平成25年度青少年問題調査研究会(第5回)講演録

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日時:平成26年3月13日(木)14:00~16:00
場所:中央合同庁舎4号館 共用620会議室
講師:若者エンパワメント委員会 土肥 潤也 氏 武田 清香 氏
テーマ:「若者の社会参画」

内閣府子ども若者・子育て施策総合推進室


  • 司会 時間となりましたので「平成25年度第5回青少年問題調査研究会」を始めさせていただきます。
    本日は、静岡県立大学に在籍し、学生団体「YEC若者エンパワメント委員会」で、若者の社会参画に関する御活動をされている土肥潤也さんと武田清香さんをお招きしております。
    まず、最初にお二人から御講演をいただいた後、質疑応答の時間を30分程度予定しております。
    それでは、早速ですが、御講演をお願いいたします。よろしくお願いします。
  • 土肥氏 YEC若者エンパワメント委員会の代表をしています静岡県立大学経営情報学部1年生の土肥潤也といいます。このほかに、静岡市の青少年問題協議会で委員をさせていただいています。
  • 武田氏 同じく、YEC若者エンパワメント委員会の武田です。YEC以外に、もう一つ静岡県立大学には静岡学生NGOあおいというカンボジアで国際協力している学生団体があるのですが、そちらでも活動しております。
  • 土肥氏 それでは、今日いきなり若者エンパワメント委員会と言われても何か分からないと思うので、最初に簡単に説明をさせていただきまして、その後、私たちの問題意識ですとか、若者の声、そういうことを話した後に、最後に私たちの具体的な事業の紹介をしていきたいと思います。
    皆さん、青少年にかかわるお仕事をなさっていると思うんですが、若者にはどんなイメージをお持ちでしょうか。若者というイメージは、何となく元気だとかが思い浮かぶと思うんですけれども、今日はそれを頭の片隅に置きながら話を聞いていただけると、僕たちの今日のテーマは若者の再定義だと思っているので、そのイメージを念頭に置きながら話を聞いていただければと思います。
  • 武田氏 まず、そもそも私たちYECとはどんな団体なのかをお話しさせていただきます。
    そもそもの始まりは、私たち団体の顧問の津富宏先生がフィンランドのユースセンターを訪れた際に、こんな施設があるんだということに感動したそうなんですね。それを同じ静岡県立大学の学生の両角(もろずみ)に話したところ、それなら日本にもあるよということになりまして、それを静岡でもつくりたいということで始まったのがYECの始まりです。
    そもそもユースセンターとは何かというと、中高生世代向け児童館でありまして、自分のやりたいことをすることを通して、社会について考えたり、興味を持つきっかけになるような場所でもあります。
    YECは、最初ユースセンターをつくろうということで始まったんですけれども、現在はユースセンターの目的や社会について考えたりする過程で、自分のやりたいことを実現するために大切なのはユースセンターという場所ではなく、そういうことを実現する機会なんだという考えに至りまして、「Youth Empowerment Committee (YEC)」という場所にこだわらないで、機会を提供する団体として活動しています。
    団体の軸となるものは、「全ての若者が自分の思いを形にすることを通じて社会のつくり手となるために」というミッションのもとで活動しています。YECが目指している社会は、若者が社会の一員として活躍しているという状態であったり、大人も子どもも同じ社会の一員として平等に意見が尊重される社会です。
    現在は静岡県立大学の学生を中心に、静岡大学や常葉大学、また県内に住んでいる高校生もメンバーとして活動しています。
    YECには2つの活動軸があって、1つが「若者へのアプローチ」、もう一つが「社会へのアプローチ」です。そのほかにも、北欧のスウェーデンやフィンランドの若者政策のことについて研究したり、「若者白書」といった、それまでYECが行ってきた講演会をまとめたものや、静岡の若者について調査したものをまとめた白書をつくったりもしています。
