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ユースアドバイザー養成プログラム
第5章 支援の実施
  第6節 就職(就学)支援  

4 現場の実践例(あすくるの「就学」・「就労」支援)

(1)就学支援事例:高校生

ア  支援開始当初の状況: 少年鑑別所から帰った後,通信制高校に転校。電車に乗るのが苦痛,人混みの中にいるのが苦痛という状態で,登校日に登校できるのかが懸念された。

イ  連携: 学校,家庭(電話,来所)

ウ  支援内容:月3〜4回の通所。精神的に繊細で学校に用事があっても登校するのが苦痛ということが大きな問題だったので,少年が「あすくる」に通所した時には気持ちを和ませるようにした。面と向かっての会話ではなく,卓球をしながらの会話は本人に緊張感を持たせず,気楽に話すことができた。

   本人の立ち直りへの意思が強かったので,あすくるはそれを応援するという形の支援をした。少年鑑別所に入ることになった行為については,本人が心底反省していることが分かったのでそのことには触れず,未来への展望についての会話をした。

   定期的にあるレポート提出の多くは,あすくるで勉強して完成させた。几帳面で学習意欲が高いため,ほとんどの科目が100点に近い点数だった。

エ  結果・考察:本人の立ち直りへの意思が強かったこと,未来への展望を持っていたこと,家庭や学校の理解と支援があったことが立ち直りの実現につながったと考えられる。

   優秀な成績で卒業し,本人の第1希望の企業ではなかったが,希望の職種の仕事に就いた。

(2)就職支援事例:無職少年

ア  支援開始当初の状況: 大きな事件は起こさないが,不良行為が続き何度も補導されていた。

イ  連携:家庭(電話,来所,訪問),支援企業

ウ  支援内容:就職情報提供,履歴書の書き方指導,電話のかけ方の練習,模擬面接,ハローワークへの同行,証明写真撮影など。

   本人と相談しながら,あすくるでさまざまな仕事を紹介して就職したが長続きしなかった。そのたびに就職支援を再開し,社会人としての心構えや仕事をすることの意味などを話した。

   あすくる支援企業に相談し,職場見学をした。同世代の人がいないから嫌だと言っていたが,支援企業が勤務時間の配慮をしてくれたことや自宅から近いということもあり,勤務することになった。

   仕事中は一生懸命に働き職場の人たちとも打ち解けていたが,時々無断欠勤があった。その都度支援企業で温かく指導された。同様のことが何度かあり,いったん辞めた形になっても再雇用された。

   なぜ仕事に行かなくなるのか本人から理由を聴くと,遊びたい気持ちと自分の好まない仕事が続くと仕事を休むということが分かった。

エ  結果・考察: 仕事をしようという気持ちはあっても,働かなくてもやっていけるという状況があり,遊びを優先させて仕事を休みがちになった。それで,出勤しづらくなって辞めてしまうということが繰り返された。支援機関や関わっている大人が,本人の社会人としての意識を醸成する必要がある。


 草津市立少年センター・あすくる草津支援コーディネーター 佐野正明
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