第2部 少子化対策の具体的実施状況(第1章 第5節 1)

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第1章 重点課題(第5節 1)

第5節 科学技術の成果など新たなリソースを積極的に活用する(1)

1 結婚支援・子育て分野におけるICTやAI等の科学技術の成果の活用促進

結婚支援におけるAI等の適切な活用

「地域少子化対策重点推進交付金」では、結婚の希望をかなえる取組の一つとして、地方公共団体によるAIやビッグデータを活用した結婚支援の取組を支援してきた。都道府県レベルでは、2021年8月1日時点で22の県において、AI 等を活用したマッチングシステムを導入しており、お見合いに至る割合が上昇するなど、従来のシステムに比べて高い効果をあげている。

さらに、「少子化社会対策大綱」(2020年5月29日閣議決定)において、結婚支援におけるAI等の適切な活用が盛り込まれたことを踏まえ、2021年度から、地方公共団体が行う、AIを始めとするマッチングシステムの高度化等について、重点課題として支援(補助率を2分の1から3分の2にかさ上げ)している。

地域におけるAI・IoT等の活用の推進

総務省では、ICTを活用した地域における先進事例の横展開であって、地域の課題解決等に貢献するシステムの導入について補助金を交付する「地域IoT実装・共同利用推進事業」を実施してきたところである。本事業においては、保育行政における業務の効率化にAIを活用するシステムについても補助対象としており、2020年度にはAIによる保育所入所選考マッチング(保育所等の入所申込情報を読み取り、入所希望順位や兄弟の条件などを踏まえた振り分け作業を行うもの。)を導入する地方公共団体11団体に対して補助金を交付した。

子育てワンストップサービスの推進

デジタル庁及び関係府省は、子育てに関連する手続のオンライン申請の普及促進として、2021年度にマイナポータルぴったりサービスにオンライン申請における標準様式を登録し、利用を開始した。2022年度にはマイナポータルからマイナンバーカードを用いて子育てに関連する手続のオンライン申請に対応できるよう、地方公共団体のシステム改修等の支援を行う。

子育てノンストップサービスの推進

乳幼児の定期予防接種手続において、電子的な予診票を利用可能とするため、本人(保護者)及び医師が従来求められていた署名に代えて、同意ボタンやチェックボックスにチェックを入れるなど簡易な確認方法により行うことができるという考え方を整理し、2022年4月に、厚生労働省において、全国の地方公共団体に向けて事務連絡を発出した。

ICTを活用した子育て支援サービス(Baby tech)の普及促進

ICTを活用した子育て支援サービス(Baby tech(ベビーテック))の普及促進等を通じて、子育て家庭が家事・育児の負担を軽減する商品やサービスを積極的に活用できる環境をつくることが必要である。子育てにテクノロジーをいかすことで、家事・育児の効率化が進めば、子供と向き合う時間が増え、ゆとりある子育てにつながることが期待される。

複数の企業において、非接触型のベビーセンサー、子育て仲間とつながるアプリ、母子手帳のアプリ化、保育施設における幼児用センサーや自動撮影機能などの製品等が開発・販売されている。

内閣府では、2019年度に開催した「子育て応援コンソーシアム」においてベビーテックの製品の発表の場を設けたほか、2021年度では、「家族の日」「家族の週間」において賛同企業となったベビーテック関連企業の紹介を行った。

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