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青少年と携帯電話等に関する調査研究報告書要旨

(平成12年12月)


I 調査の概要

 1 調査の目的

 携帯電話やPHSなどは、利便性の高い通信手段として青少年の間でもポケット・ベルに取って代わり、その普及率は急速に伸びつつある。このように急激に広まった携帯電話等を青少年がどのように活用しているのか、保護者が青少年の携帯電話等の利用に関してどのような意見をもっているか等について調査し青少年の非行防止、健全育成に向けた取組のための基礎的な資料を得ることを目的。

 2 調査地域、対象者

 (1) 調査地域

宮城県、千葉県、東京都、石川県、奈良県及び熊本県の6都県

 (2) 調査対象者

1) 青少年調査
 調査地域内(6都県)の高校2年生

2) 保護者調査
 青少年調査の対象となった高校生の保護者


 3 調査時期

平成11年11月〜12月

 4 標本数



有効回収数
1) 青少年調査 3,152人 3,101人(98.4%)
2) 保護者調査 2,901人 2,881人(99.3%)


II 青少年調査の結果

 1 携帯電話の所持・使用状況

 (1) 携帯電話の所持

 青少年全体での携帯電話の所持者は 3,101名中 1,819名の6割(58.7%) であり、過半数を占めている。男女別で見ると男子より女子、学科別で見ると普通科よりも専門科の方が多く持っている。また、所持する携帯電話の種類は、女子の方でPHSを所持する比率が高くなっている。
 中学生の時から携帯電話を所持していたのは所持者全体の2割(21.0%)、高校1年生の時に所持を始めたのが4割(40.7%) となっている。


 (2) 携帯電話の使用状況

 一日平均して携帯電話の使用は、おおむね半数の者が4回までとなっている。また、メールについては、10回以上送受信する者に限って見れば、男子は4割弱であり、女子は約5割である。
 携帯電話で通話する時間帯について、最も多いのが「夜、家にいる時」である。「授業中」の回答が、「ときどきある」までを含めると4割を超えている。
 注目されるのは、「乗り物の中では、携帯電話やPHSで話をしないようにしている」の回答で、全体では4割(42.0%) の者が回答している。
 実際に払っている電話料金で最も多いのが4千円台〜6千円台である。この料金だと、使い方としては基本料金に加えて少し話したりメールを送ったりという料金である。「使い過ぎ」の料金となると、1万円台が性別・学科別を問わず最も多くなっている。
 携帯電話の料金は、「全額自分で出している」者が3割(33.4%) 、「自分と親で出し合っている」者が2割(19.2%) 、「全額親に出してもらっている」者が3割(31.5%) である。



 2 携帯電話・PHSの所有と人間関係や生活関係

 (1) 友人関係

 携帯電話・PHSを所有することにより、「連絡がとりやすくなった」者が9割以上(94.0%) と圧倒的に多く、「友人と電話をする時間が増えた」者が5割(48.9%) 、「新しい友人が増えた」 者が5割(48.4%) 、「友人との仲が深まった」者が6割(56.3%) と答えており、友人関係の仲を深めるのに役立っていることがわかる。


 (2) 異性関係の変化

 全体の7割(69.5%) が、「連絡がとりやすくなった」と答えており、このことは、携帯電話・ PHSは直接本人につながり、相手の家族(とくに親)と話さなくても済むからだと考えられる。
 「異性の友達が増えた」と思っている生徒は4割(38.0%) 、「異性との仲が深まった」と思っている生徒は4割(41.9%) を占め、若者にとっては魅力的な道具となっていることが言える。


 (3) 家族関係

 家族関係においても、「連絡がとりやすくなった」者が8割(82.6%) とかなり多い。
 「家族が安心するようになった」と答えている生徒は5割(52.5%) 、携帯電話・PHSは、子どもにとってだけでなく、親にとっても便利な存在である。


 (4) 生活の変化

 「必要性のない電話をすることが増えた」者が4割(36.6%) と答えており、3人に一人が必要性のない電話をしていることになる。
 「携帯電話・PHSで呼び出されて外出することが多くなった」者が4割(37.6%) 、比較的多 くの生徒が「夜中に電話がくるようになった」と感じており、全体で5割(54.4%) が「そう思う」 と答えている。


