第2章 規制に対する世論

2.映画・ビデオ・コンピュータソフト等

2.1 アメリカ

2.1.1 規制賛成派の論点

暴力的ゲームの普及により、青少年の反社会的行動が増加するとし規制を設ける州もある(ニューヨーク州、カリフォルニア州、テキサス州、ペンシルバニア州等)。

2.1.2 規制反対派の論点

カリフォルニア州では2005年に、未成年者へ暴力的ゲームを販売することや貸し出しすることを禁じる法律(Assembly Bill 1179)が成立していたが(2006年施行)、米連邦最高裁判所は2011年6月、同州法は、合衆国憲法修正第1条を侵害するという判決を下した。これは、ゲーム業界などから反発を招いた結果、施行前から裁判によって仮差し止めとなり、合衆国修正第1条が定める言論の自由に反するとして、違憲判断となった。これによって、言論の自由の保護は、ビデオゲームに対しても、本や映画、音楽などすべての創造的表現形態とまったく同様に適用されるということとされた73

2.2 イギリス

2.2.1 規制賛成派の論点

現在のPEGIレイティング標記では明確ではないため、成人向けのゲームにはもっとはっきりとした注意書きが必要とする意見もある74

2.2.2 規制反対派の論点

暴力的ゲームと青少年の暴力的行動に直接的な関係があるという証明はされていないとし、規制に反対の意見もある。2008年10月には規制反対のデモが起きている。

2.3 ドイツ

2.3.1 規制賛成派の論点

戦闘ゲームなど、ゲーム中にアイテムを購入しながらゲームを続けるものもあり、青少年が思いもかけぬ金額が発生する場合もある。こうしたゲーム業界の戦略問題を理解し、政府は国家規制を設けるべきであるとしている75

2002年4月、チューリンゲン州の州都エアフルト市で、放校処分になったばかりの19歳の元生徒が、教員など16人を射殺して自殺した事件がある。この元生徒が暴力的なコンピュータゲームに没頭していたとの報道が、暴力的表現への世論の憂慮を深めた76

2.3.2 規制反対派の論点

ゲームソフトの年齢制限指定については、自由な物品の流通を定めるEU 法に違反する、として欧州裁判所に訴える動きがある77