第2部 少子化対策の具体的実施状況(第1章 第1節 3)

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第1章 重点課題(第1節 3)

第1節 結婚・子育て世代が将来にわたる展望を描ける環境をつくる(3)

3 男女共に仕事と子育てを両立できる環境の整備

(保育の受け皿整備の一層の加速)
「子育て安心プラン」等に基づく保育の受け皿の整備

保育所等待機児童数については、2020年4月時点において1万2,439人(対前年比4,333人減)となっており、待機児童数調査開始以来最少の調査結果となった。

(第2-1-2図、第2-1-3図、第2-1-4表)

第2-1-2図 保育所等待機児童の現状

第2-1-3図 2020年4月1日 全国待機児童マップ(都道府県別)

第2-1-4表 年齢区分別待機児童数

これまで25歳から44歳までの女性就業率の上昇や、それに伴う保育の利用申込み率の伸びに対応するため、2017年6月に「子育て安心プラン」を公表し、2020年度末までに待機児童の解消を図るとともに、女性就業率8割に対応できるよう、2020年度末までに約32万人分の受け皿整備を行うこととして、整備を行ってきた。(第2-1-5図)

第2-1-5図 「子育て安心プラン」

2017年に閣議決定された「新しい経済政策パッケージ」においては、同プランの実現に必要な「企業主導型保育事業」と保育の運営費(0~2歳児相当分)について、事業主拠出金の増額分を充てることとしており、拠出金の率の上限を引き上げるなどの必要な措置を講ずるため、2018年通常国会(第196回国会)に、「子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案」を提出し、同年3月に成立した。

また、実際の保育の受け皿整備を行うに当たっては、保育の実施主体である市区町村が潜在的ニーズも含めた保育ニーズを的確に把握し、それを整備計画に反映していくことが重要である。このため、「子育て安心プラン」に基づき整備計画を作成する際には、「保育コンシェルジュ」(「利用者支援事業(特定型)」)などを活用しながら、潜在的な保育ニーズの把握に積極的に取り組むよう、市区町村に対し2017年12月に通知した。

そして、2018年から、各地方公共団体の「子育て安心プラン実施計画」を厚生労働省ホームページ1に公表し、各地方公共団体の市区町村全域・保育提供区域ごとの整備量の見込み等の「見える化」を行っている。

2021年度以降の保育の受け皿整備については、「全世代型社会保障改革の方針」(2020年12月15日閣議決定)において、待機児童の解消を目指し、女性就業率の上昇を踏まえた保育の受け皿整備、幼稚園やベビーシッターを含めた地域の子育て資源の活用を進めるため、年末までに「新子育て安心プラン」を取りまとめることとされた。これを踏まえ、2020年12月に厚生労働省において「新子育て安心プラン」を取りまとめ、これに基づき、2021年度から2024年度末までの4年間で約14万人分の保育の受け皿を整備するほか、<1>地域の特性に応じた支援、<2>魅力向上を通じた保育士の確保、<3>地域のあらゆる子育て資源の活用を柱とする各種施策を推進することにより、できるだけ早く待機児童の解消を目指す。(第2-1-6図)

第2-1-6図 「新子育て安心プラン」

また、「全世代型社会保障改革の方針」(2020年12月15日閣議決定)において、「新子育て安心プラン」の財源については、社会全体で子育てを支援していくとの大きな方向性の中で、公費に加えて、経済界に協力を求めることにより安定的な財源を確保すること、その際、児童手当については、高所得の主たる生計維持者(年収1,200万円以上の者(子供2人と年収103万円以下の配偶者の場合))を特例給付の対象外とすることとされた。

これを踏まえ、児童手当の見直し等の措置を講ずるため、2021年通常国会(第204回国会)に「子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案」を提出するとともに、経済界からの追加拠出として事業主拠出金1,000億円を確保することとしている。

上記の対策に加え、UR賃貸住宅では、地方公共団体と連携しつつ、団地再生事業等により生じた整備敷地や既存の空き店舗等の活用による、子育て支援施設(保育所、幼稚園、学童保育など)の設置に努めており、2019年度末現在で608件の実績がある。

また、2017年の「都市公園法」(昭和31年法律第79号)の改正により、保育所等の設置にかかる都市公園における占用特例が一般措置化された。これによって保育所設置の取組も広がっている。


