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ユースアドバイザー養成プログラム
第5章 支援の実施
  第5節 生活支援  

3 現場の実践例(あすくるの「自分探し」・「生活改善」支援)

(1)生活支援「自分探し」事例:中学生

ア 支援開始当初の状況:

授業妨害・エスケープ,対生徒暴力,対教師暴力,器物破損,窃盗,無免許運転など,学校内外でさまざまなトラブルを起こしていた。

イ 支援開始当初のあすくるでの様子:

暴言を吐き,大声で奇声を発し,机を蹴るなど常に突っ張っていた。ゲームをすれば不正を繰り返し,卓球をすれば無茶苦茶な打ち方をして試合にならないことがあった。注意してもなかなか聞き入れなかった。

ウ 連携:

学校,児童相談所,家庭(電話,来所,訪問)

エ 支援内容:

1日2〜3時間で週に3日の通所から始めた。対話とさまざまな体験活動。支援開始当初は学習支援も行い,パソコンを使ってアルファベットの入力を覚えることもしたが,すぐに飽きてやらなくなった。保護者も本人も卒業後は就職すると早々に決めたため,学習意欲が全くなかった。

少年の現状を受け入れ,楽しく会話したり体験活動を多くして指導的なことは控えめにした。

オ 体験活動:

身体を動かすことが好きなのでキャッチボール,卓球,パットゴルフなどのスポーツ。

一定時間何かに集中して取り組むことができるように,トランプやボードゲームなど。トランプやゲームでの得点計算が計算力向上に役立った。

さまざまな活動を試みる中,木工作業をすることになり,本人の希望でCDラックを製作した。木工作業を始めると,それまでに見せたことがないような集中力を見せて,指導している職員の指示にも素直に従っていた。うまくでき上がり,本人自身が木工作業に向いていることを発見した。

カ 結果・考察:

支援開始後,あすくる内での暴言は減り始めゲーム中の不正も減少していった。自分があすくるで受け入れられていると感じ始めたからだと思われる。

さまざまな活動をする中で,木工作業が自分に向いているということに気づき,将来への展望を持つことができた。学校からの職場体験では自ら建設業を選び,工務店で体験活動をした。

(2)生活支援「生活改善」事例:中学生

ア 支援開始当初の状況:

学校内で友人とのトラブルが原因で不登校になった。入学時より人間関係でのトラブルが続いていた。昼夜逆転の生活で,あまり風呂にも入らず着替えもせず,という生活が続いていた。 

学校へ行かず家での生活も不規則で乱れていたため,親子関係が悪化していた。

イ 支援開始当初のあすくるでの様子:

学校やトラブルのあった友人への嫌悪感をあらわにしていた。

ウ 連携:

学校,家庭(電話・来所)

エ 支援内容:

毎日約3時間通所。高校進学を目指し,学習支援を中心として,学校復帰を目指した。

人間関係を良好に保つことが苦手だったので,若い大学生や年配の教員退職者など幅広い年齢層のあすくる青少年支援サポーターが対応し,価値観・人間観・人生観などを広げることを試みた。特に思春期の性の問題に関して年配の支援サポーターが親身に相談に対応した。

毎日通所することで生活リズムが整い,それにともなって親子関係も改善されていった。

オ 結果・考察:

同級生のいる教室には入れなかったが,放課後登校,体育祭の見学など学校との連携で何度か登校できた。高校進学後は人間関係を良好に保ち,友人も増え有意義な学校生活を送っている。


  草津市立少年センター・あすくる草津支援コーディネーター 佐野正明
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