事業主に対し指導を行うとともに、労働者と事業主の間の紛争について都道府県労働局長による紛争解決援助及び機会均等調停会議による調停により円滑かつ迅速な解決を図っている。
2.企業等における取組の「見える化」によりもう一段の取組を推進する
1)企業経営者等の意識変革
2010(平成22)年9月には、仕事と生活の調和を実現するために必要となる仕事の進め方の効率化について、企業向けの啓発パンフレット「ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた3つの心構えと10の実践」を作成した。
2)一般事業主行動計画(次世代育成支援対策推進法)の策定・公表の促進
改正次世代育成支援対策推進法の施行により、一般事業主行動計画の策定・届出の一層の促進に取り組んでいる。
3)次世代認定マーク(くるみん)の周知・取組促進
適切な行動計画を策定・実施し、その目標を達成するなど一定の要件を満たした企業は厚生労働大臣の認定を受け、認定マーク(愛称:くるみん)を使用できる。この認定制度及び認定マークの認知度を高めるため、2011(平成23)年6月に創設された認定企業に対する税制上の措置を周知し、認定の取得促進を図っている。
4)顕彰制度等による企業に対する支援
自社の「仕事と家庭の両立のしやすさ」を点検・評価することができる両立指標や両立支援を積極的に取り組んでいる企業の取組等を掲載したサイト「両立支援のひろば」(厚生労働省)を運用し、仕事と家庭の両立に向けた自主的な取組を促している。
また、仕事と育児介護等の両立支援のための取組を積極的に行っており、かつその成果があがっている企業に対し、公募により「均等・両立推進企業表彰」を実施し、その取組を讃え、広く周知している。
5)入札手続等における対応
内閣府では2010(平成22)年度より、ワーク・ライフ・バランスや男女共同参画に関連する調査について、一般競争入札総合評価落札方式により入札を行う際に、ワーク・ライフ・バランス等に積極的に取り組む企業を評価できるような仕組みを導入した。