1 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_13136.html

地域の実情に応じた保育の実施

「子育て安心プラン」では、各地方公共団体が策定した「子育て安心プラン実施計画」をホームページにおいて公表し、保育提供区域ごとの申込者等の計画の見える化を実施するとともに、「保育コンシェルジュ」や広域的保育所等利用事業に必要な予算を確保し、積極的な活用を促している。

また、待機児童数の約8割が1歳児・2歳児となっていることから、0歳から2歳児が入所する「小規模保育事業等地域型保育事業」、企業が柔軟に運営できる「企業主導型保育事業」、幼稚園における2歳児の受入れ促進を行っている。

「企業主導型保育事業」については、2020年3月31日現在、全国で3,768施設、定員は8万6,695人分を確保している。

幼稚園については、幼稚園における待機児童の受入れ等を促進するため、2018年度に「子育て安心プラン」に基づき、幼稚園において保育を必要とする2歳児を定期的に預かった場合に、運営費の補助を行う仕組みを創設した。2021年度予算においては、新たに2歳児等を受け入れる幼稚園への開設準備経費の補助の創設、受入れ児童数に応じた補助額の増額、0歳児・1歳児の受入れ単価の創設を行い、一層の充実を図っている。

また、幼稚園から教育と保育を一体的に行う認定こども園への移行も促進しており、2020年4月時点では私立幼稚園のうち2,661園が認定こども園へ移行している。

人口減少地域等における保育の在り方については、2020年度に調査研究事業を実施し、各自治体の取組状況や課題認識を把握した上で、その結果等を踏まえて検討していく。

(保育人材確保のための総合的な対策の推進)
保育人材の確保

保育の受け皿拡大を進める中、保育の担い手となる保育人材の確保のため、処遇改善や新規資格取得支援、就業継続支援、離職者の再就職支援など、総合的な対策を講じることとしている。(第2-1-7図)

第2-1-7図 保育人材の確保に向けた総合的な対策

特に保育士等の処遇改善は毎年度取り組んでおり、2017年度当初予算では全職員の処遇を2%改善した。また、一律の処遇改善に加え、努力が評価され、将来に希望が持てるよう、技能・経験に応じたキャリアアップの仕組みを構築した。具体的には、経験年数が概ね7年以上の中堅職員に対しては月額4万円、経験年数が概ね3年以上の職員に対しては月額5千円の処遇改善を行っている。また、2017年12月8日に閣議決定された「新しい経済政策パッケージ」に基づき、2019年4月から更に1%の処遇改善を行っている。

2020年度当初予算においては、保育士資格の取得や再就職を目指す者等に対する修学資金等の貸付原資等を補助し、安定的な財源を確保するとともに、保育士宿舎借り上げ支援事業について、直近2か年の待機児童数及び保育士の有効求人倍率の状況によって、対象者の年数(採用日から5年又は10年以内)を決定する仕組み等に見直すこととした。

また、2020年度補正予算においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、保育の周辺業務や補助業務に係るICT等を活用した業務システムの導入を支援するとともに、在宅等で研修が受講できるよう、オンライン研修を行うために必要な教材作成経費等の支援を盛り込んだ。

2021年度当初予算においては、保育の現場・職業の魅力向上を図るため、情報発信のプラットフォームの作成などの保育士・保育現場の魅力発信や労務管理の専門家の巡回支援などの魅力ある職場づくり、保育補助者等の配置による保育士の業務負担軽減を盛り込んだ。

こうした総合的な支援に力を尽くし、更なる保育人材の確保に取り組んでいくこととしている。

(放課後児童クラブ・放課後子供教室の整備及び一体的な実施)
「新・放課後子ども総合プラン」の実施

共働き家庭等の「小1の壁」・「待機児童」を解消するとともに、次代を担う人材を育成するため、全ての児童が放課後を安全・安心に過ごし、多様な体験・活動を行うことができるよう、2018年9月に、2019年度から5年間を対象とする「新・放課後子ども総合プラン」を文部科学省と厚生労働省が共同で策定した。同プランでは、放課後児童クラブについて、2023年度末までに約152万人分の受け皿整備を行うとともに、全ての小学校区で両事業を一体的に又は連携して実施し、うち小学校内で一体型として1万か所以上で実施することを目指している。

また、新たに放課後児童クラブ又は放課後子供教室を整備等する場合には、学校施設を徹底的に活用することとし、新たに開設する放課後児童クラブの約80%を小学校内で実施することを目指している。

