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ユースアドバイザー養成プログラム
第5章 支援の実施
  第2節 インテークと状況把握  

5 インテーカーにとって必要な要素

・ 若者と同じ目線を持つ姿勢


・ 若者と雑談できるような「話術」

若年者就労支援の窓口に来る若者の多くは,自分から自己開示できない。大人に対して壁を持っている若者も多い。したがって,そういう若者がどう感じ,どう考えるかを理解するためには,固い話に雑談も織り交ぜる中で観察し,察知していくしかない。そのためには,インテーカーと相談者という立場だけでなく,「同じ目線」を持って話すことから始めないと難しい。また「雑談」といってもそこには「話術」が必要となる。たとえば,相談時間の最初から終わりまで,何も話さない若者がいるとする。そういう場合,共感的態度で,若者が話してくれるのを待つ姿勢でが同じように黙っていたり,また逆に沈黙を破るためにひたすら的の外れた話をしても,若者はなかなか心を開かない。そこで重要なのは,若者が興味を持つ話題をどれだけが持っているか,それをこまめに出していく中で,その相談者がどういう話題に反応するのかを見れること,また相談者が「この人に少し話してもいいかな」と思えるような環境を作ることである。そのためには,若者の心を「掴む」ような話題を出せるかどうかが大きな要となる。必要なことは,普段から若者に興味を持ち,理解しようとすること,また,なるべく就労で悩んでいる多くの若者に接することである。若年者就労支援現場に自ら足を運んで若者と接することなども若者を理解する上で大きな手がかりとなる。

・ 若者を支援するさまざまな専門機関に関する知識

若者のニーズに対して一つの専門機関で全て支援できれば問題はないが,大概そうではない。そこで,そのニーズに合った支援を行うためには,どういう専門機関のどういう支援を組み合わせた方がいいのか,どういう専門機関につなげてあげた方が,より良い支援を受けられるのか等を考え,相談者に情報提供しなければならない。そのためには,自身が,色々な専門機関の情報や知識を持つ必要がある。専門機関に関しては,文字による情報だけでなく,自らが足を運び,専門機関を実際に見た上での情報提供の方が望ましい。相談者にとってはより現実的で,分かりやすい情報を得ることができるからである。

・ 病気や障碍に関する簡単な知識


・ 相談者が発するメッセージを敏感に察知する能力


・ 主訴の背景にある「事柄」への想像力

常に一人ひとりの若者が異なる。だからこそ,支援のパターンにはめこまないことはとても重要である。では,どうしてもその相談者のことや主訴を理解したいがために,決め付けてしまう危険性がある。人間は多面的であり,インテークで見えることはあくまでも一部であり,すべてではない。そのため,相談者のことや主訴を知るためには,常に相談者が発する不安やメッセージなどを敏感にとらえ,その背景にあるものが何かということを,病気や障碍の疑いも含めて考えながら話を聴く必要がある。このような洞察力や想像力は,面接技術を学ぶことに加え,若者相談の経験を積んでいくことを通して身に付けていけるものである。

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