    これが「若者へのアプローチ」活動の写真なんですが、具体的にどんなことをしているかというと、中高生の自主企画を応援する「もうひとつの放課後探しプロジェクト」や、中高生自身が静岡県に対して言いたいことをまとめて、それを県議会で議員さんに発表してもらったりする課外授業というものを若者へのアプローチとして行っています。
    YECのもう一つの軸である「社会のアプローチ」として、内閣府から委託を受けて、今年度は子ども・若者支援ネットワーク形成のための研修会事業という事業の講演会をやったり、同じ若者支援を行う団体同士がつながるためのネットワークをつくるためのオフ会を行ったりしています。
    YECは若者エンパワメント委員会の略なんですが、「エンパワメント」という言葉にあまり馴染みがないかもしれません。概念としては、一つが差別や偏見を減らすこと、もう一つが差別や偏見があっても力を発揮できるようにすることです。YECの団体に置きかえてみますと、社会のしがらみを取り除いて、若者が前へ進めるように後押しするような意味合いです。
  • 土肥氏 では、ここから私、土肥が、私たちが何で活動するのかというお話をさせていただきます。
    そもそも、私たちの社会はいろいろ囲い込み過ぎなんじゃないかということに問題意識があります。例えば、今私たち自身が中高生とかかわってきて、僕もまだ大学1年生なので、去年まで高校に通っていたわけですけれども、中高生ってとても忙しいなと思っていて、家から学校に行って、その後塾に行って、部活に行ってというルーティーンの中で、自分たちの本当に好きなことができているのかだとか、勉強ばかりしていたら、段々と自分主義になってきて、他者への信頼感が薄くなってくるのではないか。
    若者は元気だというイメージあると思うんですけど、僕たちは、実は若者は自信がないんじゃないかと考えていて、その中で、「僕らの一歩が日本を変える」という団体を御存じの方はいらっしゃったりしますか。高校生100人×国会議員というイベントをやっていらっしゃる東京の学生団体、慶応義塾大学の1年生で青木大和君という方がいらっしゃるんですけれども、彼が言っているのは、僕たちは絶望世代なんだと。いろんなことに対して前向きになれない、いろんなことに絶望しているんだというふうにおっしゃっています。
    丸い円を社会だと置きかえると、若者は社会の中で蚊帳の外であると。自分たちがそういう意識になっているんじゃないかというのが僕たちの問題意識です。
    これが限られた空間の中でのサイクルということなんですけど、私も大学1年生の前期まで塾でアルバイトをしていたんですけど、子どもたちを見ると、学校に行って、部活に行って、終わった後、塾が10時、11時までという、すごく忙しくて、その中で会う大人たちもすごく限られてくるんですね。学校の先生ですとか、塾の先生ですとか、部活の顧問ですとか、どうしても縦の関係が多くて、地域の中の大人たちだとか、横のつながりも学校の中とか塾の中とか、そういう限られた空間の中でしかつながれないというのが問題意識としてあります。
    それで、これは実際にYECが100人アンケートというものを静岡、スウェーデン、ロンドンで実施したデータなんですけれども、なぜスウェーデンとロンドンでも実施したかというと、スウェーデンとロンドンは、若者の社会参画が進んでいて、それで視察にスウェーデンとロンドンに行ったんです。
    ロンドンのデータはユースミーティングという、若者たちの中でも市民活動をしている人たちの集まりの中でアンケートをしたので、データに少しずれがあるんですけれども、スウェーデンは町中にいる普通の若者たち、中高生世代、大学生世代などに声をかけてアンケートをとりました。1つ目の質問、「あなたは自分がダメな人間だと思いますか」という質問なんですけれども、静岡ですと40%の人が自分のことはだめな人間だと言っていて、スウェーデンとロンドンですと、それが非常に数が少ない。この数の原因は一体どこにあるのかいうのがYECが始まった理由でもあります。