さらに、子供の主体性を尊重し、子供の健全な育成を図る放課後児童クラブの役割を徹底し、子供の自主性、社会性等の向上を図ることとしている。(第2-1-8図)

第2-1-8図 「新・放課後子ども総合プラン」の全体像

全ての子供を対象に、地域住民等の参画を得て、学習やスポーツ・文化芸術活動、地域住民との交流活動などの機会を提供する「放課後子供教室」は、2020年11月現在、1,128の市区町村、18,031か所で実施されている。共働き家庭など保護者が仕事などで昼間家庭にいない小学生を対象に、授業の終了後などにおいて学校の余裕教室や児童館などを利用して遊びや生活の場を提供する「放課後児童クラブ」は、2020年7月現在、1,623市区町村、26,625か所で実施され、131万1,008人の児童が登録されている。(第2-1-9表)

第2-1-9表 放課後児童クラブ及び放課後子供教室の実施状況

放課後児童クラブについては、2015年4月から、2012年に改正された「児童福祉法」(昭和22年法律第164号)に基づき、対象となる児童の年齢を「おおむね10歳未満」から「小学校に就学している」児童とするとともに、質を確保する観点から、職員の資格、員数、設備などを定めた「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」(平成26年厚生労働省令第63号)を策定し、市町村はこれを踏まえて設備及び運営に関する基準を条例で定め、この条例に基づき「放課後児童健全育成事業」を実施することとなっている。

また、放課後児童クラブの運営の多様性を踏まえつつ、放課後児童クラブにおいて集団の中で子供に保障すべき遊び及び生活の環境や運営内容の水準を明確化し、事業の安定性及び継続性の確保を図っていくため、「放課後児童クラブ運営指針」(2015年3月)を策定し、子供が安心して過ごせる生活の場としての一定水準の質の確保及び向上を図っている。

さらに、2021年度当初予算では、「新・放課後子ども総合プラン」に基づき、2023年度末までに約152万人分の受け皿整備に向け、施設整備費の補助率嵩上げを継続し、放課後児童クラブの受入児童数の拡大を図ることとしている。

文部科学省では、2017年3月の「社会教育法」(昭和24年法律第207号)改正を踏まえ、地域全体で未来を担う子供たちの成長を支え、地域を創生する地域学校協働活動を全国的に推進しており、その一環として、保護者や地域住民等の協力を得て、放課後などに子供たちに学習や様々な体験・交流活動等の機会を提供するため放課後子供教室を推進している。

2020年度当初予算では、「新・放課後子ども総合プラン」の目標達成に向け、放課後児童クラブと一体型又は連携型の放課後子供教室の計画的な整備、プログラムの充実を図っており、2021年度当初予算においても同プランに基づき、放課後子供教室の推進を図ることとしている。

・新型コロナウイルス感染症を踏まえた対応

2020年3月、新型コロナウイルス感染症対策のための小学校等における一斉臨時休業が行われたが、放課後児童クラブについては、共働き家庭など留守家庭の小学校に就学している子供を対象としており、特に小学校低学年の子供は留守番をすることが困難な場合があると考えられることから、感染の予防に留意した上で、原則として開所することとされた。臨時休業を行う場合においても、子供の預かりが必要な場合があることから、必要な代替措置を講ずることを検討することとされた。

2020年4月の新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言の発出を受けて、放課後児童クラブについては、都道府県知事から放課後児童クラブの使用の制限等が要請されていない場合は規模を縮小して実施すること、子供や職員が罹患した場合や地域で感染が著しく拡大している場合は臨時休業を検討することとされた。また、新型コロナウイルス感染症への対応として、小学校の臨時休業等に伴い、午前中から放課後児童クラブを開所する等を行った場合に追加で生じる費用や、市区町村が新型コロナウイルス感染症の拡大防止を図るために放課後児童クラブを臨時休業させた場合等に、市区町村が保護者へ返却する日割り利用料等について財政支援を行った。

(企業等による事業所内保育施設等の設置の促進)
企業等による事業所内保育施設等の設置の促進

2015年度に新設された「事業所内保育事業」は、市町村の認可事業(地域型保育事業)であり、「地域型保育給付」の対象となっているところである。(2020年4月1日現在:645件)

