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ユースアドバイザー養成プログラム
第6章 地域におけるユースアドバイザー研修の実施
  第2節 地域におけるユースアドバイザー研修の実施  

(9)アウトリーチ(訪問支援)の方法?ひきこもり,不登校等を中心に?

ア 目標


援助技法の一つとしてのアウトリーチ(以下「訪問活動」という。)について基本的な事柄を理解し,実際の実践で活用できるようになること。

イ 内容


(ア)ひきこもり支援における訪問活動の利点及び困難な点

(イ)教育,地域保健,児童福祉,医療,民間など各領域での訪問活動の経緯と特徴及び課題

(ウ)訪問活動をめぐる倫理的問題

(エ)標準的な訪問ガイドラインに沿った訪問の準備から実施,事後フォローの流れ

(オ)援助者自身へのサポートの必要性

ウ 内容の取扱い


(ア)ひきこもりの事例に対して,訪問活動が有効な点,難しい点を説明し,基本的な方法論について学んでおく必要性を理解できるようにする。

(a)教育,地域保健,児童福祉,医療,民間等各領域において,訪問活動が行われてきた歴史的経緯について学べるようにする。

(b)各領域の訪問活動の,対象や方法の特徴,課題とされていることについて学べるようにする。

(c)訪問活動について,各領域を共通している課題,たとえば援助者と対象者との関係や,治療・支援構造のとらえ方,対象者の年齢によるアプローチの違い等について理解を深める。

(イ)訪問活動の法的根拠や倫理的課題を伝え,常識的な判断やバランス感覚が重要であることを学べるようにする。実際の事例などを用いて,自分だったらどうするかを参加者同士で意見交換してもらい,理解を深める。

(ウ)訪問の準備から事後フォローまでを,経過を追って説明する。特に,ユースアドバイザーとしてどのような対象者に訪問活動を行う可能性が高いのか,それにともなって必要な事前の情報収集やアセスメント,関係機関との調整など,初回訪問までの期間に丁寧な準備が必要であることを伝える。また,実際の訪問場面での,挨拶や声の掛け方,関係機関との連携のとり方などについては,具体的に学べるように,ロールプレイなどの方法をとり入れる。  

(エ)援助事例について,一人で抱え込まないこと,関わることがつらいと感じたら,相談や助言が受けられる体制を準備しておくことが必要であることを伝える。

エ 指導案

1回目(2時間)

項目 時間 指導内容 方法 指導上の留意点
導入 15分

 ・訪問指導の現状,利点・困難な点,訪問指導について学ぶ必要性を伝える。

講義

 ・参加者が訪問活動の基本を理解しようという動機づけを高める。

展開 50分

 ・教育・地域保健・児童福祉・医療・民間等現時点で訪問活動を行っている各領域の特徴や課題を伝える。

講義

 ・参加者が各領域をイメージしやすいようにスライドやビデオなど視聴覚教材を用いて工夫する。

展開 45分

 ・訪問活動をめぐる法的根拠や倫理的問題について理解を深める。

講義
G W

 ・参加者が自身の問題としてとらえられるように,具体的事例を提示し,対応の倫理的側面について討議してもらうGW(グループワーク)を活用する。

まとめ 10分

 ・本回の講義内容の整理。次回の講義の予定

講義

 ・質問の時間を必ずとる。


2回目(2時間)

項目 時間 指導内容 方法 指導上の留意点
導入 5分

 ・前回の復習

講義  
展開 50分

 ・訪問ガイドラインに沿って,訪問の準備から事後フォローまでを,プロセスを追って説明する。

講義

 ・説明をする中で,参加者が,自分たちが,実際にどのような人を対象にし,どのような配慮を必要とするのか,具体的に考えられるようにする。

展開 45分

 ・実際の訪問場面を設定し,声の掛け方などを行ってみる。

ロール
プレイ

 

展開 10分

 ・連携の必要性の高い関係機関についての説明

講義

 ・名称や,こうすると連携がとりやすい,などの具体例を提示する。

まとめ 10分

 ・まとめ

質疑

 ・質問の時間を必ずとる。



 東京都精神医学総合研究所精神保健看護研究チーム技術研究員 新村順子

 東京都精神医学総合研究所精神保健看護チームリーダー主任研究員 田上美千佳

 山梨県立精神保健福祉センター所長/山梨県中央児童相談所副所長 近藤直司
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