第2部 少子化対策の具体的実施状況(第1章 第4節 1)

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第1章 重点課題(第4節 1)

第4節 結婚、妊娠・出産、子供・子育てに温かい社会をつくる(1)

1 結婚を希望する人を応援し、子育て世帯をやさしく包み込む社会的機運の醸成

多様な主体の連携による子育てにやさしい社会的機運の醸成

内閣府から企業・団体に対して「家族の日」「家族の週間」の趣旨に賛同を呼び掛け、これに応じた企業・団体の取組を紹介・発信するなど、企業・団体と連携して社会全体で子育てを応援する機運の醸成を図った。

子育て支援パスポート事業の普及・促進(再掲)

地域ぐるみで子育てを応援しようとする社会的機運の醸成のため、地方公共団体が主体となり、企業や店舗の協賛を得ながら乳幼児連れの外出支援や子育て家庭に対する各種割引等のサービスを提供する「子育て支援パスポート事業」等の取組が行われている。

2016年4月に、41道府県で始まった全国共通展開(サービスの相互利用)については、同年10月には5都府県が参加し、46都道府県となり、2017年4月には全ての都道府県が参加し、相互利用が可能となっている。

内閣府では、各都道府県のパスポートの図柄が一目でわかるよう、リーフレット「子育て支援パスポート事業全国共通展開自治体パスポート一覧」を作成し、各都道府県に配布して周知するとともに、さらなる協賛企業・店舗の拡大、サービス内容の充実等を図っている。(第2-1-16図)

第2-1-16図 子育て支援パスポート事業全国共通展開自治体パスポート一覧

全国共通展開参加都道府県のパスポートを紹介するリーフレットの中で、多子世帯向けのパスポート事業を実施している地方公共団体について紹介している。

「家族の日」「家族の週間」等を通じた理解促進

子供と子育てを応援する社会の実現のためには、子供を大切にし、社会全体で子育てを支え、個人の希望がかなえられるバランスの取れた総合的な子育て支援を推進するとともに、多様な家庭や家族の形態があることを踏まえつつ、生命を次代に伝え育んでいくことや、子育てを支える家族と地域の大切さが国民一人一人に理解されることが必要である。

内閣府は、2007年度より、11月の第3日曜日を「家族の日」、その前後各1週間を「家族の週間」と定めて、この期間を中心に地方公共団体、関係府省や関係団体と連携して、様々な啓発活動を展開し、家族や地域の大切さ等について理解の促進を図っている。(第2-1-17図)

第2-1-17図 「家族の日」「家族の週間」

具体的には、フォーラムの開催や作品コンクールを通じて普及・啓発活動を実施している。フォーラムについては、2021年度は、より多くの国民にフォーラムをきっかけに、家族や地域について考え、家族や地域とのコミュニケーションを深めてもらえるよう、オンラインにより開催し、家族で一緒に楽しめる様々なコンテンツ動画を配信した。

作品コンクールについては、子育てを支える家族や地域の大切さの意識の高揚を図ることを目的として、家族や地域の大切さに関する作品を公募し、優秀な作品を表彰している。2021年度は、「家族の絆」及び「地域の絆」をテーマとする「写真」を募集したところ3,429作品の応募があり、厳正な審査を経て受賞者を決定した。(第2-1-18図)

第2-1-18図 「家族の日」作品コンクール 最優秀賞作品

トピックス:家族の日・家族の週間

1.家族の日・家族の週間について

政府は、子供と子育てを応援する社会の実現のため、生命を次代に伝え育んでいくことや、子育てを支える家族と地域の大切さが国民一人一人に再認識されるよう呼び掛けるため、2007年度より、11月の第3日曜日を「家族の日」とし、さらに、その前後一週間を「家族の週間」と定め、啓発活動を実施してきた。

例年、この「家族の日」に、内閣府が都道府県と共催で「家族の日フォーラム」を開催してきたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、従来の方法による開催が困難となったことを機に、2020年度よりオンライン配信により開催している。以下に「家族の日オンラインフォーラム2021」の模様を紹介する。

