第2部 少子化対策の具体的実施状況(第2章 第1節 2)

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第2章 ライフステージの各段階における施策(第1節 2)

第1節 結婚前(2)

2 若い世代のライフイベントを応援する環境の整備

(若い世代のライフイベントを応援する環境の整備)
若い世代の結婚・出産・育児を妨げない労働環境の整備

働き方の多様化や結婚・出産・育児といったライフイベントが職業キャリアにもたらす環境変化に対応していくためには、若い世代のキャリア形成を支援していくことが必要であり、キャリアコンサルティングを通じたキャリアプランの設計を支援することが重要である。このため、厚生労働省では、若年者を含む労働者のキャリア形成を支援するため、2020年度からキャリア形成サポートセンターを設置し、本事業等を通じて、労働者等に対するキャリアコンサルティング機会の提供に取り組んでいる。

また、労働者の主体的な職業能力の開発及び向上を支援する教育訓練給付制度の給付対象講座の検索システムにおいて、講座ごとに女性の人数を掲載することで、女性の割合が高い講座を検索できるよう整備し、2020年度から運用している。

(多様なロールモデルの提示)
ロールモデルの提示

起業やNPO、地域活動など様々な分野で活躍している、身近な女性のモデルを示すことによって、女性が活躍する機運を高めていくため、「女性のチャレンジ賞」(内閣府特命担当大臣(男女共同参画)表彰)を実施した。

(経営者・管理職の意識行動改革)
企業経営者等の意識変革

企業において仕事と生活の調和を推進するためには、経営者及び管理職等の更なる意識改革に加えて、その推進に向けて制度の見直し等の企業による自主的な取組が不可欠である。そのため、経済団体等との共催により、経営者及び管理職等を対象にセミナーを開催し、ワーク・ライフ・バランスの取組の重要性を啓発するとともに、具体的な取組を進めるためのノウハウや好事例等を提供している。

イクボスや子育てを尊重するような企業文化の醸成

男性が育児をより積極的に楽しみ、かつ、育児休業を取得しやすい社会の実現を目指す「イクメンプロジェクト」の一環として、男性の仕事と育児の両立を積極的に促進する企業を表彰する「イクメン企業アワード」を実施し、ロールモデルとして普及させることで、職場環境の整備を促進している。

また、部下の仕事と育児の両立を支援し、かつ、業務効率を上げるなどの工夫をしている上司「イクボス」を表彰する「イクボスアワード」を実施するなど、人事労務管理や業務改善の好事例の普及を進めている。

さらに、子が出生して8週間以内に男性が育児のための休みを取ることを勧奨し、男性の育児参画を促すため、男性の育児休業取得に向けた様々な情報を更新したハンドブックの配布や、企業・労働者向け動画の公開を行っている。

(企業の両立支援の取組の「見える化」)
一般事業主行動計画(次世代育成支援対策推進法)の策定・公表の促進等

・一般事業主行動計画

次代の社会を担う子供が健やかに生まれ育つ環境をつくるために、次世代育成支援対策推進法に基づき、国、地方公共団体、事業主、国民がそれぞれの立場で次世代育成支援を進めている。

同法に基づき、従業員数101人以上の企業に「一般事業主行動計画」(以下「行動計画」という。)の策定・届出等が義務付けられている。このため、都道府県労働局が中心となり、次世代育成支援対策推進センター(行動計画の策定・実施を支援するため指定された事業主団体等)、労使団体及び地方公共団体等と連携し、行動計画の策定・届出を促進した結果、2020年12月末現在、従業員数101人以上の企業の届出率は97.7%となった。引き続き、行動計画の策定・届出の一層の促進に取り組んでいる。また、2021年2月、行動計画策定指針について、事業主における不妊治療と仕事が両立できる職場環境の整備を推進するとともに、子の看護休暇の時間単位での取得が可能となったことも踏まえ、所要の改正を行った(2021年4月1日適用)。

なお、適切な「行動計画」を策定・実施し、その目標を達成するなど一定の要件を満たした企業は、厚生労働大臣の認定を受けると認定マーク(愛称:「くるみん」)を使用することができる。また、「くるみん」認定を受けた企業のうち、より高い水準の両立支援の取組を行い、一定の要件を満たした企業は特例認定を受け、特例認定マーク(愛称:「プラチナくるみん」)を使用することができる。(第2-2-1図)