    これが2つ目の質問ですけれども、「あなたは社会を自分の力で変えられると思いますか」という質問なんですが、これは大人でも聞かれると少しどきっとしてしまうような質問だと思うんですが、スウェーデン、ロンドンを見てみると、非常に数字が高い。それに比べて静岡は非常に低い。恐らく、これは日本のどこにおいても同じようなデータになるのではないかと私は思っているんですが、自分の自己肯定感が非常に低くて、自分たちが何かできるというふうに思っていないのではないかというのが問題意識の一つです。
    そもそも若者は社会に対して無関心なのか。「社会を変えることができますか」という質問をして、非常に低いデータが出た。その中で、そもそも若者は社会に無関心なのかとか、政治に無関心だろうというふうによく思われる方がいらっしゃるんですが、これは実際にはそうではないと私たちは思っていて、これがYECと連携をとっている静岡わかもの党という若者の政治参加を促している活動をしている団体なんですけれども、この取組は5000ボイスキャンペーンといって、静岡の各地で若者たちの社会に対する不満ですとか、社会のここを良くしたいというのを書いてもらうという取組をしています。一つ一つ見ていくと、消費税を上げないでほしいとか、国会の言い争いは醜いですとか、信号無視ゼロですとか、ブラック企業をなくしたいですとか、いろいろ出てくるんですが、社会に対して非常に関心があって、なおかつテレビや新聞の中で日本が危ないというのを若者自身が感じていて、でもそれを自分たちがどうすることもできないというふうに思っているのではないかなという一つの仮説がここで立つわけです。
    実際に、この取組だけ見ても分からないと思うので、これは静岡県の青少年問題協議会が行った調査のデータなんですけれども、「今の社会には問題があると思う」という質問に対して、「問題があると思う」、「どちらかといえば当てはまる」と答えたのが約90%いて、「日本の将来は明るいかどうか」という質問は、「どちらかといえば当てはまらない」、「全く当てはまらない」と答えている若者は、約80%の若者たちが日本の将来は明るくないというふうに答えていて、将来の不安も挙げているわけです。
    そして、ここが僕たちの活動の軸にもなってくると思うのですが、「社会を変えたい、しかし・・・」と書いてあるんですけれども、「現状を変えようとするよりも、そのまま受け入れるほうがいい」と答えている若者、「よく当てはまる」、「どちらかといえば当てはまる」と答えている若者たちが29%、非常に少ないんですよね。現状を受け入れないほうがいいと若者たちは思っています。実際、今の若者たちを見てみると、そんなに社会に関心がないように見えてしまう。そして、「社会問題や政治問題に参加することについてはどう思いますか」ということに関しては、「参加したほうがいい」、「参加すべきだ」と答えているのが60%、70%いるわけです。
    このデータからも、若者は決して社会に対して、政治に関して、関心がないわけではないなと感じます。しかし、若者たちは「社会を変えることができると思いますか」という質問に対して、非常に少ない人たちが「そう思う」と答えていて、何故、自分たちでできると思っていないのかを探ったところ、「あなたが社会のために役立ちたいと思っていることは何ですか」、「実際にしていることは何ですか」という質問では、文化活動やチャリティーバザーをやりたいとか、いろいろ出てくるんですね。つまり、地域のことなら関与ができそうだというふうに若者たちは考えている。自分の住んでいる地域なら、私たちは影響を与えることができると思っていると。そして、「自分の住んでいる町が好きですか」という質問に対しては、70%、80%の若者たちが「好きだ」と答えていて、私たちの活動は、こういうデータからも、「地域」というキーワードを非常に大事にしていて、社会の中で蚊帳の外になっている若者の居場所を地域につくっていこうというのが私たちの活動の目的でもあります。
    意欲があるが、条件が整っていない。何かやりたいけれども、何もできない。要するに、若者たちに社会参加のきっかけが、機会が与えられていないのではないかというふうに私たちは考えています。エンパワメントという言葉は、エンパワー、つまり力から来ているんですけれども、若者は力の欠如状態にあるというのが私たちの問題意識ということです。
