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【体験談4 覚せい剤乱用者(34歳、男性、建設業)】

私が覚せい剤を使うようになったのは、仕事のことで悩み、精神的にぐらついていた時に職場で仲の良かった同僚から、「覚せい剤は、悩み事を忘れることができるよ。」と勧められたのが始まりでした。
私は、覚せい剤は違法なものだと知っていましたが、自分でも一度やってみたいという好奇心はあり、何よりも「この精神的な苦痛から解放されたい」という一心から『1回きり』と自分に言い聞かせ、覚せい剤を使ってしまったのです。
初めて覚せい剤を使った時は、これまで味わったことのない衝撃と快楽を受けてしまい、「一度きり」と思っていたはずが、その快楽におぼれ、「また打ちたい。」と繰り返し思うようになってしまいました。
覚せい剤が切れた直後は罪悪感でいっぱいになるものの、時が経てばすぐに「また覚せい剤をやりたい。」という強い衝動に駆られ、いけないことだとは分かっていながら、いつの間にか、それを止められない、どうすることも出来ない自分がいました。

そうなると覚せい剤を買う金が必要で、妻に生活費すら渡せない状態となり、次第に家族の生活は苦しくなっていきました。
そんな中、突然家に警察がやって来て、私は逮捕されてしまいました。
その時、妻は何も言わず、生後2ヶ月になる娘のそばで留置施設に入る私のために、着替えなどの支度を始めました。しかし、その後ろ姿は小さく震えており、妻が懸命に涙を堪えているのが分かりました。
逮捕されて、そんな妻と娘の姿を見て、私はようやく自分の愚かさに気づき、そしてがく然となりました。
「妻は生後間もない娘を抱え、これからどうやって生活するんだろう。」警察の留置施設で一人になると、妻と娘のことばかりを考え、いい知れない不安と絶えることのない後悔から、胸が張り裂ける思いでした。
留置施設では、私の他にも覚せい剤で逮捕されていた男がいて、幻覚を見て大声で叫んだり、暴れていました。

そんな男の様子を見て、私は「もしかしたら自分もあんな姿になっていたかもしれない。その前に捕まって良かった。」と素直に思えるようになり、「二度と覚せい剤は使わない。」と心に堅く誓いました。
覚せい剤は、自分の気持ちの弱さに入り込んでくる恐ろしい魔物です。一度手を染めてしまったら、自分からは絶対に逃れられません。
私はもう、二度と魔物に近づきません。同じ過ちは繰り返しません。
自分のために、そして大切な家族のために。

警察庁資料「DRUG2010」より

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