第2部 少子化対策の具体的実施状況(第1章 第2節 1)

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第1章 重点課題(第2節 1)

第2節 多様化する子育て家庭の様々なニーズに応える(1)

1 子育てに関する支援(経済的支援、心理的・肉体的負担の軽減等)

(子育てに関する経済的支援・教育費負担の軽減)
児童手当の支給・在り方の検討

子育て世帯に対する現金給付については、以下の内容による児童手当が支給されている。

  • 支給対象
    中学校修了まで(15歳に達した日以後最初の3月31日まで)の児童を養育している方
  • 支給額(児童1人当たりの月額)
    • 所得制限未満の場合
      3歳未満 一律15,000円
      3歳以上小学校修了前 10,000円(第3子以降は15,000円)
      中学生 一律10,000円
    • 所得制限以上の場合
      一律5,000円(当分の間の特例給付)
  • 所得制限
    960万円未満(収入ベース)
    ※夫婦と児童2人の場合
  • 給付総額
    約2兆511億円(2021年度当初予算ベース)

「全世代型社会保障改革の方針」(2020年12月15日閣議決定)において、児童手当については、「少子化社会対策大綱」(2020年5月29日閣議決定)等に基づき、高所得者の主たる生計維持者(年収1,200万円以上の者(子供2人と年収103万円以下の配偶者の場合))を特例給付の対象外とし、2022年10月支給分から適用することとされたことを踏まえ、所要の措置を講ずるため、2021年通常国会(第204回国会)に「子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案」を提出した。

また、2020年3月の新型コロナウイルス感染症対策のための小学校等における一斉臨時休業等により、子育て世帯に予期せず様々な影響が生じたことなどを踏まえ、子育て世帯への一定の配慮を行うため、児童手当(本則給付)を受給する世帯に対し、その対象児童一人当たり1万円の臨時・特別の一時金として「子育て世帯への臨時特別給付金」を支給した。

幼児教育・保育の無償化の着実な実施

「新しい経済政策パッケージ」(2017年12月8日閣議決定)等の決定に基づき、これまで段階的に推進してきた取組を一気に加速し、幼児教育・保育の無償化を実現するため、2019年通常国会(第198回国会)において、「子ども・子育て支援法の一部を改正する法律」(令和元年法律第7号)が成立した。これを受けて、2019年10月の消費税率引上げによる財源を活用することにより、2019年10月から、3歳から5歳までの子供及び0歳から2歳までの住民税非課税世帯の子供についての幼稚園、保育所、認定こども園等の費用が無償化された。これは、子育て世代、子供たちに大胆に政策資源を投入し、お年寄りも若者も安心できる全世代型の社会保障制度へと大きく転換するものである。

なお、20歳代や30歳代の若い世代が理想の子供数を持たない理由は、「子育てや教育にお金がかかり過ぎるから」が最大の理由となっており、幼児教育・保育の無償化を始めとする負担軽減措置を講じることは、重要な少子化対策の一つとなるものである。また、幼児教育は生涯にわたる人格形成の基礎を培うものであり、子供たちに質の高い幼児教育の機会を保障することは極めて重要である。

あわせて、就学前の障害児の発達支援についても無償化する措置を講じている。

高校生等への修学支援

全ての意志ある高校生等が安心して教育を受けることができるよう、授業料に充てるための「高等学校等就学支援金」を支給し、家庭の教育費負担軽減を支援している。年収910万円未満世帯を対象として、年額11万8,800円を就学支援金として支給し、私立高校等に通う場合には、2020年4月から、年収590万円未満世帯を対象として私立高等学校授業料の実質無償化を実現した。また、低所得世帯の授業料以外の教育費負担を軽減するため、2014年度に創設した「高校生等奨学給付金制度」については、制度創設以降、毎年第1子の給付額を増額するなど、その充実に努めている。加えて、「離島高校生修学支援事業」において、高校未設置の離島の高校生に対する補助を実施している。

また、新型コロナウイルス感染症の影響により生活が困窮している世帯の高校生等の学びを支えるため、高校生等奨学給付金について、2020年度から、家計急変により非課税相当となった世帯についても、家庭でのオンライン学習に必要な通信費相当額の支給等、授業料以外の教育費に係る支援を実施している。