    その中で、エンパワメントの歴史をさかのぼっていくと、もともと黒人の人権運動から始まっていて、白人に迫害を受けていた黒人が、私たちにもできるという自己肯定感が上がっていき、それが黒人の人権運動、民権運動につながったというものです。つまり、エンパワメントは、決して力をつけることではありません。もともと私たちは、若者たちとか、黒人もそうですけれども、私たちはもう既に力を持っているんだという前提の中で活動を始めています。僕たちはどうせできないというのが「エンパワメント」することで取り払われて、何かできそうだなとか、私たちがやらないと社会は変わらないんだというふうに思わせていこうというのが私たちの活動です。
    ここで少しまとめをしますと、若者というのは、決して社会、政治に関して無関心なわけではなく、逆に関心が高いくらいだと。わかもの党の先ほどのボイスをお見せしたんですけれども、そのデータも本当にそこら辺にいそうな女子高生とかから声をとるんですけど、アンケートをとっているほうもびっくりするぐらい、日本の政治はだめだとか、そういうふうに書いていて、すごいなと。自分たちがこういう活動をしているにもかかわらず、すごいなと本当に思うんですね。その中で、自分たちが社会の一員であるという意識がないために、社会に対して能動的に働きかけるようになっていない。だから、私たちはエンパワメントすることが必要だというふうに思います。
    そもそも、私は社会参加を促していこうという話をしているんですけれども、社会参加とは何かというのを簡単に説明させていただきます。こちらの右にあるのがロジャー・ハートの「参加のはしご」というものなんですが、活動をしていく中でいろいろなところでお話をさせていただく機会をいただくのですが、YECは社会参画を促していますと言ってもなかなか届かないということで、私たちは参加のことを影響力というふうに訳しています。要するに、社会の中でどれだけ若者が影響力を持つか、大人と同等の影響力を持つかということを社会参加というふうに考えています。
    その中で、子どもと大人はパートナーだというふうに考えていて、「せたがやっこ参画推進パートナーズ」という若者の居場所施設、まさにユースセンターを東京にもつくろう、日本にもつくろうという活動をされている、YECともよく講演会に来ていただいたりされている櫻井さんという方がいらっしゃるんですけど、その方の言葉で僕はすごく驚いたのが、中高生の支援を同じようにやられているんですが、中高生は今を担うことができるんだ、次世代ではなくて今を担うことができるんだというふうにおっしゃっていられて、何てすばらしい言葉なんだろうって、僕はすごく感動したんですけれども、まさにそのとおりだと思っていて、中高生って聞くと、おまえらが将来を担うんだぞというふうに大人は言うかもしれないんですけれども、そうではなくて、もう既に担っていけるんだというふうに感じていただきたいなと思っています。
    社会参加だとか社会参画というふうに聞くと、ボランティア活動ですとか、あと政治参加ですとか、社会貢献活動ですとか、そういうのを思い浮かべがちなんですけれども、私たちは、後でお話しするのですけれども、そういうふうに考えていなくて、この「参加のはしご」を見ていただけると、一番てっぺんにあるのが子ども主導の活動に大人が巻き込まれていくこと、これを目指して活動しているんですね。これだけ見てみると、決してボランティアだとか、政治参加、また社会貢献活動とか、関係ないと思うんですね。全ての活動において言えることだと思っていて、例えば地域での行事ですとか、そういうことが子ども主導で始まるとか、あとはYECの活動も、基本的に余暇活動の支援をしているのですけれども、その中で子どもたちが始めて、それに大人が巻き込まれていくとか、そういうふうにして社会参加と思っています。
    そして、どうやって社会参加を促していくのかというのが非常に重要なポイントとなってくると思うんですけれども、これを私たちは北欧から学ぼうということで、まず、実際に私たちはまだスウェーデンに行ったことがないので、先輩方は行っておられるのですけれども、動画を少し見ていただきたいと思います。
    この動画は、NPO法人ライツという18歳選挙権を目指して活動をしているNPO法人のスウェーデンスタディーツアーの動画です。

    (動画再生)