 (5) 携帯電話・PHSを持たなければよかったと思ったこと

 携帯電話・PHSを持たなければよかったと答えている生徒は全体で2割(20.3%) であった。
 高校生たちは、携帯電話・PHSについて完全に満足しているわけではないことがわかる。



 3 携帯電話の所有と青少年の意識や行動

 (1) 自由に使える金額

 1ヶ月に自由に使える金額を、千円単位でたずねると、全体の平均は11,214円、男子では10,632円、女子では11,808円となった。
 この金額について、5千円刻みに見ると、5千円から1万円未満という回答が全体の4割(38.6%) と最も多く、ついで1万円以上1万5千円未満が2割(19.2%) 、5千円未満が2割(17.4%)となる。
 男女共に、携帯電話を持っている高校生は、持っていない高校生と比べて自由に使えるお金が多いということになる。


 (2) こづかい

 親(保護者)からもらうおこづかいの平均は 6,354円であった。男子では 6,515円、女子では6,186円であった。
 携帯電話を所有している男子が最も高く 7,120円、携帯電話を所有していない男子の 5,916円よりも千円ほど高い額である。


 (3) アルバイト

 ふだんなんらかのアルバイトをしている者について多い順にみていくと、女子の携帯電話所有群の3割(34.8%) 、男子の携帯電話所有群3割(26.7%) 、女子非所有群1割(9.9%)、男子非所有群1割(7.1%)となった。男女ともに携帯電話の所有群は、非所有群に比べて3倍強、アルバイトをしている割合が高い。
 アルバイト代の平均金額は約3万7千円、「ラーメン屋」「すし屋」の皿洗いなど、飲食関係であると思われるものが最も多く、3割(27.7%) であった。


 (4) 金銭に関する行動

 親にせびることが「ある」ものに注目すると、男子の携帯電話所有群は5割(48.2%) 、非所有群の4割(36.5%) 、女子では所有群5割(48.7%) 、非所有群3割(32.8%) である。携帯電話所有群は、非所有群よりも「親にせびる」行動をとる傾向にある。
 携帯電話の有無別に「衝動買い」という消費行動について分析すると、とりわけ女子において所有群の方がそうした行動をしがちである。


 (5) 日常生活における行動と意識

 「制服のスカートを短くしたり、学校が指定していない服を着て通学したりする」の質問に対して「あてはまる」と答えている生徒は、男子では携帯電話の所有群の2割(20.7%) 、非所有群では(7.0%)、女子では、所有群の6割(57.2%) と半数を超えている。
 「ファッションや流行を気にする」とした回答は、男子所有群で7割(65.7%) と非所有群4割(37.7%) にくらべ28.0ポイントの差がついた。女子においても所有群8割(81.1%) 、非所有群6 割(62.1%) となっており、携帯電話の所有者の方がよりファッションや流行を気にする傾向にあると言える。


 (6) 若者文化と非行・逸脱行動

 「ピアスをしたこと」「髪の毛を脱色したり、染めたりしたこと」があるのは、男女共に携帯電話の所有群の方が多い。また、いわゆる「万引き」を想定しての設問である「店からだまって、品物を持ってきたこと」についても男女共に携帯電話の所有群の方が多い。



 4 携帯電話と学校生活、家庭生活

 (1) 生活時間と携帯電話

 生活時間の全体の分布を見ると、もっとも長いのが「テレビを見る」の 123.7分、「家で勉強」 と「家でテレビゲーム」が29.0分、「電話で話をする」が23.1分である。電話で話をする時間のうち、「携帯電話やPHSで話をする」のは11.9分とおよそ半分である。
 携帯電話の有無別に、生活時間がどう異なっているのかを見てみると、携帯電話を持っている者で、勉強時間が短く、電話で話をする時間が長い傾向となっている。


 (2) 学校生活と携帯電話

 成績の自己評価と携帯電話の所有間には強い相関があり、成績が良い層では所有率が5割(48.6%) 、悪いほうでは7割(68.1%) と約2割の差異がある。学業成績下位層ほど、携帯電話の所有率が高い。
 携帯電話所有と卒業後の進路希望との間にも強い相関があり、携帯電話の所有率が高い順に、専門学校志望7割(73.9%) 、短大が7割(72.2%) 、就職が6割(64.1%) 、四年制大学が5割(49.2%) となっている。
 「フリーターをしてもよい」と答えた者の携帯電話所有率は6割(64.5%) 、「いいえ」と答えた者は5割(54.0%) で、フリーター志向の者の所有率が約1割高くなっている。


