第2部 少子化対策の具体的実施状況(第2章 第1節 4)

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第2章 きめ細かな少子化対策の推進(第1節 4)

第1節 結婚、妊娠・出産、子育ての各段階に応じた支援(4)

4 子供の貧困

子供の貧困対策

子供の貧困対策については、2013(平成25)年6月に「子どもの貧困対策の推進に関する法律」(平成25年法律第64号)が成立し、2014(平成26)年1月17日に施行された。同法では、子供の将来がその生育環境に左右されることのないよう、貧困の状態にある子供が健やかに育成される環境を整備するとともに、教育の機会均等を図るため、子供の貧困対策を総合的に推進することを目的としている。

同法を踏まえ、政府は、同年8月29日「子供の貧困対策に関する大綱」を閣議決定した。当該大綱では、子供の貧困対策に関する基本的な方針をはじめ、子供の貧困に関する指標、指標の改善に向けた当面の重点施策、子供の貧困に関する調査研究等及び施策の推進体制等を定めている。

経済的に厳しい状況に置かれたひとり親家庭や多子世帯の自立のためには、〈1〉支援が必要な者に行政のサービスを十分行き届けること、〈2〉複数の困難な事情を抱えている者が多いため一人一人に寄り添った伴走型の支援を行うこと、〈3〉ひとりで過ごす時間が多い子供たちに対し、学習支援も含めた温かい支援を行うこと、〈4〉安定した就労を実現することなどが重要であり、2015(平成27)年12月に「ひとり親家庭・多子世帯等自立応援プロジェクト」を策定し、就業による自立に向けた支援を基本にしつつ、子育て・生活支援、学習支援などの総合的な支援を実施することとした。

また、2016(平成28)年6月に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」や2017(平成29)年12月に閣議決定された「新しい経済政策パッケージ」においても、希望する教育を阻む制約の克服や子育てが困難な状況にある家族・子供等への配慮・対策等の強化のための施策などについて、今後を見据えてどのように展開していくか示されている。

2018(平成30)年11月には、子どもの貧困対策会議(会長:内閣総理大臣)において、上記「子供の貧困対策に関する大綱」策定以降の社会経済情勢の変化等を踏まえて、2019(平成31、令和元)年度内を目途に新たな「子供の貧困対策に関する大綱」の案を策定する旨、決定した。

社会全体で応援する取組

内閣府、文部科学省、厚生労働省、独立行政法人福祉医療機構は、子供の貧困対策が国をあげて推進されるよう、官公民の連携・協働プロジェクトとして「子供の未来応援国民運動」を推進している。(第2-2-12図)

第2-2-12図 子供の未来応援国民運動広報啓発ポスター

主な事業としては、各種支援情報の発信や支援活動を行う団体とその活動をサポートする企業等とのマッチングの推進、民間資金を活用した「子供の未来応援基金」による草の根で支援を行う特定非営利活動法人等に対する助成等があげられる。

このうち、支援情報の活用については、支援に関する情報を一元的に集約した上で、地域別、属性等別、支援の種類別に検索できる総合的な支援情報ポータルサイト1の整備を行っている。2017(平成29)年には、より必要な支援情報を届けられるよう、検索方法等をリニューアルし地方公共団体ごとの支援実施状況(登録施策数)を表示し見える化に対応する等、ユーザビリティを向上させた。

支援を必要とする団体と支援を希望する企業等とのマッチングに関しては、地域において企業、特定非営利活動法人等、市民、地方公共団体等が、その地域の実情を踏まえて子供たちの支援に向けた一歩を踏み出していただけるよう、子供の貧困対策に係る情報提供や各主体の交流の場づくりとして、2016(平成28)年度より、全国各地で「子供の貧困対策マッチング・フォーラム」を開催している。また、学習支援、子供食堂、フードバンクのそれぞれの分野における全国的なネットワークを有する団体が支援の窓口として相談や問合せに対応したり、支援物資等の配分調整等を行ったりする、「子供の未来応援マッチングネットワーク推進協議会」や、支援リソースと支援ニーズの双方を掲載し、相互に検索できるマッチングサイトを通じて、推進している。

「子供の未来応援基金」については、企業や個人に子供の貧困に対する理解を求め、協力を呼び掛けてきた結果、2018(平成30)年度末時点で約10億7,600万円の寄付が寄せられ、これまで2回にわたり子供たちに寄り添った活動を行う延べ165団体に対して支援をし、2019(平成31)年1月に第3回支援として公募に申請のあった358団体から、基金事業審査委員会による審査等を経て、2019年度に活動を行う71団体に支援金を交付することが決定された。

また、内閣府では、「地域子供の未来応援交付金」により、地方公共団体が地域の実情に応じて子供の貧困対策を進めていくため、関係行政機関、企業、特定非営利活動法人等との地域ネットワークを形成するための取組を支援している。


1 https://www.kodomohinkon.go.jp/

調査研究等

子供の貧困対策を総合的に推進するに当たり、子供の貧困の実態を適切に把握した上で、そうした実態を踏まえて施策を推進していく必要がある。「子供の貧困対策に関する大綱」(2014(平成26)年8月29日閣議決定)においては、今後の対策推進に資するよう、子供の貧困の実態等を把握・分析するための調査研究や、子供の貧困に関する新たな指標の開発に向けた調査研究等に取り組むこととされている。

2018(平成30)年度は、内閣府において、子供たちが置かれている貧困の状況及び実際に行われている各種の支援の実態を把握するため、地方公共団体と並ぶ、もう一方の地域における支援の担い手である、支援団体に焦点を当て、活動状況の実態調査・分析等を行った。

沖縄の子供の貧困対策

深刻な状況にもかかわらず行政の支援が子供に行き届いていないことや、日中にとどまらず夜間も子供の居場所がないことなど、沖縄特有の課題に緊急に対応するため、2016(平成28)年度より居場所づくりや子供の貧困対策支援員の配置を、モデル的・集中的に実施しており、県内で支援員114人を配置、居場所139か所を開所している(2018(平成30)年10月1日時点)。

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