    最後にスウェーデンの大人たちは若者を同等の大人として見ているというふうにコメントしている人がいたんですけど、まさにそのとおりだなと思っていて、スウェーデンは比較的小さい国であるということもあるのですけれども、スウェーデンの高校の生徒会を束ねる全国生徒会ですとか、僕もそこまで詳しくないですけれども、LSUという圧力団体が少し出てきたのですが、あの団体はスウェーデンのいろいろな活動をしている若者たちの活動を傘下に持っていて、資金面ですとか、全てそれをLSUが決めている。そのLSUももちろん全て若者たちで運営されている。そして、スウェーデンの大人たちも若者を若者としてではなく同等の大人として見ている。
    具体的に、スウェーデンはこれだけやっていて、政治参加とかどうなのかというのがこちらのデータですけれども、日本の多分このデータは衆議院選、このデータもRightsから拝借したのですが、スウェーデンの30歳未満の投票率は80%、日本は38%、やはりこの差って、この動画の中でも出てきた、ああいう日々の社会参加ですとか、ああいう日々の意思決定がこういうところにつながっているのではないかなと思います。
    ここで少し話が変わるのですが、YECの活動はユースワークをする団体だと言っていまして、ユースワークはスウェーデンや北欧のユースセンターで活動をしているユースワーカーという大人とかかわるプロの方、ユースワーカーという人たちがいるのですけれども、日々の意思決定ですとか、ああいうのをユースワークというのですが、それの目的、これは恐らくスウェーデンのものですが、仲間づくりを通して、若者が社会参加の主体へと育つ過程で必要なソーシャルタイズの形成を支援するノンフォーマル教育活動だと。
    社会参加の主体へと育つために、また能動的に働きかけるために何が必要か。それは他者と社会への最低限の基本的信頼関係、ソーシャルキャピタルを創出していくことであると。これはどういうことかと言いますと、福沢諭吉が「ソーシャル」を日本に持ってくるときに「人間交際」と訳したと言われていますが、社会というものは人と人とのつながりであって、僕たちの活動を見て、たまにキャリア支援の団体と間違えられたりするのですけれども、そうではなく、私たちは社会の人と人とのつながりの中で若者が育っていくんだというふうに考えています。社会参加とは、人と人とのつながりの中で主体的に活動をしていくこと、それが最終的に政治参加ですとか、そういうところにつながっていくのではないかなというふうに思っています。
    これがスウェーデンの実際の影響力、どれぐらい影響力を持っているのかというのをまとめた数字ですけれども、若者の投票率は、先ほど見ていただいたように、非常に高い。2012年の16歳から25歳の若者の政治活動参加率、例えばデモをよくするとか、そういうふうに言ったんですけれども、これをデータ化すると71%の若者がそういうのに参加している。そして、これもアンケートでとったものだと思いますが、40%の若者が自分の地域に影響を与えることに興味があり、17%が政治家に意思表明をする機会があると感じているというふうに答えていて、17%でも少ないんですが、このアンケートを日本でやって1%あるのかどうかと思うんです。僕自身、政治家に意思表明する機会があるとは感じていないので、すごく面白いデータだなと思います。
    ここには載っていないのですが、スウェーデンのデータの中で、スウェーデンは新人である若者が政界にかかわりやすいというふうに出ていて、あるアンケートをして、政府のことに発言する資格があなたにはありますかという質問を年代別で日本とスウェーデンで比較して行ったところ、日本では年配の人のほうが、俺は発言する資格があるんだと答えている率が高く、若者のほうが低い。しかし、スウェーデンだと、年配の人のほうが遠慮がちで、自分には社会に対して意見、政府のことに発言する資格がないというふうに答えていて、若者のほうが資格があるというふうに答えているんですね。要するに、年をとるほど意見をせずに遠慮をする傾向にあるという状況があって、会社の中ですとか、いろんな組織の中で、若者というのは、日本では少し蚊帳の外のような感じがするんですけれども、スウェーデンや北欧では非常にウェルカムな状態にあるということがわかります。