また、2016年度からは、多様な就労形態に対応する保育サービスの拡大を行うため、「子ども・子育て支援法」(平成24年法律第65号)の改正によって新設された「仕事・子育て両立支援事業」において「企業主導型保育事業」を実施し、企業が主導して設置する保育施設について、その整備・運営に係る費用の一部を助成している。同事業では、設置場所を企業の敷地内に限定していないことから、例えば、中小企業等が共同で設置・利用するもの、自企業の事業所内ではなく、利用する従業員や地域の子供の利便性を考慮し、駅近接地に設置するものなど、従業員や各企業のニーズに沿った創意工夫の下、事業が展開されている(2020年3月31日現在の助成件数:3,768施設、定員8万6,695人分)。

「仕事・子育て両立支援事業」においては、上記に加え、2016年度から「企業主導型ベビーシッター利用者支援事業」として、多様な働き方をしている労働者等がベビーシッター派遣サービスを就労のために利用した場合に、その利用料金の一部を助成している。

「企業主導型ベビーシッター利用者支援事業」については、2020年3月の新型コロナウイルス感染症対策のための小学校等の臨時休業等に伴い、保護者の休暇取得や放課後児童クラブの利用状況等も踏まえ、ベビーシッターを利用することが必要となる場合に、2020年3月の特例措置として、利用補助の拡充(1日当たり2,200円のところ11,000円まで拡充)等を行った。同年4月以降も特例措置を延長するとともに、加えて、個人で就業しているいわゆるフリーランスの方も利用可能とした。

さらに、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、紙媒体の割引券のやり取りが困難となっている中、ICTを活用した非接触型の割引券使用システムへの移行を図るため、2020年度第2次補正予算により、ICT化の環境整備に要する費用への財政支援を行った。

2021年度については、「新子育て安心プラン」の一環として、利用補助の拡充(1日当たり2,200円から4,400円に引上げ)を行うこととしている。

(高等学校等における妊娠した生徒への配慮)
高等学校等における妊娠した生徒への配慮

文部科学省では、2018年3月に、各都道府県教育委員会等に対して、高等学校等における妊娠した生徒への対応等に係る留意事項等についての通知を発出し、高等学校等の生徒が妊娠した場合には、関係者間で十分に話し合い、母体の保護を最優先としつつ、教育上必要な配慮を行うべきものであることなどを示した。この通知の内容については、同年6月以降、文部科学省が毎年度2回開催している「都道府県・指定都市等生徒指導担当者連絡会議」等において、各都道府県教育委員会等の生徒指導担当者に対して周知徹底を図っている。

(育児休業や育児短時間勤務などの両立支援制度の定着促進・充実)
育児休業や短時間勤務等の両立支援制度の定着

育児・介護期は特に仕事と家庭の両立が困難であることから、労働者の継続就業を図るため、仕事と家庭の両立支援策を重点的に推進する必要がある。

このため、男女共に子育て等をしながら働き続けることができる環境を整備することを目的として、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号。以下「育児・介護休業法」という。)において、育児休業や短時間勤務制度、所定外労働の制限等の制度が設けられており、各種媒体により周知徹底を図っている。

都道府県労働局雇用環境・均等部(室)では、事業所を訪問し、就業規則等で必要な制度が設けられているかを確認するなど、同法に規定されている制度の履行確保に向けた行政指導を実施している。

また、子を養育するために休業した労働者の雇用と生活の安定を図るため、雇用保険を財源に、育児休業開始から180日までは休業開始前賃金の67%、それ以降は休業開始前賃金の50%を「育児休業給付金」(給付金は非課税)として支給している。

そして、社会保険の加入者は、育児休業をしている期間について、事業主が申出をしたときに、健康保険及び厚生年金保険の保険料の免除を受けることができる。

さらに、育児を行う労働者が働き続けやすい雇用環境の整備を行う事業主等を支援するため、「両立支援等助成金」の支給を行っている。2020年度における仕事と育児の両立支援関係の助成金の内容は下記のとおりである。

  • 出生時両立支援コース
    男性の育児休業や育児目的休暇の取得に向けた職場風土づくりに取り組み、子の出生後8週間以内に開始する育児休業等を男性労働者が取得したとき
  • 育児休業等支援コース
    • 育休取得時、職場復帰時
      「育休復帰支援プラン」を策定・導入し、プランに沿って対象労働者の円滑な育児休業の取得、職場復帰に取り組んだとき
    • 代替要員確保時
      育児休業取得者の代替要員を確保し、かつ、育児休業取得者を原職等に復帰させたとき
    • 職場復帰後支援
      育児休業からの復帰後、仕事と育児の両立が特に困難な時期にある労働者のため、法を上回る子の看護休暇制度や保育サービス費用補助制度を導入し、一定以上利用させたとき
  • 再雇用者評価処遇コース
    妊娠、出産、育児、介護又は配偶者の転勤等を理由として退職した者が、就業が可能になったときに復職できる再雇用制度を導入し、希望する者を採用したとき
  • 事業所内保育施設コース
    労働者のための事業所内保育施設を設置・運営等したとき
    ※2016年度からは、「企業主導型保育事業」の開始に伴い、新規受付を停止

