第2章 第4節 ユースアドバイザーの役割と養成
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ユースアドバイザー養成プログラム
第2章 制度の概要及び業務の内容
  第4節 ユースアドバイザーの役割と養成  

3 ユースアドバイザーの研修・養成プログラム

リスクを抱えている若者の支援を推進するためには,若者に関する広い知識および諸機関と連携できる資質を持った人材を養成することが必要であり,研修・養成システムを確立する必要がある。若者自立支援団体の交流会や講演会・学習会で支援方法に関する学習や情報交換が実施されつつあるが,組織的・系統的な研修・養成制度は確立していない。支援者の全体的な質を高めるために,研究・養成プログラムを定式化する必要がある。

ここで,イギリスのコネクションズにおけるPAの訓練プログラムを紹介しよう。コネクションズは当初より,PAに対して全英共通の養成プログラムを開設し,PAの水準を高めてきた。PAの採用に当たっては学部や取得学士等の要件はなく,代わりに大旨NVQレベル4と同等の資格の保有が条件となっている。NVQ(National Vocational Qualification) は英国の職業資格でレベル1からレベル5まである。レベル4は,複雑かつ技術的な幅広い専門的な職務に関する知識及び能力が要求され,責任と自主性及び他のスタッフの職務遂行を管理する職務レベルで,比較的高度なマネジメント能力が求められている。

コネクションに採用された後に受講を義務付けられる全国共通のPA養成プログラムは次の四つで構成されている。

(1)コネクションズ入門

コネクションズの原理,価値観,原則,構造,役割について理解を深めることを目的とする。

(2)コネクションズAPIRフレームワーク

Assessment=若者をよく知る,Planning=個人のアクションプランを共に作成,Implementation=若者が計画を実行することを支援,Review=過程の振り返り,という四つのステージで構成されるコネクションズAPIRフレームワークの詳細を学ぶコースであり,コネクションズ・パートナーシップ所属のPAやマネージャーを対象として開催される。

(3)コネクションズの理解

PAを目指す職員に必修とされるコース。業務の質を高めていく意欲のあるコネクションズ・パートナーシップの実務担当者を対象として,若者を中心に置いたアプローチを十分に理解させる。事業戦略とそのサービスについて理解を深める場を提供し,コネクションズで働く人々に共通の知識と必要なスキルを認識してもらうことを目的とする。

(4)PAディプロマ

複合的な問題を抱える若者に対応するPAのために設定された課程で,コネクションズにおける養成プログラムの中で最上位に位置づけられている。事前学習,通信教育,研修,グループワークなどの手段で学ぶ。研修期間はおよそ8か月とされているものの,各地域のトレーニング提供機関によって変更が加えられる場合もある。

コネクションズ採用時にNVQレベル4相当の資格がない場合は,見習いPAとして採用され,業務と並行して,「PAディプロマ」もしくは「コネクションズの理解」どちらかのトレーニング・コースを修了し,またNVQレベル4相当の資格を取得して初めて正規のPAとして認められる。この流れを示したのが図2−1である。

PAの養成方法は大きく分けて実務の現場で行われる研修と,実務とは切り離した研修がある。後者に関しては,NVQの資格の保有状況にかかわらず,業務に対応するために養成プログラムの受講が指定されている。以前は全国組織で研修が行われていたが,最近は各地のコネクションズ・パートナーシップ主催により実施されている。

図2−1 トレーニング受講により見習いPAが認定PAとなる流れ

図2−1 トレーニング受講により見習いPAが認定PAとなる流れ
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