 (3) 家庭生活と携帯電話

 「家庭の雰囲気はあたたかい」と「親のことを考えると悪いことはできない」と思わない者で、携帯電話の所有率が高くなっている。




III 保護者調査の結果

 1 携帯電話の使い方

 (1) 携帯電話の利用

 調査対象保護者の携帯電話の所有は、父親で 323人の7割(68.2%) 、母親で 796人の3割(33.0%) である。所有の時期は、特に父親の方が早い時期から所有し、仕事での必要性が影響していると思われる。
 1日の平均的な携帯電話使用回数を、仕事以外の私用で見ると、保護者では1〜2回が多いのに対し、青少年では4〜5回が多くなっている。
 1カ月の携帯電話の使用料金は、仕事の電話を含めた料金の平均を聞くと、父親で 6,701円、母親が 4,737円である。保護者では父親の方が使用料が高いが、青少年は父親なみかそれ以上で、女子の方がやや高くなっている。


 (2) 子どもの携帯電話の所持

 子どもが男子の場合、「電話相手をだいたい知っている」と答えた親は、子どもが携帯電話を 所有している場合で3割(31.7%) 、所有していない場合で5割(46.8%) 、女子では携帯電話を所有している場合で4割(42.5%) 、所有していない場合で7割(73.4%) となっている。子どもの携帯電話の所有は、電話相手の把握をむずかしくさせている。その傾向は女子で著しい。
 子どもの電話の使用に関しては様々な批判があり、「電話の回数が多い」「通話時間が長い」「深夜に利用する」「遊びに使う」「料金が高い」等の問題は、いずれも携帯電話を持っている子どもで強く現れている。



 2 子どもの携帯電話についての保護者の認識

 (1) 子どもの携帯電話所持、使用料金についての認識

 子どもが携帯電話を持っていると答えた保護者は、父親の回答で5割(52.0%) 、母親の回答で6割(57.3%) 、親全体で6割(56.4%) であった。
 子どもが使っている携帯電話の使用料を知っている保護者は、父親で9割(89.0%) 、母親で9割(93.8%) 、親全体で9割(93.1%) であった。


 (2) 子どもの電話内容についての認識

 5人に1人の親は、わが子の携帯電話での内容に関してはそれなりに評価しているが、やはり5人に1 人の親は、「次に会ったときに話しても十分間に合うような内容」「明日になればもう話さなくてもいいような内容」とみなしている。


 (3) 携帯電話所持後の子どもの変化

 「子どもが連絡を取りやすくなった」という変化に対しては、父親の8割(80.5%) 、母親の9割(85.5%) が「そう思う」と答えている。次に変化が多かったのが「帰宅時間についての連絡が子どもから入るようになった」の変化で、父親の5割(54.9%) 、母親では6割(62.6%) が「そう思う」と答えている。
 「子どもと話す機会が増えた」という質問に「そう思う」との回答は、父親母親とも1割(13. 8%) で、比率としては低い。


 (4) 携帯電話を持っていない子どもの親

 「子どもは携帯電話を持っていない」と答えた親に、「お子さんがもし携帯電話やPHSを持ちたいと言ってきたら、あなたはどうしますか」という質問に「持たせてもよい」との回答は、親全体で3割(32.2%) で、ほぼ3分の1となっている。
 「持たせてもよい」と答えた親に対して、その理由を尋ねると、親全体で最も回答が多かったのが「居場所が確認できる」の5割(51.8%) 、次に多かったのが「何かと便利」の5割(45.0%)である。
 「持たせない」と答えた親に対して、その理由を尋ねると、親全体で最も回答が多かったのが「持たせる必要なし」の8割(78.1%) と、きわめて高い数値を示している。


 (5) 子どもの携帯電話−自由回答より−

 まず気づくことは、携帯電話の通話料金のことである。ここでは意見はほぼ二つに分かれ、子どもの使う携帯電話の通話料が高いと問題視する意見と、子どもが通話料を自ら管理し、自己の小遣いの中でやりくりしていると、それなりに評価している意見である。
 通話料金以上に深刻と思われるのが、携帯電話の使用状況である。第一に長電話、第二に電話をする時間帯の問題である。また、誰と話しているのか、何を話しているのか、全く分からないという意見もある。




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