コラム:「2011年度子ども・子育て支援『家族の日』フォーラム」について

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東日本大震災により、日本全国で、家族や地域の絆や、支えあいの大切さが、改めて見直されている中、2011(平成23)年度「家族の日」フォーラムは、2008(平成16)年10月の新潟県中越地震から復興を遂げ、今般の大震災では、被災者の受け入れ・支援を行っている新潟県長岡市で開催した。「家族 地域の絆 支え合い こころひとつに~新潟県中越地震、復興の地 長岡から全国へ~」をテーマに著名人による基調講演や地元のNPO関係者等によるパネルディスカッションが行われた。当日は、フォーラム会場と、長岡市内3か所の子育て支援施設で開催された。親子ふれあいコーナーをあわせて、約1,800名が参加した。

カメラマン、そしてジャーナリストである渡部陽一氏による、「世界からのメッセージ~子どもたちの笑顔が未来を創る~」というテーマでのトークショーでは、これまで世界各地の戦場、被災地を取材してきた中で、最後の支えや力は「家族」だとはっきり気が付いたという渡部氏から「家族で、いつも一緒に、優しく、毎日、過ごしてほしい」という、あたたかく、力強いメッセージが発信された。

また、経済評論家である勝間和代氏による、「もっと子どもに時間とお金が出せる 余裕のある日本にしよう」というテーマでの基調講演では、「少子化対策としての男女共同参画の推進や、長時間労働の見直し、効率的な働き方によって余った時間を子どものために使うことなど、できることから少しずつ始めるといった一人ひとりの価値観を変える必要性」などの提言が行われた。

さらに、「長岡から日本全国にエール~復興を通して見えた家族や地域の絆~」と題したパネルディスカッションでは、子育て支援を行うNPO団体、新潟県内を中心に子育て世帯がお店で割引などの優待サービスを受けられるパスポート事業を展開する事業者、新潟県中越地震や東日本大震災で被災した児童のカウンセリングにあたっている臨床心理士、また、同じく震災サポートそして国際支援にあたっているコーディネーター4名から、日ごろの活動を通して感じている、「子育て世代だけでなく、普段から多世代でつながることの大切さ」、「子育て世帯を社会全体で支えていく必要性」、「子どもたちが安心して社会とつながれるような心の置き場づくり」、「家族への思いやりを外にむけていくことの必要性」等について、議論を行った。

加えて、長岡市内3か所にある子育て支援施設「子育ての駅」で、親子ふれあいコーナーとして、親子で楽しめる企画が開催された。子育ての駅は、子育て支援施設と、防災拠点施設、絵本館、雨や雪の日でも遊べる屋根付き広場が融合した、長岡という地域性のみられる施設である。

子育ての駅「ちびっ子広場」制作コーナー「集まれ!家族の笑顔」の写真

子育ての駅「てくてく」家族で楽しむ、動くおもちゃ作りコーナーの写真

子育ての駅「ぐんぐん」おはなしでてこい 紙芝居の写真

従来、親子ふれあいコーナーはフォーラムと同じ会場で実施していたが、今年度は長岡市内3か所の子育ての駅で実施することで、例年以上に多くの方の参加があった(対前年度400名増)。

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