第1部 少子化対策の現状(第2章 第2節 2)

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第2章 少子化対策の取組(第2節 2)

第2節 新たな少子化社会対策大綱の策定~新しい令和の時代にふさわしい少子化対策へ~【特集】(2)

2 婚姻件数、妊娠届出数、出生数の推移

新型コロナウイルス感染症が流行する中で、婚姻件数及び妊娠届出数に減少傾向がみられる。

(1)婚姻件数

婚姻件数1については、2019年はいわゆる「令和婚」の影響もあり7年ぶりに増加したが、2020年1月から12月までの婚姻件数の累計(速報値)は53万7,583組であり、前年の61万5,652組と比較して12.7%減少し、1950年以来の減少率となった。

特に、2020年5月の婚姻件数は3万2,544組であり、2019年5月の9万3,128組と比較して65.1%減と減少幅が大きく、また、2020年の他月と比較しても少なくなっている。これは、2019年5月は改元に伴い一時的に婚姻件数が増加したのに対し、2020年5月は1回目の緊急事態宣言が発出される中で自粛等が影響したものと考えられる。


1 厚生労働省「人口動態統計速報」。速報の数値は、各種届出書等から市区町村で作成された人口動態調査票の作成枚数であり、日本における日本人、日本における外国人、外国における日本人及び前年以前に発生した事象を含むものである。

(2)妊娠届出数

妊娠した者は母子保健法2に基づき市町村に妊娠の届出をすることとなっている。厚生労働省が2018年1月から2020年10月までの妊娠届出数の状況について地方公共団体に照会し取りまとめた結果3によると、2020年1月から10月までの妊娠届出数の累計は72万7,219件であり、前年同期間の76万6,316件と比較して5.1%減少した。妊娠届出数の過去5年の対前年増減率は、マイナス5.6%からプラス0.2%と幅があり、本年はやや低い傾向である。

新型コロナウイルス感染症の流行が本格化し、1回目の緊急事態宣言が発出された2020年4月は対前年同月比0.3%減、5月は同17.6%減、6月は同5.7%減、7月は同10.9%減となっており、2020年5月から7月に大幅な減少が見られたが、同年8月から10月にかけて、下げ幅は軽減している状況である。


2 昭和40年法律第141号

3 厚生労働省「令和2年度の妊娠届出数の状況について」(2020年12月24日公表)。妊娠届出は、母子健康手帳の交付や妊婦健康診査、両親学級、産前産後サポート事業などの母子保健サービスが適切に住民に行き届くよう、市町村が妊娠している者を早期に把握するための制度である。法令上、妊娠届出時期について時限は定められていないが、厚生労働省では、妊娠11週以下の時期の届出を勧奨しており、2018年度には93.3%の妊婦が、妊娠11週までに届出を行っている。なお、多胎妊娠の場合、児の数にかかわらず1件として届出がなされる。

(3)出生数

出生数4については、2020年1月から12月までの出生数の累計(速報値)は87万2,683人であり、前年の89万8,600人と比較して2.9%減少し、過去最低となった。

新型コロナウイルス感染症が流行する中で、2020年12月は対前年同月比7.3%減、2021年1月は同14.6%減、2月は同10.3%減となっており、妊娠から出産までの期間を踏まえると、2020年12月頃から新型コロナウイルス感染症の影響が出始めているものと考えられる。

長期的にみても、婚姻件数や出生数は減少傾向が続いていることに加え、新型コロナウイルス感染症の流行が、結婚行動や妊娠活動に少なからず影響を及ぼした可能性があるものと考えられ、今後の推移を注視していく必要がある5

図表 婚姻件数の推移

図表 妊娠届出数の推移

図表 出生数の推移


4 厚生労働省「人口動態統計速報」

5 妊娠中の感染リスクに対する不安、新型コロナウイルス感染症の影響による経済的な不安などが、妊娠を避ける要因となっているとの指摘がある。また、外出自粛や人との接触機会の低減などによる出会いの機会の減少、新型コロナウイルス感染症の影響による雇用・生活の不安定化などが、今後の婚姻件数の減少に拍車をかけ、将来の出生数の減少につながり得るとの指摘もある。

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