2.「家族の日オンラインフォーラム2021」

「家族の日オンラインフォーラム2021」は、家族や地域のことを考え、家族や地域とのコミュニケーションを深めてもらうことをコンセプトに、11月20日~11月28日に、YouTubeによる動画配信という形で実施した。

各プログラムの内容は以下のとおり。

・内閣府特命担当大臣(少子化対策)からの「メッセージ」では、野田聖子大臣から「私は、常々『こどもまんなか』という意識改革を行う必要があると発言してきました。子どもたちはもちろん、子育て中の親御さんたちに、周囲が手を差し伸べ、支えるという温かい社会の実現をしていかなければなりません。」「新型コロナウイルス感染症や様々な自然災害等により、今、改めて家族や地域との絆づくりの大切さが認識されております。この、『家族の日』、『家族の週間』が、結婚や子育てに温かい社会につながることを期待しています。」とのメッセージが発信された。

内閣府特命担当大臣

・「特別トーク『やっぱり、家族っていいね』」では、女優の篠田麻里子氏が、写真家の渡部陽一氏と、子育てに関する話題を中心としたトークを披露した。

・「【芸術の秋】みんなで楽しく絵本作り」では、お笑い芸人の森三中による画用紙1枚で簡単にできる絵本作りの実演を行った。

・「【食欲の秋】みんなで楽しく萌え断サンドイッチ作り」では、おうち料理研究家のみきママ氏が、切り口が美しい野菜サンドイッチとフルーツサンドイッチ作りの実演を親子で行った。

家族の日オンラインフォーラム2021

3.多様な主体との連携

内閣府では、これまでも関係省庁、地方公共団体、関係団体等と連携・協力し、行事の開催や啓発の実施などの取組を行ってきた。2020年度より、内閣府からの呼び掛けに応じた企業・団体を「賛同企業・団体」と位置付け、連携・協力して「家族の日」「家族の週間」の情報を発信している。

2021年度は、これらの賛同企業・団体による「家族の日」「家族の週間」を家族で楽しめる過ごし方の提案や、企業・団体内での取組等を内閣府子ども・子育て本部SNSにおいて紹介した。

トピックス:子育て応援コンソーシアム

1.子育て応援コンソーシアムについて

「子育て応援コンソーシアム」は、「少子化克服戦略会議提言」(2018年6月4日少子化克服戦略会議決定)を踏まえ、子育てにやさしい社会的機運の醸成に向けた国民運動の基盤として、内閣府特命担当大臣(少子化対策)をヘッドに、各分野の業界団体を構成員として2018年7月に発足したものである。広く企業・団体の参加を得ながら、子育てに配慮した取組の紹介・展開、分野を超えた連携等を行っている。

これまでは、会合形式での開催であったが、2021年度は、新型コロナウイルス感染症の流行下においても、広く先進事例等を共有し、多くの方々に理解を深めていただけるよう、動画配信により開催した。以下に、2021年度に開催した第6回及び第7回の内容の一部を紹介する。

2.第6回子育て応援コンソーシアム

不妊治療と仕事との両立が難しいと感じている方は多く、厚生労働省が2017年度に実施した調査1によると、不妊治療を経験した方のうち男女合計で約16%の方が、両立ができずに離職している。不妊治療と仕事との両立を困難としている要因として、企業や職場内において不妊治療等についての認識が浸透していないことも背景にあると考えられる。子供を持ちたいと切に願う方が不妊治療を受けやすい環境を整えるためには、企業や職場内での理解の促進、そして、不妊治療と仕事との両立ができる職場環境の整備に早急に取り組むことが必要である。

第6回子育て応援コンソーシアムでは、企業・職場や社会の不妊治療等への理解を促進し、子供を持ちたいと願って不妊治療に臨む夫婦を温かく応援しようという社会的機運を醸成するため、不妊治療と仕事との両立を含め、安心して妊娠・出産、子育てできる職場環境整備をテーマに取り上げ、政府の取組や先進的に取り組む企業事例の紹介を行った。取組紹介を行った企業3社からは、休暇制度や休職制度等の時間的支援、治療にかかる費用等に対する経済的支援、セミナーの開催や相談窓口の設置といった精神的支援の取組等が紹介された。