高等教育の修学支援

意欲のある学生等が、経済的理由により進学等を断念することがないよう、安心して学ぶことができる環境を整備することは重要である。このため、日本学生支援機構が実施する貸与型奨学金については、2017年度予算において低所得世帯の成績基準の実質的な撤廃、貸与基準を満たす希望者全員への無利子奨学金の貸与を実現し、引き続き確実に実施してきた。(第2-1-12図)

第2-1-12図 奨学金の貸与人員及び奨学金事業費の推移

また、「大学等における修学の支援に関する法律」(令和元年法律第8号)に基づき、2020年4月から、住民税非課税世帯及びそれに準ずる世帯の学生等を対象として、大学、短期大学、高等専門学校、専門学校における授業料等減免制度の創設及び給付型奨学金の支給の拡充を行う、「高等教育の修学支援新制度」を開始した。

なお、日本学生支援機構の貸与型奨学金・高等教育の修学支援新制度において、新型コロナウイルス感染症の影響により家計が急変し、修学が困難になった学生等については、随時申込を可能としている。

国民健康保険料の負担軽減を行う地方公共団体への支援

国民健康保険制度では、自治体の特別の事情を考慮して交付する特別調整交付金の仕組みにおいて、20歳未満の被保険者数が多いことによる財政影響や、未就学児に係る医療給付費負担が多いことによる財政影響がある地方公共団体に対し、財政支援を実施している。

また、国民健康保険制度の保険料(税)は、応益(均等割・平等割)と応能(所得割・資産割)に応じて設定されているが、社会保障審議会医療保険部会の議論において、子育て世帯の経済的負担軽減の観点から、国・地方の取組として、子供に係る均等割保険料(税)を軽減することとしており、これを踏まえ、必要な措置を講ずるため、2021年通常国会(第204回国会)に「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案」を提出した。

(子ども・子育て支援新制度の着実な実施)
地域の実情に応じた子ども・子育て支援の充実

子ども・子育て支援法等に基づく「子ども・子育て支援新制度」(以下「新制度」という。)が2015年4月に本格施行された。新制度では、「保護者が子育てについての第一義的責任を有する」という基本的な認識の下に、幼児期の学校教育・保育、地域の子ども・子育て支援を総合的に推進することとしている。(第2-1-13図)

第2-1-13図 子ども・子育て支援新制度の概要(2019年10月)

具体的には、〈1〉認定こども園、幼稚園、保育所を通じた共通の給付(「施設型給付」)及び小規模保育等への給付(「地域型保育給付」)の創設、〈2〉認定こども園制度の改善、〈3〉地域の実情に応じた子ども・子育て支援の充実を図ることとしている。実施主体は基礎自治体である市町村であり、地域の実情等に応じて幼児期の学校教育・保育、地域の子ども・子育て支援に必要な給付・事業を計画的に実施していくこととしている。

2015年11月に、「待機児童解消加速化プラン」に基づく2017年度末までの保育の受け皿整備目標を40万人分から50万人分に上積みしたことを受け、2016年通常国会(第190回国会)において、事業所内保育業務を目的とする施設等の設置者に対する助成及び援助を行う事業(「企業主導型保育事業」)等を創設するとともに、一般事業主から徴収する拠出金の率の上限を引き上げるなどの子ども・子育て支援法の改正を行い、同年4月から開始したこの「企業主導型保育事業」により、更なる保育の受け皿整備を進めている。

また、少子化という国難に正面から取り組むため、子供たち、子育て世代に大胆に政策資源を投入し、社会保障制度を全世代型へと変えていくという考え方に基づき、2019年通常国会(第198回国会)において子ども・子育て支援法の改正を行い、同年10月から、3歳から5歳までの子供及び0歳から2歳までの住民税非課税世帯の子供についての認定こども園、幼稚園、保育所等の費用を無償化した。

