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ユースアドバイザー養成プログラム
第6章 地域におけるユースアドバイザー研修の実施
  第2節 地域におけるユースアドバイザー研修の実施  

(8)家族支援の意味

ア 目標


<1>家族は問題を抱える若者にとって重要な資源であるが,それが十分に生かされない現状を経験から理解させる。

<2>問題を抱える本人と家族の問題を,広く「社会的排除」の問題としてとらえる視点を得られるようにする。

<3>非血縁のネットワークの重要性に気づかせ,そこにアクセスさせ,そのネットワーク,システムにのせる方法を理解し,実行できるようにする。

  (指導例)1単位時間90分として計画

イ 内容及び内容の取扱い


(ア)導入(20分) : 目標<1>

同じテーブルになった参加者同士簡単な自己紹介の後,以下のA,Bのような導入を行う(時間があれば構成的グループ・エンカウンターの簡単なエクササイズをして,緊張をほぐし,リレーション(関係)をつくるのもよい。)。

A:研修参加者が若者支援の現場経験がある場合

a 4人グループを作り,家族が問題を抱える若者にプラスに働いた事例,逆にマイナスに働いた事例を挙げ,共通の要因について話し合う。それをまとめてグループごとに発表する。

B:研修参加者が若者支援の現場経験がない場合

a 4人グループを作り,家族生活のプラス面,マイナス面を挙げ,共感できる要素について話し合う。さらに,家族の中で問題が起こったときにそれぞれの参加者はどのように対応するか話し合う。それをまとめてグループごとに発表する。

(イ)展開(80分) : 目標<2>,目標<3>

b 導入の発表を受けて,同じグループで「家族が機能しないとどんな問題が生じるか」を話し合う。グループごとに発表する。

c 講師は,家族の機能について説明する。参加者に質問・意見を求め,できるだけ参加者の意見を付け加えてまとめるようにする。

d 「問題を抱える若者」(たとえば,自立できない,働かない若者,反社会的行動をとる若者,等々)はどんな人たちなのか,家族との関係に注意してグループで話し合い発表する。

e 講師は「本人の努力でどうにかなること」と「本人の努力ではどうにもならないこと」に分けて,どんな人たちが「問題を抱える若者」になるのかを整理する。そのうえで,「社会的排除」の概念を説明し,貧困,資源のなさ,家庭の機能不全,家庭の文化等々がそれに大きな影響があることを理解させる。

f 各グループで,研修参加者の問題意識に応じて「ひきこもり」,「反社会的行動」等々の問題を抱える若者に関して「どんな機関・支援者グループ」が「どんな資源を利用して」どんな支援ができるか(あるいは「したいか」)を話し合う。その際「非血縁のネットワーク」の重要性に気づかせる。

(ウ) まとめ(20分)

g 各グループで「支援計画」,「支援マップ(資源の確認)」のフォームをつくり,記入する。

ウ 指導案

項目 時間 指導内容 方法 指導上の留意点
導入 20分

 ・同じテーブルになった参加者同士簡単な自己紹介の後話合いを行う。

グループワーク

 ・研修参加者が若者支援の現場経験がある場合とない場合の進め方に留意する。

展開 80分

 ・講師は,家族の機能説明するとともにどんな人たちが「問題を抱える若者」になるのかを整理する。

 ・そのうえで,「社会的排除」の概念を説明し,貧困,資源のなさ,家庭の機能不全,家庭の文化等々がそれに大きな影響があることを理解させる。

グループワーク

 ・各グループで,研修参加者の問題意識に応じて「ひきこもり」,「反社会的行動」等々の問題を抱える若者に関して「どんな機関・支援者グループ」が「どんな資源を利用して」どんな支援ができるか(あるいは「したいか」)を話し合う。その際「非血縁のネットワーク」の重要性に気づかせる。

まとめ 20分

 ・各グループで「支援計画」「支援マップ(資源の確認)」のフォームをつくり,記入する。

質疑

 ・支援計画の重要性をよく認識させる



 東京聖栄大学健康栄養学部・学生支援センター准教授 長須正明
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