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ユースアドバイザー養成プログラム
第5章 支援の実施
  第2節 インテークと状況把握  

9 現場の実践例(ぐんま若者サポートステーションの実践から)

(1)インテークの構造

インテークは必ず常勤のチーフマネージャー(産業カウンセラー・CDA)が1時間程度の枠を設けて専属で行い,利用者の状況に合わせて相談主体に進めるか,セミナー参加を重視するか,おおよその見立てを立てる。電話予約での来所を促しているが,突然の来所の場合,時間がある限りはインテークを行う。時間がない場合は再度の来所を促す。

これは,初めて来所した利用者に対して常に同じ条件で説明を提供できるようにするため,また,初めて利用する時からずっと見守っている常勤のスタッフの存在によって,利用者が安心してサポートを受けようとすることができ,積極的な利用の意欲につながっていくと考えるためである。

なおセミナー主体の利用者に対しては,セミナー参加の様子を観察し,スタッフ全員で見立て・サポートを行い適切なキャリア相談につなげている。

(2)インテークの内容

ア 来所意図の確認とサポートステーションのシステムの説明

サポートステーションを単なる職業紹介機関と思って来所している場合があるので,来所の経緯を確認する。

「どんなきっかけでサポステの存在を知りましたか?」

「どんなことに興味を持ちましたか?」

サポートステーションのシステムの説明をして,利用の意思を確認する。

イ サポートステーション利用の意思確認

「正式なご利用のために今の状況を詳しくお聴きしています。シートにご記入をお願いできますか?」

ウ インテーク面談

記入されたシートを基にインテーク面談を行う。

・基礎情報(利用者の氏名・年齢・性別・連絡先・来談経緯・家族構成)を確認する。

・個人に関すること(性格,生育歴,学歴,職歴,資格,現在の生活,健康状態など)を確認する。

・主訴を確認する。

□インテーク面談をする際に留意していること

(ア)利用者が明確に意識できている「主訴」を聴く。

前提として,利用者が最初に語る「主訴」は真の問題であることは意外と少ない。真の問題に至る入口であったり,真の問題の結果として生じていることであったりする。そのため,最初に語る主訴だけがすべてと思わないことを念頭に置いておく。

(イ)主訴の確認の仕方

「一番困っていることは?」,「どんなことに困ってきた?」,「一番相談したいことは何かな?」

(ウ)来談経緯の確認のしかた

「この問題で長い間悩んでいたようだけど,今回ここに相談に来ようと思ったのはどうして?」,「ここに来ようと思ったきっかけは?」,「ここではどんなことが起きたらいい?」

(エ)利用者の「問題の成立と維持」のメカニズムを知る。

「どんなことがきっかけで今の状態になったんだと思う?」,「問題が始まった頃に何かあった?」,「今の状態が続いているのはどんなことがあるからだと思う?」,「その問題が起きるのはどんな場合?」,「この状況によってどんなことが起きている?」,「この問題が解決すると何か困ることはあるかな?」

(オ)利用者の対処パターンを知る。

利用者のニーズや過去の対処方法,内・外的リソース(資源)の有無や活用方法などが把握できる。インテークで不足している情報は2回目で補充する。

利用者の自尊心や罪の意識を刺激しないように配慮しつつ,「今までこの問題に対してどのように対処してきたのか」,「今まで誰か,または相談機関を利用したことがあるか」,あるなら「何が役立ってきたか,何が役立たなかったか」を聴く。

(カ)利用者の対処方法を把握する。

「これまで大変だったと思うけど,どうやってきたの?」,「一番大変なときはどんなふうにして過ごしてたの?」

(キ)リソースを把握する。

「どんなことがあなたにとっては役に立った?」,「どんなことがあれば,もっとあなたの役に立ったと思う?」

エ 来初目的とサポートステーションのコンテンツとのすりあわせ

オ 利用形態(来所できる日時,来所の方法など)をすりあわせ,相談またはセミナーの予約をとる。

(3)インテークのねらい

・受理の可否の判断,ラポールの形成

・利用者の状況・状態の把握

・相談担当者を選択するために簡単な見立てをする。


 ぐんま若者サポートステーション統括コーディネーター 太田和雄
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