3.第7回子育て応援コンソーシアム

第7回子育て応援コンソーシアムでは、第一部で少子化・人口減少問題への危機意識を共有するとともに、第二部で男性の育児休業取得促進をテーマに取り上げ、積極的に取り組む企業事例の紹介を行った。

第一部 少子化・人口減少問題を考える

第一部では、少子化・人口減少問題をテーマに、野田聖子内閣府特命担当大臣(少子化対策)へのインタビューを行った。野田大臣からは、以下の趣旨の発言があった。

・少子化による人口減少は、まさに日本の有事、静かなる見えざる有事である。日本の人口減少を止めて、V字回復するというのは、老若男女を問わず日本に今生きている人、これから生まれる人たちのために取り組む一番大切なことではないかと考える。ありとあらゆる政策を結集させて解決していきたい。

・これまでは、生まれた子の子育て支援にフォーカスをあてて取り組んできたが、これからは、子どもたちを生み育てる世代が、家庭を持とうという気持ちになれるような社会作りが少子化対策の第一歩であると考える。

・これまでも、少子化対策に取り組んできたが、少子化が経済の力を弱めたり、福祉の力を弱めたりしているにもかかわらず、その弱まっていることばかりに着目して、原因になっている少子化については、なかなか国会で議論が活性化されなかった。こども家庭庁を創設することにより、様々な場で議論がしやすくなるのではないかと思う。現状では、色々な人が色々な関わり方をしているので、それぞれの役所が取り組んでいることを調整し、かつ無駄を省き、常に子どもの横に立って子どもが必要なことを進めていく、そういうこども家庭庁をつくりたい。

・子どもたちが幸せになれば一緒にいる大人たちはより幸せになれるはずである。そして結果として日本が安心安全な国であれば、世界中の国から尊敬される。そんな大きな夢を抱えてしっかりと取り組んでいきたい。

第二部 男性の育児休業取得促進に取り組む企業事例~男性の家事・育児に関する「意識改革」~

第二部では、男性の育児休業取得促進や男性の家事・育児に関する「意識改革」に積極的に取り組む企業2社による取組紹介を行った。

1取得率向上のための取組にとどまらず、効果的な育児休業にするための取組、2社内プロジェクトにより男性の育児休業に対する不安を一つ一つ取り除き、経営陣と一体となって、高い取得率を達成するまでの取組を紹介した。

これらの企業の工夫等が、広く企業・団体に共有され、全国各地で企業・職場や社会の男性の家事・育児に関する「意識改革」が進むことで、社会全体で子育て世帯を応援する機運を醸成することを目指した。

第7回 子育て応援コンソーシアム

1 厚生労働省「平成29年度 不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての総合的調査」

マタニティマーク、ベビーカーマークの普及啓発

・マタニティマークの普及啓発

マタニティマークは、妊産婦に対する気遣いなど、妊産婦にやさしい環境づくりに関して広く国民の関心を喚起するために、21世紀における母子保健分野での国民運動計画である「健やか親子21」推進検討会において募集し、2006年に発表された。普及啓発を推進するため、ホームページなど様々な機会を通して広く周知するとともに、交通機関、職場や飲食店などに対し、取組への協力の依頼を行っている。(第2-1-19図)

第2-1-19図 マタニティマーク

・ベビーカーマークの普及啓発

ベビーカー使用者が安心して利用できる場所や設備を明示するために、「公共交通機関等におけるベビーカー利用に関する協議会」で2014年にベビーカーマークを決定し(第2-1-20図)、駅や車両、各種建築物等のエレベーター等で、ベビーカーマークの掲出を行い、ベビーカーの安全な利用のための周知のほか、ベビーカー使用者やその周囲の人にお互いに配慮してもらえるよう、キャンペーン等の実施により継続的に働き掛けている。

第2-1-20図 ベビーカーマーク

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