    そして、これがYECが目指していたユースセンターでの若者の参加、実際にユースセンターで何をやっているかということなのですが、ユースセンターでの活動は、ひとまずやりたいことをやってもらう。そして、若者からの提案には全て職員がフィードバックをする。例えば、施設の中に卓球台を置きたいと若者が言ったら、それを職員と議論をして、卓球台を置くかどうかというふうに話し合うですとか、そういうのも全て、ユースセンターを運営する若者の運営委員会がほとんどのユースセンターにはあって、それが職員と同等の立場を持っていて、予算配分ですとか、そういうのを全て若者の運営委員会が決めているというふうになっています。
    そして、この中でユースセンターは実際どんなことをやっているかというと、先ほども武田が言ったのですが、基本的に児童館とほとんど変わりはないと思っています。
    その中で、広い意味で親の監視がない公園みたいな感じだと考えていただければ分かると思うんですけれども、本当に好き勝手ができる。そして、日本の中にも実はユースセンターに近いものが幾つかありまして、東京なのですけれども、先ほど紹介させていただいた「せたがやっこ参画推進パートナーズ」の櫻井さんが今年度までやられていた「オルパ」という若者の施設ですとか、中高生のための施設ですとか、あとは有名なのは、杉並区にある「ゆう杉並」という、あれも大型児童館という名前なのですが、この前視察に行かせていただいたときに、もちろん中高生の運営委員会があり、例えば本棚の中に漫画が置いてあって、それをそのままだと漫画をたくさん借りていってしまう中高生がたくさんいると。これはいかんということで、中高生自身がその問題に気づき、それをルールとしてつくったですとか、そこに来る中高生と、いろいろな学校の子たちが来るんですけれども、その中で中高生がいろいろな人たちとよくしたい、そういう企画を中高生自身がつくったりですとか、そういうふうにして中高生が、若者が自分自身で意思決定をするというのがユースセンターの中では徹底されています。
    そして、ここから私たちの活動にもつながってくるのですけれども、私たちは余暇活動の支援をしているのですが、その中で社会という言葉が余暇活動の中では人間交際だと。つまり、人と人とのつながりの中での余暇活動をしていく。そして、ここが一番重要だと思っているのですけれども、「楽しむ」ということが非常に重要だと思っていて、もちろんボランティア活動ですとか、そういうのを楽しんでいる若者たちはたくさんいます。けれども、いきなり学校の先生とか親から、「おまえ、今日ごみ拾いをしてこい」とか、「今日投票に行ってこい」というふうに言われても、全く楽しくないと思うんですね。その中で施設を、先ほどの漫画のルールもそうですけれども、自分たちが楽しむと決めたことに対して必ず責任が伴います。でも、その責任を中高生自身がとっていく。自分で決めたことだから責任がとれる。でも、それがやっぱり楽しいんですよね。それがすごく大事だと思います。
    そして、これは両角さんの言葉ですけれども、社会参画というのは意思決定の参画であり、その意思決定の機会をとにかく増やすこと、それが社会参画を支援していくということなんだというふうにおっしゃっています。
    ここから、私たちの余暇活動の支援の具体的内容について、武田のほうから話させていただきます。
  • 武田氏 余暇活動の支援、若者へのアプローチ、若者への働きかけの活動の一つが、「もうひとつの放課後探しプロジェクト」というものです。このプロジェクトの目的は、やりたいと思ったことを実現できる機会をつくり、同じ世代が集まることによって、楽しみながら社会へかかわる主体性を育むことを目的としています。対象は中高生世代の若者です。
    パワーポイントにもあるのですが、毎年、「わかものキャンプ」を8月に行い、「わかものキャンプ」でできた企画を3月の実現に向かって話し合いながら進めていくという、大体半年ぐらいの流れのプロジェクトです。
    このプロジェクトができた背景には、もともとYECは若者の社会参画について活動していたのですが、若者の社会参画と言いながら、実際に若者とかかわっている活動がなかったんです。そこで、若者自身にもアプローチしなければいけないということで、何かしようと考えていたところ、北欧では豊かな放課後、豊かな余暇活動があるということで、放課後を支援しようということで、この「もうひとつの放課後探しプロジェクト」というものが始まりました。
