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ユースアドバイザー養成プログラム
第5章 支援の実施
  第2節 インテークと状況把握  

10 現場の実践例(横浜市青少年相談センターの実践から)

(1)横浜市青少年相談センターの概要

横浜市青少年相談センター(以下「センター」という。)は,横浜市が設置する公的機関であり,おおむね15歳から20歳代の思春期・青年期の若者及びその保護者を主な対象として,不登校・ひきこもりをはじめ,さまざまな困難状況にある若者の自立及び社会参加に関する相談・支援を行っている。

(2)インテーク面接を含めた相談・支援業務の流れ

相談は,電話による相談から始まる。電話による相談は,原則として1回ごとに終結し,継続的な相談の希望があるときは,来所してのインテーク面接(初回面接)につなげている。

インテーク面接で得た情報は,面接を行った相談員により,非常勤の精神科医を交えた職員会議(インテーク会議)に報告され,センターで継続して支援することの適否,支援方針,他機関を紹介する場合は,どの機関が適当かなどが検討される。インテーク会議で継続支援が適当と判断された場合は,担当者が決められ,個別面接や家庭訪問,必要に応じて青少年または保護者向けの集団活動等の支援が行われる。

(3)インテーク面接の形態

インテーク面接は,インテーク専門の相談員が行っている。面接時間は1時間30分程度で,個室(面接室)で行うことで,初めて訪れた来談者が少しでも安心して話ができるように配慮をしている。また,保護者のみの来所が多いが,青少年本人が一緒の場合は,本人の意向を尊重して,本人のみ,あるいは保護者同席の時間をとるなど,柔軟に対応している。面接のはじめには,相談受付表の記入をお願いするほか,センターの概要とプライバシー保護について説明を必ず行う。

(4)インテーク面接の内容

電話相談の内容を確認しながら,「どうして相談に来ようと思ったのか」,「今一番困っているのは何か」,という質問から入ることが多いが,基本的には来談者に自由に話してもらうことにしている。その中で来談者の現状,生育歴,困難状況とその経緯,困難状況に関わるエピソード,社会資源の有無,家族間の関係等,見立てに必要な情報が得られるようにしている。また,相談員から情報提供や具体的な助言を行う場合もある。このようにインテーク面接の内容はその状況に合わせ変化するが,常に心掛けることは,来談者に「また来ても良い。」あるいは「来て良かった。」と思ってもらえる対応である。

(5)インテーク面接の留意点

相談員から質問する際は,尋問調にならないように留意しており,来談者の状況によっては,傾聴に徹することもある。ただし,困難状況の背景に,発達の障害や,精神的な疾患があると思われる場合は,特に,生育歴や幼少期のエピソード,並びに困難状況発生時の様子,困難状況発生前後の変化などを詳しく聴き,専門機関や医療につなぐ時期を失することのないように留意している。また,すでに医療機関にかかっている場合には,医療機関での診断やセンターを利用することについての主治医の意見等を確認することにしている。

なお,他機関を紹介する際には,その理由を来談者に納得してもらえるように十分説明するとともに,他機関に情報を提供する場合には,来談者の了解を必ず得て必要最小限の情報提供にとどめるなど,プライバシーの保護には十分配慮している。


 横浜市青少年相談センター相談支援担当係長 関博之
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