第1章 各国政府の有害情報に対する規制の現状(方針、規則、適用例等)

10.携帯電話・PHS

10.1 アメリカ

携帯電話の購入に限った法律では無いが、アメリカには契約法があり、18歳未満の未成年者は経済的に十分に責任を持てる年齢では無いとの理由から、いかなる契約に関しても未成年者は保護者の同意がなければ、単独で売買契約を結ぶことはできない。よって、未成年者が各携帯電話会社と売買契約を結ぶ際にも、保護者の同意が必要となり、青少年自身が携帯電話を独自に購入することはできない。

<カリフォルニア州>
青少年による携帯電話の所持・利用を制限する州法は無いが、学区や学校の規則により、学校への携帯電話の持込を禁じている場合はある。その逆に、授業でテキストメッセージを使用する場合もあるが、州政府ではそういった各学区・学校の青少年の携帯電話の所持・規制に関する具体的な情報は有していない。同州の各学区では、実際に問題が起きる度に教育委員会で再発防止のために新たな規則を検討することから、遵守すべき最低限の法的規則はあるが、こういった校則のあり方については統一化されておらず、州内の約1,000の学区、約9,000校の学校が独自の方針を決めることができる。

<テキサス州>
青少年の携帯電話の所持・利用に関する州の規制は無く、同州検事局でも把握していない。ただし、カリフォルニア州と同様に、各学区・学校の判断で、生徒による携帯電話の学校への持ち込を禁止しているところもある。

10.2 イギリス

保健省の主任医療事務官(Chief Medical Officer)は、青少年の脳は成長段階にあるため、携帯電話の使用は電話のみに限るべきと勧めている。また、携帯電話を持っていることを見せびらかして危険な目に合わないよう、電話を使用する際のマナー・注意点などを保護者は青少年に指導すべきとしている65

また、保健省はパンフレットなどを作成し、携帯電話の利用についてや健康への影響などについて呼びかけを行っている66

10.3 ドイツ

連邦家族省は、2007年、携帯電話の利用に関するパンフレット「Handy ohne Risiko」を発行した。このパンフレットでは様々な携帯電話の利用に関する注意事項とともに、各携帯電話会社の取組が紹介されている。例えば、大手携帯電話会社「E・Plus」では子どもが使う携帯電話から、有料電話やプレミアSMSを利用することをできないようにしている。

ドイツでは、未成年者の携帯電話所持に関する法律の検討は行われていない。それは、携帯電話会社が青少年保護に対して、既に積極的に取組を展開しており、こういった取組が評価されている点や、携帯電話からのインターネットの利用には、パソコンによるインターネットの利用以上に費用が掛かるので、保護者の費用についての監視がパソコンでのインターネットの利用と比べて厳しい点が挙げられる。