第1章 各国政府の有害情報に対する規制の現状(方針、規則、適用例等)

5.広告

5.1 アメリカ

青少年(12歳まで)の市場は5,000億ドルと言われており、その内の3,000億ドルは広告に直接影響を受けているとされている。全米小児科協会(AAP:America Academy of Pediatrics)は12歳以下の子どもは1日平均4時間テレビを見ており、年間20,000件のCMを見るとしている。

前述の通り(37頁)、議会は青少年向けテレビ番組での広告時間を制限しており、1990年に施行されたThe Children's Television Actは現在でも適用されている。FCCによると、12歳以下を対象とした番組での広告時間は1時間の番組に対し10.5分(週末)、12分(平日)と定められている。その他にも、特定のおもちゃを使用した教育番組ではそのおもちゃの宣伝をしてはならないなど、FCCは細かい規制を設けている23

5.2 イギリス

2011年、政府の委託を受けてマザーズ・ユニオン(Mother's Union)の代表、ベイリー博士は商業広告が子どもに与える悪影響等子どもを取り巻く有害環境対策をまとめた報告書“Letting Children be Children”をまとめた。このベイリー提言に基づき、2011年10月11日にはペアレントポート(Parent Port)という不適切な広告・商品・サービスなどに対する保護者からの報告の窓口となるウェブサイトが、英国広告基準局(ASA:Advertizing Standards Authority)やOfcomなどの9の規制機関によって開設され、以下の方針が公表された24

  • 英国広告基準局による、特に学校周辺の屋外広告に対する厳しいガイドラインの設定。
  • 学校周辺におけるストリップクラブや相応のサービスの屋外広告に対する自主規制の呼びかけ。
  • 15歳未満のモデル起用やステルスマーケティングなどの口コミを促す広告事業への雇用を防止する新しいガイドラインの設定。このガイドラインにより広告協会子ども委員会(Advertising Association's Children's Panel)が設けられた。同委員会のホームページによると、本パネルのメンバーは12名から構成される(Facebook、マクドナルド、ユニリーバ、マイクロソフト他)。

ASAは放送部分(broadcast)と非放送部分(non- broadcast)両方を扱う。ASAが規制するメディアは以下のとおりである。

  • テレビ
  • ラジオ
  • ウェブサイト
  • 新聞
  • ポスター
  • 雑誌
  • 電子メール
  • テキスト(携帯メール)
  • ダイレクトメール
    (当局は16歳未満をすべて「子ども」と定義し、主に以下の4つを規制している)
  • 子どもの特性(信じやすい、忠実である、繊細である、経験が浅いなど)につけこんだ内容
  • 他人に迷惑をかける行動を促す内容
  • 健康や食生活に関する間違った内容
  • 真似しやすい危険な行動を含む内容

イギリスの広告コードは二つの産業委員会によって提供される。放送分野は、広告実践放送委員会(BCAP:Broadcast Committee of Advertising Practice)に、非放送分野は広告実践委員会(CAP:Committee of Advertising Practice)である。

Ofcomは放送広告標準コードの機能設置をBCAPに委託し、BCAPコードとして発行している25。変更・最終的な責任はOfcomにある。BCAPは旧公式監査機関民法テレビ委員会とラジオ局のコードを参考にし、広告コード、スケジューリングに関する規則、テキストサービスコード、双方向テレビ・サービス規制に関するブロードキャスターへのガイダンスなどを設定している。同委員会は2005年1月に確立され、市民と消費者のサポートを目的としている。

BCAPコードはASAによって管理されている。OfcomもASAも放送前の広告を見る権利はない。ASAはアクションをOfcomに提言できる。すべてのテレビ広告は放送前に、放送広告クリアランスセンター(BACC:Broadcast Advertising Clearance Centre)によって事前調査を受けなければならない。ラジオ広告についても同様に、ラジオ広告クリアランスセンター(RACC:Radio Advertising Clearance Centre)が調査を行う。クリアランスは法的な強制的規制ではない。

5.3 ドイツ

青少年保護法第14条第2項の規定に従って、表示を付された映画、映画プログラム及びゲームプログラムについては、予告または宣伝に際して、青少年に有害な内容に注意を引くことは許されず、かつ青少年に害を与える方法で広告または宣伝を行ってはならない。また、青少年を直接対象とした広告の放送は禁止されている。