(保護者の就業形態や就業の有無等にかかわらない多様な保育・子育て支援の拡充)
保護者の就業形態や就業の有無等にかかわらない多様な保育・子育て支援の拡充

保護者の就業形態や就業の有無等にかかわらず、子育て家庭の多様なニーズに対応する、多様な保育・子育て支援を提供し、地域の実情に応じてそれらの充実を図っている。

地域の子ども・子育て支援をより効果的に実施するためには、関係機関相互の連携の推進を図っていくことが重要であり、2021年度において、「利用者支援事業」の拡充などにより、地域における各事業実施主体間の相互連携・協力を図ることで、子育て家庭の様々なニーズに対応した支援を円滑に進めていくこととしている。このような各子育て支援事業の実施者の連携・協力に関する取組を促進するため、「地域子ども・子育て支援事業」を行う市町村その他の子ども・子育て支援の提供を行う関係機関相互の連携の推進に関する事項について市町村子ども・子育て支援事業計画の記載事項として位置付けること等を内容とする「子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案」を2021年通常国会(第204回国会)に提出した。

また、認定こども園については、地域子育て支援拠点事業の活用等により、子育て親子の交流の場の提供や子育て等に関する相談・援助など、地域における子育て支援の充実を図っている。

・利用者支援

子育て家庭や妊産婦が、教育・保育施設や「地域子ども・子育て支援事業」、保健・医療・福祉等の関係機関を円滑に利用できるよう、身近な場所での相談や情報提供、助言等の必要な支援を行うとともに、関係機関との連絡調整、連携・協働の体制づくり等を行う「利用者支援事業」を新制度施行にあわせて創設した。

同事業は子育て家庭の個別ニーズを把握し、教育・保育施設及び「地域子ども・子育て支援事業」等の利用に当たっての情報集約・提供、相談、利用支援・援助を行う「利用者支援」及び子育て支援などの関係機関との連絡調整、連携・協働の体制づくりを行い、地域の子育て支援資源の育成、地域課題の発見・共有、地域で必要な社会資源の開発等を行う「地域連携」の主に二つの機能があり、その両方を実施する「基本型」と、主に「利用者支援」のみを実施し、保育所や各種の保育サービスに関する情報提供や利用に向けての支援を行う「特定型」、保健師等の専門職が全ての妊産婦等を対象に「利用者支援」と「地域連携」を共に実施する「母子保健型」の三つの類型を設け、妊娠期から子育て期にわたるまでの様々なニーズに対して支援を図っている。2019年度においては、基本型805か所、特定型389か所、母子保健型1,330か所(国庫補助対象分)で実施されている。(第2-1-14図)

第2-1-14図 利用者支援事業

・地域子育て支援拠点

子育て家庭等の負担感・不安感を軽減するため、子育て親子が気軽に集い、交流することができる場の提供や、子育てに関する相談・援助、地域の子育て関連情報の提供、子育て及び子育て支援に関する講習を行う「地域子育て支援拠点事業」を行っている。(2019年度実施か所数:7,578か所(国庫補助対象分))

・一時預かり、幼稚園の預かり保育

就労形態の多様化に対応する一時的な保育や、専業主婦家庭等の緊急時における保育等の一時預かりに対する需要に対応するため、「一時預かり事業」を実施している。(2019年度一般型の実施か所数:9,889 か所)

また、幼稚園の通常の教育時間(標準4時間)の前後や長期休業期間中などに、地域の実態や保護者の要請に応じて、希望する人を対象に行われる「預かり保育」を実施する幼稚園に対して支援を行っている。近年の女性の社会進出の拡大、都市化、核家族化などを背景として、多様化する保護者のニーズに伴い、「預かり保育」への要望が増加していることを受け、2008年3月には幼稚園教育要領を改訂し、教育活動として適切な活動となるようその充実を図った1。さらに、幼稚園における待機児童の受入れ等を促進するため、2018年度においては、「子育て安心プラン」に基づき、幼稚園において保育を必要とする2歳児を定期的に預かる仕組みを創設し、2020年度には特別な支援を要する子供の受入れ単価の創設を行った。2021年度予算においては、「預かり保育」の長時間化・通年化に係る補助を更に充実させたほか、新たに2歳児等を受け入れる幼稚園への開設準備経費の補助の創設、受入れ児童数に応じた補助額の増額、0歳児・1歳児の受入れ単価の創設を行い、一層の充実を図っている。

・ファミリー・サポート・センター

乳幼児や小学生等の児童を有する子育て中の労働者や主婦などを会員として、送迎や放課後の預かりなどの相互援助活動を行う「ファミリー・サポート・センター」の設置促進を行っている。(2019年度実施市区町村数:931市区町村)