第2-2-1図 認定マーク「くるみん」

この認定制度及び認定マークの認知度を高めるため、認定企業の取組事例や認定を受けるメリット等を周知している。

・仕事と家庭の両立の取組を支援する情報サイト 両立支援のひろば

インターネットで設問に答えると自社の「仕事と家庭の両立のしやすさ」を点検・評価することができる「両立指標」や、両立支援に積極的に取り組んでいる企業の取組等を掲載したサイト「仕事と家庭の両立の取組を支援する情報サイト 両立支援のひろば1」の運用を通じて、仕事と家庭の両立に向けた企業の自主的な取組の促進や好事例の周知・啓発を図っている。

・新・ダイバーシティ経営企業100選

仕事と家庭が両立できる職場環境作りの後押しとして、経済産業省では、女性を含め多様な人材の能力を活かして、イノベーションの創出、生産性向上等の成果をあげている企業を「新・ダイバーシティ経営企業100選2」として表彰し、ダイバーシティ経営のすそ野の拡大を図っている。2020年度は、14社(大企業9社、中小企業5社)を表彰した。また、「ダイバーシティ2.0行動ガイドライン3」(2018年6月改定)を踏まえ、中長期的な視点でダイバーシティ経営を推進し、特に先駆的な取組を行っている企業を選定する「100選プライム」として、2社を選定した。

・イクメン企業アワード

厚生労働省では、2013年度より男性の仕事と育児の両立を積極的に促進する企業を表彰する「イクメン企業アワード」を実施しており、2020年度はグランプリ2社、奨励賞1社、理解促進賞1社、特別賞2社を表彰した。また、表彰企業の事例集を作成・配布するとともに公式サイト4で公開し、他企業のロールモデルとして普及させることで、企業における仕事と育児の両立支援を推進している。

・なでしこ銘柄

女性活躍推進に優れた上場企業を「中長期の企業価値向上」を重視する投資家にとって魅力ある銘柄として紹介することを通じて、そうした企業に対する投資家の関心を一層高め、各社の取組を加速化していくことを目的に、2012年度から経済産業省と東京証券取引所が共同して、「なでしこ銘柄5」を選定・発表している。2020年度は、「なでしこ銘柄」を45社、「準なでしこ」を19社選定した。さらに、女性活躍推進に積極的に取り組んでいることを対外的にアピールできる仕組みとして「なでしこチャレンジ企業」リストを作成した。


1 https://ryouritsu.mhlw.go.jp/

2 https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/diversity/kigyo100sen/index.html

3 https://www.meti.go.jp/press/2018/06/20180608001/20180608001.html

4 https://ikumen-project.mhlw.go.jp/

5 https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/diversity/nadeshiko.html

(企業等による事業所内保育施設等の設置の促進)(再掲)
企業等による事業所内保育施設等の設置の促進(再掲)

第1章 第1節 3 男女共に仕事と子育てを両立できる環境の整備(企業等による事業所内保育施設等の設置の促進)企業等による事業所内保育施設等の設置の促進 を参照のこと。

(企業の少子化対策の取組に対するインセンティブ付与)
入札手続等におけるインセンティブの付与

社会全体でワーク・ライフ・バランス等の実現に向けた取組を進めるため、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号。以下「女性活躍推進法」という。)第24条及び「女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組指針」(2016年3月22日すべての女性が輝く社会づくり本部決定)に基づき、国及び独立行政法人等が価格以外の要素を評価する調達(総合評価落札方式・企画競争方式)を行う際に、「えるぼし」認定、「くるみん」認定、「プラチナくるみん」認定等を取得したワーク・ライフ・バランス等推進企業を加点評価する取組を2016年度から実施している。2020年6月1日に「プラチナえるぼし」の認定制度が創設されたことを踏まえ、「プラチナえるぼし」認定を取得した企業についても加点評価する取組を実施している。また、努力義務となっている地方公共団体の調達での国に準じた取組に加え、民間企業等の調達においても国と同様の取組が進むよう働き掛けを行っている。

女性就業率の上昇傾向等に伴う保育の需要が増えていることを踏まえ、社会全体で少子化対策に取り組むべく保育の受け皿確保を進めているところ、併せて子育て環境を整備する観点から、「くるみん」認定を活用し、2021年10月1日から2027年3月31日までの間、従業員の育児休業等取得に積極的に取り組む中小企業に対して助成金(企業当たり50万円)を支給する制度を創設することとし、所要の措置を講ずるため、2021年通常国会(第204回国会)に「子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案」を提出した。

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