第1部 少子化対策の現状(第2章 第2節 1)

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第2章 少子化対策の取組(第2節 1)

第2節 新型コロナウイルス感染症影響下における少子化の現状と対策【特集】(1)

はじめに

新型コロナウイルス感染症は、2020年の感染拡大を経て、2021年についても、ワクチン接種や新薬の提供が進展しつつある一方で、変異ウイルスによる感染拡大という新たな問題の発生もあり、いまだ収束には至っていない。

このような状況の中で、結婚、妊娠・出産、子育てに関する人々の意識・行動についても変化が生じるとともに、コロナ禍を契機としたDX(デジタルトランスフォーメーション)の加速化や子育てと両立できるリモート型の働き方への転換など新たな環境への適応を図る動きも広がっている。

本特集では、結婚、妊娠・出産、子育てというライフステージ別に、新型コロナウイルス感染症が我が国の少子化に与えた影響を概観した上で、ウィズコロナ、ポストコロナ時代の少子化対策の取組を紹介する。

1 新型コロナウイルス感染症の拡大

我が国においては、2020年1月15日に最初の新型コロナウイルス感染症の感染者が確認された後、新型インフルエンザ等対策特別措置法1に基づき、同年4月7日に1回目の緊急事態宣言が、2021年1月8日に2回目の緊急事態宣言が、それぞれ発出された(緊急事態宣言については、1回目は2020年5月25日に、2回目は2021年3月21日に、全都道府県で解除された。)。その後、同年4月25日に緊急事態宣言が発出され、同年6月20日に沖縄県を除いて解除されるとともに、一部地域を対象としたまん延防止等重点措置が実施された。

ワクチンについては、2021年2月に医療従事者向け接種を開始し、同年4月に高齢者向け接種を開始、同年5月から本格的接種が進められ、同年10月上旬までに供給されたワクチンは、対象人口の9割が接種できる数量に達した。

2021年7月以降、感染力の高いデルタ株への置き換わりによる感染拡大に伴い、緊急事態宣言の期間延長、区域変更及びまん延防止等重点措置が実施されたが、同年9月には全国の新規感染者数は急速に減少した。同年9月28日には緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置は全て終了となった。

2021年9月以降、急速に減少に転じた新規陽性者数は、オミクロン株の発生により、同年12月下旬以降再び増加傾向となった。2022年1月には新規陽性者数の急速な増加に伴い、療養者数と重症者数も増加傾向が見受けられた。同年1月9日にはまん延防止等重点措置が実施されたが、同年3月21日には全ての都道府県で同措置が終了となった。


1 平成24年法律第31号

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