第1部 少子化対策の現状(第1章)

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第1章 少子化をめぐる現状

・総人口は、2019年で1億2,617万人。

・年少人口(0~14歳)、生産年齢人口(15~64歳)、65歳以上人口は、それぞれ1,521万人、7,507万人、 3,589万人となっており、総人口に占める割合は、それぞれ12.1%、59.5%、28.4%。

・2019年の出生数は、86万5,234人となり、過去最少(「86万ショック」)。
 ※将来推計人口の出生中位推計(90万4,342人)と出生低位推計(82万1,121人)の間に位置。

・2019年の合計特殊出生率は、1.36と、前年より0.06ポイント低下。

・諸外国(フランス、スウェーデン、アメリカ、イギリス、ドイツ、イタリア)の合計特殊出生率の推移をみると、1970年から1980年頃にかけて、全体として低下傾向となったが、1990年頃からは、 合計特殊出生率が回復する国もみられる。ただし、2010年頃からはそれらの国々の出生率も再び低下傾向にある。

・アジアの国や地域について、シンガポール、香港、台湾、韓国の合計特殊出生率の推移をみると、1970年の時点では、いずれの国や地域も我が国の水準を上回っていたが、その後低下傾向となり、現在では人口置換水準を下回る水準。

・2019年の全国の合計特殊出生率は1.36であるが、47都道府県別の状況をみると、これを上回るのは36県。合計特殊出生率が最も高いのは沖縄県(1.82)、次は宮崎県(1.73)。最も低いのは東京都(1.15)、次は宮城県(1.23)。

【特集】男性の家事・育児参画の促進

1.男性の育児を目的とした休暇・休業の取得に関する現状

(1)育児休業【平成30年度雇用均等基本調査(厚生労働省)の結果より】

男性の育児休業取得率は6.16%(2018年度、女性は82.2%)。

取得日数は「5日未満」が最も多い36.3%で、2週間未満の取得者が7割を超える。

(2)配偶者の出産直後の男性の休暇取得【男性の子育て目的の休暇取得に関する調査研究(内閣府、2019年度)の結果より】
<1>配偶者の妊娠中から出産後2か月以内の休暇取得の実態

配偶者の出産後2か月以内に半日又は1日以上の休み(年次有給休暇、配偶者出産時等に係る特別休暇、育児休業等)を取得した男性の割合は58.7%。

<2>休暇を取得した父親の職場の特徴

末子の出生後2か月以内に休暇を取得した者の割合は、「300人以上」の大企業に勤務する者で66.4%、「官公庁・その他」に勤務する者で66.5%と高いが、「30人未満」の小規模な企業では42.0%と低く、勤務先の従業員規模による差が大きい。また、休暇取得促進のために必要なこととして「休暇の取りやすい職場」が最も多く挙げられており、職場環境整備の重要性が示唆された。

<3>休暇を取得した父親の家庭の特徴

休暇取得のきっかけは「日ごろの配偶者との会話」が43.5%、「配偶者からのリクエスト」 が32.8%となるなど、配偶者とのコミュニケーションが重要な要素となっている。

<4>父親の家事・育児への参画意識

出生前の男性の家事・育児参画に関する意識については、男性の家事・育児参画に肯定的な者が大半である。

2.政府における最近の動き

(1)男性の育児参画の促進

男性の育児休業取得率を2025年に30%とする目標を達成するための施策について検討を進めている。

少子化社会対策大綱(2020年5月29日閣議決定)では、男女が共に子育てに参画していく観点から、男性の育児休業取得や育児参画を促進するための取組を総合的に推進する方向性が示され、具体的には、妊娠から出産までの手続等の機会をとらえた育児休業制度等の周知・広報、育児のために休みやすい環境の整備、配偶者の出産直後の時期の休業を促進する枠組みの検討、好事例の収集・横展開等を通じた両親学級等の開催促進などを行うこととしている。

また、国家公務員については、男性職員が育児に参画する時間をきちんと確保し、民間部門も含めた我が国全体の育児休業等の取得率向上にもつなげていく観点から、子供が生まれた全ての男性職員が1か月以上を目途に育児に伴う休暇・休業を取得できることを目指し、職場全体の意識の変革や、取得の勧奨、休暇・休業中の業務運営の確保等に積極的に取り組むこととしている。

(2)子育てにやさしい社会的機運の醸成
<1>子育て応援コンソーシアムにおける取組

日本経済団体連合会、日本商工会議所、経済同友会の参加の下、男性の育児休暇等に関する企業の先進事例を紹介。

<2>「さんきゅうパパプロジェクト」の大規模広報

動画「そうなの?さんきゅうパパ」の作成や、さんきゅうパパ広報大使(元NHK「おかあさんといっしょ」の体操のお兄さん・小林よしひさ氏)任命式による大規模キャンペーンを実施。

動画「そうなの?さんきゅうパパ」より
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