第1部 少子化対策の現状(第2章 第2節 1)

[目次]  [戻る]  [次へ]

第2章 少子化対策の取組(第2節 1)

第2節 子育て負担の軽減~教育無償化に向けた取組について~【特集】(1)

1 幼児教育・保育の無償化について

(1)幼稚園、保育所、認定こども園等
(無償化の対象)

これまでの幼児教育の無償化の取組を一気に加速化するものとして、幼児教育の質が制度的に担保された施設1であり、広く国民が利用している幼稚園2、保育所、認定こども園及び地域型保育3を利用する3歳から5歳までの子供たちの利用料を無償化する(第1-2-7図、第1-2-8図)。なお、子ども・子育て支援新制度(以下「新制度」という。)の対象とならない幼稚園については、新制度の利用者負担上限額(月額2.57万円)を上限として無償化4する。また、企業主導型保育事業について、事業主拠出金を活用し、標準的な利用料を無償化する。

第1-2-7図 幼児教育・保育の無償化のポイント

第1-2-8図 保育園と幼稚園の年齢別利用者数及び割合(平成30年)

0歳から2歳までの子供たちの利用料については、上記の施設を利用する住民税非課税世帯を対象として無償化する。

(実費の取扱い)

保護者から実費で徴収する費用(通園送迎費、食材料費、行事費など)については、無償化の対象とはならず、食材料費の取扱いについては、基本的に、実費徴収又は保育料の一部として保護者が負担する考え方を維持する。

(無償化の開始年齢)

今般の3歳から5歳までの子供たちについては、小学校入学前の3年間分の利用料を無償化することを基本的な考え方とし、満3歳になった後の最初の4月から小学校入学までの3年間を対象とする。

ただし、幼稚園については、満3歳になった日から無償化の対象とする5。なお、幼稚園の預かり保育については、保育所等との公平性の観点から、住民税非課税世帯を除き、翌年度(4月)から無償化の対象とする。

(2)幼稚園の預かり保育
(無償化の対象)

幼稚園の預かり保育(以下「預かり保育」という。)6を利用する子供たちについては、保育の必要性があると認定を受けた場合には、幼稚園利用料の無償化に加え、利用日数に応じて、認可保育所における利用料の全国平均額(月額3.7万円)との差額である上限月額1.13万円7までの範囲で預かり保育の利用料を無償化する。なお、無償化の対象となる預かり保育の利用料は、実際の利用日数に応じて計算する8

保育の必要性の認定については、支援法第20条第1項に基づく保育の必要性の認定(2号認定)のほか、2号認定の基準と同等の内容で、新たに無償化給付のために支援法上設けた保育の必要性の認定9のいずれかの認定を取得した場合に無償化の対象とする。

(質の確保)

質の確保の観点から、預かり保育については、支援法の一時預かり事業(幼稚園型)を受託していない場合も、同様の基準を満たすよう幼稚園の所轄庁等10が指導・監督する。

(3)認可外保育施設等
(無償化の対象)

待機児童問題により、認可保育所に入りたくても入れず、やむを得ず認可外保育施設等を利用せざるを得ない子供たちについても、代替的な措置として、保育の必要性があると認定された3歳から5歳までの子供たちを対象として、認可保育所における保育料の全国平均額(月額3.7万円)までの利用料を無償化する。認可外保育施設11のほか、一時預かり事業、病児保育事業及びファミリー・サポート・センター事業12を対象とし、複数のサービスを組み合わせて利用する場合も、上限額の範囲内で無償化の対象とする。

なお、幼稚園が預かり保育を実施していない場合や十分な水準の預かり保育を提供していない場合には、幼稚園に加え、認可外保育施設等を利用する場合についても、無償化の対象とする。その場合の認可外保育施設等の無償化の上限額は、預かり保育に係る無償化上限月額1.13万円13から預かり保育に係る無償化給付の支給額を控除した額14とする。

0歳から2歳までの子供たちについては、保育の必要性があると認定された住民税非課税世帯の子供たちを対象として、認可保育所における保育料の全国平均額(月額4.2万円)までの利用料を無償化する。

無償化の対象となる認可外保育施設は、都道府県等に届出を行い、国が定める認可外保育施設の基準を満たすことを必要とする。ただし、経過措置として、基準を満たしていない場合でも無償化の対象とする5年間の猶予期間を設ける。

