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ユースアドバイザー養成プログラム
第4章 さまざまな社会資源─関係分野の制度,機関等の概要,関係機関の連携等─
  第2節 ネットワーキング  

7 現場の実践例(横浜市における若者自立支援ネットワーク(ニート・ひきこもり状態にある若者の支援))

若者に対する自立支援は画一的なものではあってはならない。なぜならば,家族や社会との関係,経済状況等,若者の置かれている状態はさまざまであり,こういった現在の状態,年齢等によって抱えている課題,将来への希望も千差万別だからである。あらゆる相談に対応し,各々の状態,ニーズに合ったきめ細かい支援を的確に行うことは,単一の機関では困難である。そこに「ネットワーク」の必要性が浮上してくる。

(1)ネットワークの核となる施設の設置

横浜市には,ひきこもり・不登校等の若者の社会的自立に向けた支援の拠点として「横浜市青少年相談センター」がある。また,平成18年12月には職業的自立に向けた支援の拠点として「よこはま若者サポートステーション」を設置した。さらに,この二つの機関のブランチ的機能を有し,地域における第一次的な総合相談やひきこもり回復期にある青少年の居場所等を提供する地域の支援拠点である「地域ユースプラザ」を方面別に4か所設置することとしている(平成22年3月現在で3か所開設)。

横浜には幸いにもこれらの施設のほかにも若者の自立支援に取り組んでいる国,県の機関,NPO等の民間の団体が多数あり,拠点施設は各々関係機関・団体と連携・協力して支援に取り組んでいる。

(2)重層的支援ネットワーク「ユーストライアングル」の構築

このように横浜では「青少年相談センター」を核とした社会的自立のためのネットワーク,「よこはま若者サポートステーション」を核とした職業的自立のためのネットワーク,「地域ユースプラザ」を核とした地域レベルのネットワークが形成されつつある。

これらの三つのネットワークを有機的に連携・連動させ,どのような社会・経済的状態にある若者であろうと,その生活課題やニーズに対して柔軟に対応することができるような自立支援の包括的なシステム「ユーストライアングル」を形成していこうとしている。

図4−6 自立支援の包括的システム「ユーストライアングル」

図4−6 自立支援の包括的システム「ユーストライアングル」

(3)人材,情報,プログラムの連携,共有化

一口でネットワークと言うが,ともすると単に会議を開催したり,連絡体制ができているだけになりがちである。ネットワークが機能するためには,各々の持っている人材,情報,プログラムの連携,共有化の仕組みをつくることが必要ではないだろうか。

そこで横浜市では,インターネットを活用して若者の社会経済的な自立に向けたさまざまな情報やプログラムを共有化し,共同で提供していく仕組みを構築することした。

そのため平成19年度に「青少年自立支サイト」を開設し,20年度までに試行的に実施。その成果を踏まえ,平成21年7月よりE―若者サポートステーション(愛称:HamatoriumCafe)として,インターネットを活用し,若者の自立を支援する仕組みを本格的に稼動させている。

また,相談支援機関が市内大学・専門学校,高等学校,企業,社会福祉法人などの多様な主体と協働して,若者が抱える様々な困難さに段階的に対応できる職業体験や職業教育のプログラムを開発するとともに,自立支援を必要とする若者に対して,専門的かつ継続的に支援し続ける人材を育成する仕組みづくりにも着手している。(キャリアラダーとユースアドバイザーの養成)

以上三つ(下線部)が横浜における若者自立支援の重点施策である。

【参照URL】

横浜市E−若者サポートステーション

http://www.hamatorium.com/


  横浜市こども青少年局企画調整課長 宮本正彦
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