第1部 少子化対策の現状(第2章 第2節 2)

[目次]  [戻る]  [次へ]

第2章 少子化対策の取組(第2節 2)

第2節 子育て負担の軽減~教育無償化に向けた取組について~【特集】(2)

2 高等教育の無償化について

(1)総論

高等教育は、国民の知の基盤であり、イノベーションを創出し、国の競争力を高める原動力でもある。大学改革、アクセスの機会均等、教育研究の質の向上を一体的に推進し、高等教育の充実を進める必要がある。

最終学歴によって平均賃金に差があり、また、低所得の家庭の子供たちは大学への進学率が低いという実態がある。

こうしたことを踏まえ、低所得者世帯の者であっても、社会で自立し、活躍することができる人材を育成する大学等に修学できるよう、その経済的負担を軽減することにより、我が国における急速な少子化の進展への対処に寄与するため、真に支援が必要な低所得者世帯の者に対して、<1>授業料及び入学金の減免(以下「授業料等減免」という。)と<2>給付型奨学金の支給を合わせて措置する。(第1-2-10図)

第1-2-10図 高等教育無償化の制度の概要

(2)対象者・対象範囲等

対象となる学校種は、大学、短期大学、高等専門学校及び専修学校専門課程(専門学校)とする1。対象となる学生は、住民税非課税世帯の学生とし、全体として支援の崖・谷間が生じないよう、住民税非課税世帯に準ずる世帯の学生についても、住民税非課税世帯の学生に対する支援措置に準じた支援を段階的に行う。

今般の高等教育の無償化の実施時期については、2020(令和2)年4月1日とし、2020年度の在学生(実施の際、既に入学している学生も含む。)から対象とする。

(3)授業料等減免・給付型奨学金の概要
(授業料等減免)

授業料等減免は、各大学等が、以下の上限額まで授業料及び入学金の減免を実施し、減免に要する費用について公費から支出する。国公立大学等は、入学金・授業料ともに、省令2で規定されている国立の学校種ごとの標準額までを減免する。

私立大学等は、入学金については、私立の入学金の平均額までを減免し、授業料については、国立大学の標準額に、各学校種の私立学校の平均授業料を踏まえた額と国立大学の標準額との差額の2分の1を加算した額までを減免する。

(給付型奨学金)

給付型奨学金は、日本学生支援機構が各学生に支給する。学生が学業に専念するため、学生生活を送るのに必要な学生生活費を賄えるよう措置を講じる。

(4)支援対象者の要件(個人要件)等
(学業・人物に係る要件)

今般の高等教育の無償化の目的は、支援を受けた学生が大学等でしっかり学んだ上で、社会で自立し、活躍できるようになることであることから、進学前の明確な進路意識と強い学びの意欲や進学後の十分な学習状況をしっかりと見極めた上で学生に対して支援を行う。

高等学校在学時の成績だけで否定的な判断をせず、高校等が、レポートの提出や面談等により本人の学習意欲や進学目的等を確認する。

大学等への進学後は、その学習状況について厳しい要件を課し、これに満たない場合には支援を打ち切ることとする。

在学中の学生については、直近の住民税の課税標準額や学業等の状況により、支援対象者の要件を満たすかどうかを判定し、支援措置の対象とする。また、予期できない事由により家計が急変し、急変後の所得が課税標準額に反映される前に緊急に支援の必要がある場合には、急変後の所得の見込みにより、支援対象の要件を満たすと判断されれば、速やかに支援を開始する。

政府は、教育無償化以外にも、子育て世代と子供たちへの投資を大胆に拡充するという観点から、保育の受け皿整備や子育て世帯をやさしく包み込む社会的機運の醸成などに取り組んでいる。こうした取組を通じて、子供たちの誰もが自らの意欲と努力によって明るい未来をつかみ取ることができる社会を創るとともに、子育てに伴う負担感を軽減し、一人一人が結婚や子供についての希望を実現できる社会を目指していく。


1 大学の学部、短期大学の学科・認定専攻科、高等専門学校の学科(4年生・5年生)・認定専攻科の学生、専修学校の専門課程の生徒を対象とする。

2 国立大学等の授業料その他の費用に関する省令(平成16年文部科学省令第16号)等

[目次]  [戻る]  [次へ]