(質の確保)

今般の無償化を契機に、認可外保育施設の質の確保・向上を図るため、児童福祉法に基づく都道府県(指定都市・中核市を含む。)の指導監督の充実等を図る。(第1-2-9図)

第1-2-9図 認可外保育施設に対する質の確保に関する支援の流れ(イメージ)

なお、支援法の改正法の附則に、「法律の施行後2年を目途として、経過措置の在り方について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする」旨の見直し検討規定を置いている。

(4)就学前の障害児の発達支援

就学前の障害児の発達支援についても、併せて無償化を進める15。具体的には、満3歳になった後の最初の4月から小学校入学までの3年間を対象に、児童発達支援、医療型児童発達支援、居宅訪問型児童発達支援及び保育所等訪問支援を行う事業並びに福祉型障害児入所施設及び医療型障害児入所施設の利用料を無償化する16

また、幼稚園、保育所又は認定こども園とこれらの発達支援の両方を利用する場合は、ともに無償化の対象とする17


1 学校教育法(昭和22年法律第26号)第134条に規定する各種学校は、同法第1条の学校とは異なり、幼児教育を含む個別の教育に関する基準はなく、多種多様な教育を行っており、また、児童福祉法上、認可外保育施設にも該当しないため、無償化の対象とはならない。上記以外の幼児教育を目的とする施設については、乳幼児が保育されている実態がある場合、認可外保育施設の届出があれば、当該施設を利用する子供のうち、保育の必要性のある子供については無償化の対象となるものとする。

2 学校教育法第1条に規定する特別支援学校の幼稚部を含む。また、在外教育施設・幼稚部については、日本人学校に付置されているものに加えて、単独で存在するものもあり、当該施設を含め設置者及び利用者の実態調査を進めているところ。

3 子ども・子育て支援法(平成24年法律第65号。以下「支援法」という。)第7条第5項に規定する地域型保育(小規模保育、家庭的保育、居宅訪問型保育、事業所内保育)をいう。

4 国立大学附属幼稚園、国立大学附属特別支援学校幼稚部については、国立大学等の授業料その他の費用に関する省令(平成16年文部科学省令第16号)に定められる標準額を踏まえた上限額(国立大学附属幼稚園は月額0.87万円、国立大学附属特別支援学校幼稚部は月額0.04万円)とする。

5 認定こども園における1号認定の子供も同じ。

6 認定こども園における1号認定の子供たちが利用する預かり保育も含む。

7 住民税非課税世帯の満3歳児であって、満3歳になった後の最初の3月31日までの間にある者は、上限月額2.57万円と上限月額4.2万円との差額である上限月額1.63万円。

8 具体的には、利用日数に日額単価(450円)を乗じて計算した支給限度額(上限月額1.13万円)と実際に支払った利用実績額を月毎に比較して、少ない方の額を支給する仕組みとする。なお、支援法の一時預かり事業(幼稚園型)についても同様。

9 住民税非課税世帯の0歳から2歳までの子供たちについては、3号認定と同等の内容の無償化給付のための保育の必要性認定を支援法上に設ける。

10 国公立の場合は設置者。

11 認可外保育施設とは、一般的な認可外保育施設、地方自治体独自の認証保育施設、ベビーホテル、ベビーシッター、認可外の事業所内保育等を指す。

12 児童福祉法(昭和22年法律第164号)第6条の3第7項に規定する一時預かり事業、同条第13項に規定する病児保育事業及び同条第14項に規定する子育て援助活動支援事業をいう。

13 住民税非課税世帯の満3歳児であって、満3歳になった後最初の3月31日までにある者は月額1.63万円。

14 預かり保育を利用しない場合、認可外保育施設等の無償化の上限月額は1.13万円。

15 就学前の障害児の発達支援の無償化に係る財源については、現行の障害児福祉サービスの制度と同様、一般財源とする。また、初年度に要する周知費用やシステム改修費について全額国費で負担する。

16 障害児入所施設は、入所している障害児に対し、日常生活の指導や知識技能の付与など、通所型の児童発達支援と同様の支援を行っていることから対象に含める。また、基準該当児童発達支援事業所及び共生型の特例により指定を受けた児童発達支援事業所も対象とする。

17 認可外保育施設等と併用した場合も同様(認可外保育施設等については上限額あり)。

[目次]  [戻る]  [次へ]