また、2009年度からは、病児・病後児の預かり、早朝・夜間等の緊急時の預かりなどの事業(病児・緊急対応強化事業)を行っている(2019年度実施市区町村数:158市区町村)。

なお、2019年度末現在、「ファミリー・サポート・センター事業」における会員数は、援助を受けたい会員が約60万人、援助を行いたい会員が約15万人(その両方を希望する会員は約4万人)である。

多様な保育ニーズに対応するため、「延長保育」、「夜間保育」、「病児保育」等についても、引き続き推進を図っている。新制度の施行に伴い、延長保育、病児保育については、「地域子ども・子育て支援事業」に位置付けられた。また、「家庭的保育」及び「事業所内保育」については、新たに市町村の認可事業(地域型保育事業)として「地域型保育給付」の対象となるとともに、夜間保育については、「施設型給付」により対応している。

・延長保育

保護者の就労形態の多様化等に伴う延長保育の需要に対応するため、11時間の開所時間を超えて保育を実施する事業であり、当該事業を実施している民間保育所等に対して必要な補助を行っている(2019年度実施か所数:2万9,463か所(うち公立7,194か所、民間2万2,269か所))。

・夜間保育

おおむね午後10時頃まで開所する夜間保育所に対して必要な補助を行っている(2020年度実施か所数:76か所)。

・病児保育

保護者が就労している場合等において、子供が病気の際や病気の回復期に、自宅での保育が困難な場合がある。こうした保育需要に対応するため、病院・保育所等において病気の児童を一時的に保育するほか、保育中に体調不良となった児童への緊急対応並びに病気の児童の自宅に訪問し一時的に保育するなどにより、安心して子育てができる環境を整備し、もって児童の福祉の向上を図ることを目的とする「病児保育事業」を実施している(2019年度実施か所数:3,374か所)。

また、2016年度からは、事業主拠出金の引き上げによる財源により、〈1〉事業を開始する際のイニシャルコストを軽減すべく、従来の運営費に加え、新たに「病児保育事業」を実施するために必要となる施設整備等に係る費用の補助、〈2〉病児保育事業所において、看護師等を雇用し、保育所等において保育中に体調が悪くなった体調不良児を、専用施設等に送迎し、一時的に保育するための費用の補助を行っている。

なお、2018年度には、事業の安定的な実施を図るため運営費の補助の仕組みを見直した。

また、2021年度予算においては、さらなる安定化を図るため、利用児童数の変動によらない基本単価を引き上げるなどの単価見直しを盛り込んだ。

・地域型保育事業

保育需要の増加に対応するため、新制度の施行にあわせて、6人以上19人以下の子供を保育する「小規模保育」、5人以下の子供を保育する「家庭的保育」、従業員の子供のほか地域の子供を保育する「事業所内保育」など四つの事業を児童福祉法に位置付け、市町村の認可事業とした(2020年4月1日現在:6,911件(うち「小規模保育事業」5,365件、「家庭的保育事業」887件、「事業所内保育事業」645件、「居宅訪問型保育事業」14件))。(第2-1-15図)

第2-1-15図 地域型保育事業

・新型コロナウイルス感染症を踏まえた対応

2020年2月27日に開催された新型コロナウイルス感染症対策本部において、小学校等における全国一斉の臨時休業を要請する方針が示されたことを受け、同年3月2日から、新型コロナウイルス感染症対策のための小学校等における一斉臨時休業が行われた。

一方、保育所、幼稚園、認定こども園については、家に一人でいることができない年齢の子供が利用するものであることや、保護者の就労等により保育の必要がある子供の受け皿になっていることから、全国一斉の休業の要請の対象外とされた。臨時休園等を行う場合においても、子供の預かりが必要な場合があることから、必要な代替措置を講ずることとされた。

2020年4月7日の新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言の発出を受けて、保育所については、都道府県知事から保育所の使用の制限等が要請されていない場合は規模を縮小して開所すること、園児や職員が罹患した場合や地域で感染が著しく拡大している場合は臨時休園を検討することとされた。放課後児童クラブについても同様とされた。

