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ユースアドバイザー養成プログラム
第2章 制度の概要及び業務の内容
  第4節 ユースアドバイザーの役割と養成  

2 ユースアドバイザーに求められるもの

これまでの若者支援機関は,縦割りの行政機構にしたがって配置されてきたため,相互の連携を図ることは容易ではない。NPOやボランティア団体の役割が増加する中で,これらの団体と公的機関さらには企業などとの連携が効果を生むことが分かってきたが,相互の連携を図るためには,これまでとは異質の「文化」が必要である。それは,“うちの仕事には手を出すな”という意識を払拭し,背景の異なる者が一緒になって仕事に取り組む文化である。それを推進するための知識やスキルが求められている。現実には,専門性が必要とされる職務に就いているほど,広い視野で連帯しながら支援をすることがむずかしいという状況がある。YAはこれらの専門家を結合する要の役割を果たす人材であり,複合的な困難を抱える若者に対して,専門の異なる関係者を束ねて包括的な支援ができるような役割を果たす人材である。したがって,YAは,支援に関する専門的知識はもとより,若者に対する広い見識があり,若者と共に活動する知識や体験を持った人物であることが期待されている。

欧州の国々の中には,伝統的に青少年や若者と活動するユースワーカーが地域で重要な役割を果たしている例がある。ユースワークのノウハウは,困難を抱える若者支援においても有効であることは,先に紹介したイギリスのコネクションズでも指摘されている。

コネクションズ発足当時は,雇用斡旋やキャリア教育などを行っていた会社がコネクションズを受託したという経緯もあって,キャリアカウンセラーがコネクションズのパーソナル・アドバイザー(以下「PA」という。)になる例が多数を占めた。そのことは長年にわたって若者と活動を共にしてきたユースワーカーの感情的な反発を招いたこともあったようである。しかし,その後の経緯をみると,困難を抱えた若者を支援するには,キャリアカウンセラーにもユースワークの手法が必要であることが理解されてきたという。同時にユースワークの世界でも,キャリア支援に取り組まなければ,若者のニーズに応えられないことが認識されるようになり,双方の長所を受け入れ歩み寄ってきたといわれている。

ユースワーカーは,専門教育を受けてユースワーカーの職業資格を持つ人材である。しかし日本にはその伝統がないため,若者と活動を共にする専門性の高い人材が計画的に養成されていない。しかし,日本でもユースワーカーを計画的に養成する取組を始めた愛知県の例もある。愛知県が取組を開始したのは,次のような認識があったからである。

「青少年をめぐる問題の背景として,青少年の自立の遅れと人間関係の希薄化が指摘されており,青少年と同じ目線に立って青少年の育成を支援し,青少年の社会への参加・参画を促進できる人材が求められます。このため,愛知県では,青少年の自立と成長の促進を援助する青少年育成支援活動を行う若手の活動者を「ユースワーカー」として養成しました。現在,平成13年度〜15年度及び平成18年度の愛知県ユースワーカー養成講座修了者(100名)が,それぞれの得意分野で青少年育成支援活動を推進しています。」(http://www.pref.aichi.jp/syakaikatsudo/youthworker/top.html)

YAの養成においては,ユースワークを取り入れた研修が望ましい。

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