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ユースアドバイザー養成プログラム
第5章 支援の実施
  第9節 個人情報の取扱い  

6 個人情報の共有について

効果的な若者支援を実施していくためには,支援に関わる関係機関等が対象となる若者に関する情報や支援に関する考え方を共有し,適切な連携の下で対応していくことが求められる。その際,関係機関間での円滑な情報提供のために,個人情報保護の要請と関係機関等における情報共有の関係を明確にしておくことが必要である。

個人情報保護法は,第23条において,あらかじめ本人の同意を得ないで,個人データを第三者に提供してはならないと規定しているところであるが,この例外規定として,「公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であって,本人の同意を得ることが困難であるとき」(第23条第1項第3号),「国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって,本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき」(第23条第1項第4号)と規定されている。これに該当すると考えられる事例として,「個人情報保護法の解説〈改訂版〉」 では,児童虐待,不登校,不良行為など児童生徒の問題行動について児童相談所,学校,警察,医療機関等の関係機関が連携して対応する際に,当該関係機関等の間で問題行動に係る児童生徒の情報を交換する場合や児童生徒の問題行動や児童虐待に対応するために関係機関においてネットワークを組んで対応する場合を挙げている。つまり,これらの場合には,個人情報取扱事業者は,あらかじめ本人の同意を得ないで,個人データを第三者に提供できるということになる。

一方,平成21年7月に成立した子ども・若者育成支援推進法に基づき設置される子ども・若者支援地域協議会に対し,支援対象者から一次的に相談を受けた民間の支援団体が当該支援対象者の個人情報を提供するに当たっては,原則として本人(本人が未成年の場合にはその保護者等)の同意が必要である。これは,協議会における支援は,一般に個人情報保護法第23条第1項第3号又は第4号に定める例外規定には当たらないためである。(特に支援対象者が「児童(18歳未満)」である場合を除けば,例外規定に該当し得ず,必ず同意が必要である。)

また,支援対象者から一次的に相談を受けたのが国・独立行政法人の機関(例えば国立学校や国立病院)である場合にも,行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律第8条第2項第3号及び独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律第9条第2項第3号において,本人の同意なく個人情報の提供が許容される「相当な理由」とは認められないため,やはり本人又はその保護者等の同意が必要である。支援対象者から一次的に相談を受けたのが地方公共団体である場合には,当該地方公共団体の個人情報保護条例による。

このように本人の同意を得る場合においては,地域における若者支援推進課長等会議が取りまとめた「ネットワーク,個人情報の取扱いに関する考え方」中間取りまとめ(平成20年1月30目)の中で,「個人情報の取扱いについて,少なくともこれを満たせば問題ないと考えられる方法」として,本人の同意は書面に署名する方法で得ること,未成年については法定代理人の同意を得ること,同意書には少なくとも<1>提供先,<2>提供される情報の内容,<3>提供先における利用目的を明記することを挙げている。なお,同会議が作成した「個人情報の取扱いに関する同意書(様式例)」を元に,内閣府において子ども・若者支援地域協議会に個人情報を提供する際の様式例を作成し,次頁に添付したので,参考とされたい。

【参考文献】

園部逸夫編,2005,『個人情報の保護法の解説〈改訂版〉』,ぎょうせい


 内閣府青少年支援担当

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