このような状況を踏まえ、保育所等、幼稚園、「地域子ども・子育て支援事業」において、職員が感染症対策の徹底を図りながら事業を継続的に実施していくために必要な経費(かかり増し経費等)や、マスク・消毒液等の購入等に必要な経費に対して、補助を行った。

また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、保育所等が臨時休園等を行った場合、保護者が負担する利用料について、利用できない期間を差し引いた日割り計算によることとした。


1 2019年5月現在、「預かり保育」を実施している幼稚園の割合は、約88%。

トピックス:多機能型地域子育て支援の新たな展開に向けて

近年、核家族化の進展や、地域のつながりの希薄化など、家族の在り方や家族を取り巻く環境が多様化している。自分の生まれ育った地域以外の場所で、周囲のサポートを得られぬまま、孤独や不安を抱えながら、子育てに直面する家庭も少なくない。そのような中で、多様化する子育て家庭の様々なニーズに寄り添い、子育て家庭が地域の身近な場所で、必要な支援にアクセスでき、安全にかつ安心して子育てができる体制を作ることが急務となっている。

1.埼玉県久喜市「認定こども園こどもむら子育て支援センター 森のひろば」の取組-多機能型地域子育て支援による子育て家庭の居場所づくり-

埼玉県久喜市にある子育て支援センター「森のひろば」(運営主体:学校法人柿沼学園認定こども園こどもむら)は、近接する認定こども園と連携し、妊娠期から学童期までのワンストップサービスを実現しており、「子ども・子育て中心の街づくり」を目指し、地域子育て支援拠点と認定こども園を中心として、産前ケア施設、一時預かり、ホームスタート1、放課後児童クラブなど、様々な支援メニューを切れ目なく展開している。さらに、子供たちの基礎学力の向上と登校不安等の支援を目的とする宿題カフェや駄菓子屋などの地域の居場所もあわせて提供することで、一つのエリアで子供と子育て家庭を総合的に支援する体制を整備していることが特徴である。

とりわけ、認定こども園が中心となっていることで、利用者の立場からは、就労状況や家庭環境が変化しても、地域の居場所は変わらずに様々な支援メニューから必要なサービスを利用することができ、教育部局や福祉行政機関ともつながりやすくなるとともに、孤立の防止にもつながっている。また、保育教諭、助産師、栄養士、看護師、調理師、子育て支援員等、認定こども園を中心に専門性や経験のある職員が近くにいることで、子育てに悩んだ際に専門的な支援を受けることが可能となっている。さらに、子供が生まれる前から支援の場を利用できることで、産後の見通しを持つことができ、産後うつ等の困難な場面に直面してもすぐに頼れる場があるという安心感につながっている。

こうした一つの事業実施主体が総合的な支援を実施する多機能型地域子育て支援の取組は、相互に関連し合う子育て支援事業を有機的につなぎ、一体的に実施することで、子育て家庭のニーズに的確に対応することが可能となっている。

子供たちの様子
子育て支援センターの様子
マタニティハウスで助産師さんと沐浴の練習
宿題カフェの様子

2.多機能型地域子育て支援の新たな展開に向けて

内閣府では、子育て家庭が身近な地域で安全にかつ安心して子育てができるよう、多機能型地域子育て支援の取組を広げていくこととしている。このため、2021年度予算に関連する予算を計上するとともに2、このような各子育て支援事業の実施者の連携・協力に関する取組を促進するため、地域子ども・子育て支援事業を行う市町村その他の子ども・子育て支援の提供を行う関係機関相互の連携の推進に関する事項について市町村子ども・子育て支援事業計画の記載事項として位置付けること等を内容とする「子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案」を、2021年通常国会(第204回国会)に提出した。

こうした予算や制度を活用し、市町村において、地域子ども・子育て支援事業を行う事業実施主体が相互に連携・協力し、関連する事業を一体的かつ総合的に実施することで、子育て家庭における様々なニーズに的確に対応していくことが期待される。

多機能型地域子育て支援の新たな展開に向けた対応

1 未就学児が1人でもいる家庭に、研修を受けた地域の子育て経験者が訪問する、アウトリーチ型の子育て支援ボランティアのこと。

2 利用者支援事業について、支援員が各事業所等を巡回し、連携・協働の体制づくり等を行う加算を創設するとともに、国庫補助率を3分の1から3分の2に引上げを行うなど。

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