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【薬物乱用者の手紙】

お父さん、お母さんへ

私は薬物依存症者です。あなたたちの助けを必死に求めています。
私は病気ですが、そのことに気づいていません。

この病気は、私を混乱させます。薬物は、私がコントロールする以上に、私のことをコントロールします。アディクト(依存症者)になろうとしたわけではないし、なぜこんなことになったのかわかりません。最初は友だちと使い、やがて気づかないうちにアディクト(依存症者)になってしまいました。

薬を使っているうちは、私のことを信用することなどできないでしょう。
私は騙し取るし、嘘をつくし、ごまかすし、盗むでしょう。あなたたちや他の人たちを操るでしょう。
私の言うことを聞かないでください。けれども私がすることには、注意を払ってください。私の言葉より、行動の方が正直のようです。

多分あなたたちは、こうしたことを知りたくもないのでしょう。あなたたちもまた、私の問題を否認するのでしょう。だから私の話を聞き、私の責任の肩代わりをし、私のために嘘さえつきます。
私は、この問題はあなたたちのせいだと信じこませることができます。
あなたたちがこうでなかったら、私はアディクト(依存症者)になっていなかっただろうと。
これも嘘のひとつです。

お父さん、お母さん。私たちは現実に向き合う必要があります。専門家に会い、治療プログラムやサポートについて話し合うのです。お父さん、お母さん。お願いします。私にはあなたたちの助けが必要なのです。私の人生がかかっています。アディクション(依存症)は、解決のない病ではありません。

アディクト(依存症者)の息子より
アディクト(依存症者)の娘より
(出展:スペイン プロジェクト・オンプレ資料(近藤京子氏訳))

【手紙の解説】

この文章は、薬物依存症者の心の叫びを、お父さん、お母さんへの手紙という形で綴ったものです。

彼(彼女)は、興味半分で手を出した薬物を、最初は、「一回だけなら大丈夫。すぐやめられる。」と考えていました。しかし、乱用を続けるうちに薬物のことしか考えられなくなり、薬物を手に入れるために周りのみんなに嘘をつくようになってしまいました。

両親はこの問題の正体を知らず、そんな彼(彼女)をかばうために、必死になって責任を肩代わりし、世間体をとりつくろうため嘘もつきます。

けれども、彼(彼女)は、そんな両親のせいで自分が依存症になってしまったと自分に信じ込ませています。でも、本当は自分のせいだということも分かっているのです。

薬物依存症という病気は巧妙で、こうして家族全体に影響を及ぼしていきます。けれども、決して解決できない問題ではなく、治療をしていくことができます。彼(彼女)は、現実に向き合い、薬物依存治療の専門家と治療方法について話し合う必要があります。
そのためには彼(彼女)らにはお父さん、お母さんの助けが必要です。まずは依存症について知ることが第一歩になります。

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