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第2部 第2章 韓国 (3/7)

3.青少年のインターネット環境に関する課題

青少年のインターネット環境に関する課題であるインターネットの利用による被害及び犯罪について、前節と同様に最新のデータをもとに主だった問題として、1スマートフォン依存症リスク群、次に2インターネット利用による被害・犯罪として、ネットいじめの経験と類型、性的搾取、ならびに個人情報の漏えい・窃盗、その他の状況を整理する。また、近年話題となったインターネットを利用した犯罪例として、新聞等の媒体で紹介された記事を紹介する。

(1)スマートフォン依存症リスク群

スマートフォン依存症とは、スマートフォンの過度な利用によってスマートフォン依存度が高まり、利用時間を調整する能力が減少して、以下のような症状を呈する状態をいう。各段階における症状の特徴は次のとおりである229


  • 1 顕著性:個人生活でスマートフォンを利用することが他の形態より際立ち、それが最も重要な活動になっている状態
  • 2 自制不能:利用者の主観的目標に対し、スマートフォンの利用を自制できない状態
  • 3 深刻な影響:スマートフォンの利用により身体的・心理的・社会的に否定的な結果を経験しているが、やめられず継続して利用している状態

また、スマートフォン依存症リスク群を高リスク群・潜在リスク群・一般群の3グループに区分し、日常生活における問題等をもとに次のように分類している。


高リスク群・潜在リスク群・一般群の青少年は、それぞれ次のような状態をいう230

  • 高リスク群:スマートフォン使用について自制力を失い、日常生活の多くの時間スマートフォンに没頭しており、対人関係の葛藤や日常生活上の問題、健康問題等が深刻な状態にある。ICT231能力開発を遅らせる危険性が高い。
  • 潜在リスク群:スマートフォンの使用により自己調整力が弱まり、利用時間の増加に伴って対人関係の葛藤や日常生活上の問題が生じ始める段階にある。ICT能力発達に悪影響を及ぼす危険がある。
  • 一般群:スマートフォンを自己調整しながら使用し、日常生活の主な活動にスマートフォンの 使用に伴う問題が生じていない状態にある。ICT能力の開発・発揮の基本的な条件を満たしている。

韓国情報化振興院が2017年に実施したインターネット依存症実態調査(以下「NIA調査2017」)によると、同年における10歳~19歳の小中高生におけるスマートフォン依存症は高リスク群3.6%(前年比0.1ポイント増)、潜在リスク群26.7%(前年比0.4ポイント減)であった。男女別にみると、高リスク群及び潜在リスク群のいずれも、女性(高3.9%、潜在28.0%)が男性(高3.3%、潜在25.5%)より若干高い。学校種別にみると、中学生(高3.9%、潜在30.4%)が最も高く、高校生、小学生が続いている。[図17参照]


図 17 青少年のスマートフォン依存症リスク群

図 17 青少年のスマートフォン依存症リスク群

出典:NIA調査2017 p.25 (単位:%)


表 49 学齢別のスマートフォン依存症リスク群の比率
リスク群 幼稚園・保育園児 小学生 中学生 高校生 大学生
2017年 高リスク群 1.4 2.0 3.9 3.4 2.9
潜在リスク群 16.5 20.0 30.4 25.3 20.9
合計 17.9 22.0 34.3 28.7 23.8
2016年 高リスク群 0.7 2.8 3.9 3.5 2.9
潜在リスク群 16.9 20.8 30.8 26.0 19.6
合計 17.6 23.6 34.7 29.5 22.5
2015年 高リスク群 2.2 3.3 4.4 3.8 4.0
潜在リスク群 10.8 22.2 31.9 26.1 20.7
合計 13.0 25.5 36.3 29.9 24.7

出典:NIA調査2017 p.46 (単位:%)


表49に示したとおり、NIA調査2017によれば、小中高生のリスク群比率は15年、16年と年々減少し、2017年における学齢別の潜在リスク群は、高い順に中学生(30.4%)、高校生(25.3%)、大学生(20.9%)、小学生(20.0%)である。大学生(20.9%)及び幼稚園・保育園児(16.5%)は2015年~17年の期間において増減がある。

高リスク群は中学生(3.9%)、高校生(3.4%)、大学生(2.9%)、小学生(2.0%)、幼稚園・保育園児(1.4%)の順に高く、幼稚園・保育園児は16年に比べ倍増している。2015年~2017年の高リスク群の推移では、他の年齢では漸減しているものの、幼稚園児には増減がある。



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