新型コロナウイルス感染症への対応として、小学校等の臨時休業等により仕事を休まざるをえなくなった保護者の所得の減少に対応するため、新型コロナウイルス感染症による「小学校休業等対応助成金制度」を創設し、正規雇用・非正規雇用を問わず、有給の休暇(労働基準法上の年次有給休暇を除く。)を取得させた企業に対し、助成金を支給した。同様に、委託を受けて個人で仕事をする方が、契約した仕事ができなくなった場合にも支援を行った(いずれも2020年2月27日~2021年3月31日の間に取得した休暇が対象。)。

小学校休業等対応助成金については、「非正規雇用労働者等に対する緊急支援策について」(2021年3月16日新型コロナに影響を受けた非正規雇用労働者等に対する緊急対策関係閣僚会議取りまとめ)に基づき、企業が申請を行わない場合に、保護者が直接支給を申請できる仕組みを導入した。

育児休業からの円滑な復帰の支援

少子化による生産年齢人口の減少が更に進む状況下においては、子育て期の労働者が働き続けながら育児を行えるような職場環境を整備していくことが重要であるが、約5割の女性が出産前後に退職する現状においては、働き続けることを希望する労働者が子育て等に専念するために休業した後、職場復帰できるようにするため、特に人手不足である中小企業で働く労働者に対するきめ細かな支援を進めていくことが必要である。

このため、中小企業における労働者の育児休業取得及び円滑な職場復帰による継続就労を支援するため、「育休復帰支援プラン」の普及促進を図るとともに、個々の事業主の状況に応じたプランの策定支援を行う「仕事と家庭の両立支援プランナー」による支援を行っている。また、中小企業において育児休業取得者の「育休復帰支援プラン」を策定・導入し、同プランに沿って当該労働者の円滑な育児休業の取得・職場復帰に取り組んだ場合に助成金を支給している。これらの総合的な支援を行うことで、中小企業における労働者の育児休業取得及び円滑な職場復帰による継続就労を支援している。

育児休業の取得等を理由とする不利益取扱いの防止

妊娠、出産、育児休業・介護休業の取得等を理由とする不利益取扱いは、「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」(昭和47年法律第113号。以下「男女雇用機会均等法」という。)及び育児・介護休業法により禁止されている。

また、妊娠、出産、育児休業等をしながら継続就業しようとする労働者の就業環境を整備するため、上司・同僚による職場における妊娠、出産、育児休業等に関するハラスメントの防止措置を講じることが、事業主に対し義務付けられている。都道府県労働局における説明会やハラスメント対応特別相談窓口の設置等により、妊娠、出産、育児休業等に関するハラスメント防止対策の推進を行った。

妊娠、出産、育児休業等の不利益取扱いやハラスメント防止対策に関する相談に当たっては、労働者の立場に配慮しつつ迅速・丁寧に対応するとともに、法違反が疑われる事案を把握した場合には、事業主に対する報告徴収を実施し、法違反については積極的な行政指導を行っている。また、相談者のニーズに応じ、都道府県労働局長による紛争解決援助及び調停を実施し、円滑かつ迅速な紛争の解決を図っている。

非正規雇用労働者に対する支援

2017年1月1日から、有期雇用労働者が育児休業を取得し継続就業しやすくなるよう、有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件が緩和されていること等を含め、育児・介護休業法の周知及び履行確保を図るとともに、後述のとおり有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件のさらなる緩和等を内容とする「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案」を2021年通常国会(第204回国会)に提出した。

正規雇用・非正規雇用にかかわらず妊娠・出産前後の継続就業の支援

希望する女性が妊娠・出産後も継続して就業できるよう、育児・介護休業法に基づく仕事と子育ての両立支援制度が企業に定着するよう指導を行うとともに、育児休業からの円滑な職場復帰ができるよう支援を行っている。

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