少子化社会対策白書の刊行に当たって

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内閣府特命担当大臣(少子化対策)子ども・子育て本部長 野田聖子

少子化社会対策白書は、平成15年に施行された「少子化社会対策基本法」に基づき、毎年国会に提出している年次報告です。今回は、最初に作成された平成16年から数え、19回目となります。

少子化の進行は深刻さを増しています。令和3年の出生数は81万1,604人と過去最少となり、合計特殊出生率も1.30と、前年から0.03ポイント低下しました。少子化の進行は、我が国の社会経済の根幹を揺るがしかねない、まさに「有事」とも言うべき危機的な状況であると考えています。少子化対策は、我が国の将来を担う「人への投資」、すなわち「未来への投資」であり、今こそ、政府を挙げて強力に進めていかなければなりません。

この認識の下、常にこどもの視点に立ち、こどもの最善の利益を第一に考え、少子化対策を含むこどもに関する取組・施策を我が国の真ん中に据えた「こどもまんなか社会」を実現していくための新たな司令塔となる「こども家庭庁」が、令和5年4月に創設されることとなりました。

今後、「こども家庭庁」において、こどもを巡る様々な課題を一元的に、中長期的な視点を持って進める中で、少子化対策を強力に進めるために必要な政策について、国民各層の理解を得ながら、幅広く検討を進め、安定財源の確保を図りつつ、充実させてまいります。

今回の白書では、少子化をめぐる現状として、出生数や出生率の推移を始め、結婚・出産・子育てをめぐる最新のデータを紹介するとともに、少子化対策の実施状況を記述しています。

また、特集として、新型コロナウイルス感染症影響下における結婚・出産の推移や意識の変化、新型コロナウイルス感染症を踏まえた政府による少子化対策の主な取組を紹介するとともに、感染リスクに配慮しながらの支援の継続やオンラインを活用した取組、地方へのひとの流れにつなげる取組などについて、各地の事例を取り上げています。

少子化対策は、行政に加え、地域・企業など社会全体で取り組むべき課題です。この白書が多くの方に利用され、国民の皆様に少子化対策に関する理解と関心を深めていただくとともに、結婚や子育ての希望がかなえられる社会の実現に向けた取組の一助となることを願っております。

令和4年7月

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