    このプロジェクトで、ときの流れに沿いながら見ていきたいと思うのですが、まず8月、9月あたり、ちょうど中高生が夏休みくらいのときに「わかものキャンプ」というものを行います。この「わかものキャンプ」の目的は、自分の興味や好きなものを挙げていって、最終的には自分が本当にやりたいことを見つけることがこのキャンプの目的です。
    キャンプでは、最初に自己紹介やゲームや遊びを通してプロジェクトに参加する中高生同士が仲よくなるようなこともしています。
    これは実際に企画ができたときの写真です。この模造紙が一応企画書のようなものになっていて、いつどこで何をするのかというものがこの模造紙の中に書かれています。
    自分が何をやりたいか、やりたいことの企画が決まって、3月までの間話し合っていくのですが、その話し合いの合間合間に、スクーリングといった、このプロジェクトに参加している中高生が一堂に集まるものも設けています。このスクーリングの目的は、参加している中高生同士がより仲よくなることですとか、お互いにお互いの企画についてアドバイスすることだったり、あと、お互いの進み具合を知ることによって、もっと自分も頑張らなきゃなと思ったりすることがこのスクーリングの目的です。
    こちらが企画の一つですけれども、企画が実現したきの写真です。この写真は、中高生が学校を超えた文化祭をしたいということで行われた企画の一つで、中高生が集まって、キラキラフェスティバルという学校間を超えた文化祭を行いました。
    この「もうひとつの放課後探しプロジェクト」には、「カゴメン」という大学生サポーターがついています。「カゴメン」という名前がどこから来たかというと、「もうひとつの放課後探しプロジェクトサポートメンバー」を略して「カゴメン」と私たちは呼んでいます。
    中高生にとってカゴメンはどんな存在かというと、そこまで年が離れ過ぎているわけでもなく、かといって自分よりちょっと人生経験が多いかなというぐらいのお兄さん、お姉さん的な存在です。ここがYECらしさの一つでもあり、中高生と年が近かったり、大人のような遠い存在ではないので、話しやすかったり、相談しやすい存在です。
    こちらがカゴメンのルールですが、具体的に言うと、カゴメンの役割はファシリテーターというものがあります。ファシリテーションというのは、よく学校や企業の会議でも最近入るようになっている存在なんですけれども、場の話し合いが円滑に進むように発言を促したり、意見を整理したりするのがファシリテーションということで、ファシリテーターの役目です。
    また、カゴメンは中高生の意見を受け入れて、そうだねとか言ったりするだけではなくて、中高生の意見を認めるというのがカゴメンの役割でもあります。
    カゴメンは中高生の意見全てを鵜呑みにするのではなく、お互いに意見を出し合いながら、一緒に企画を進めていく存在として、中高生と同じ目線に立っています。
    これが「もうひとつの放課後探しプロジェクト」にかかわった中高生の声ですが、読んでみると、カゴメンと話して自然とやる気が出てきたというように、アドバイスを気軽にもらえるというのがカゴメンのポイントです。
    こちらは、プロジェクトに参加したカゴメンの声ですが、カゴメンも中高生とかかわることによって元気とやる気をもらえたり、中高生でもこんなことができるんだと可能性に気づいたりすることができます。
    今までの第4期分、「もうひとつの放課後探しプロジェクト」が行われているのですが、ここにずらっと並んでいるのがその4年間分の企画です。この中の一つにGOLDEN AGEという企画が今年第4期の中にあるのですけれども、このGOLDEN AGEというのは、町の中でフラッシュモブをやりたいという中高生がいた中で提案のあった企画です。
    フラッシュモブとは、町中で突然音楽がかかって人が踊りだすというような、ちょっとサプライズ的なイベントで、今進行中の企画です。
    このフラッシュモブのミーティングというか、練習の様子を映した動画があるのでごらんいただきたいなと思います。

    (動画再生)

  • 土肥氏 ということで見てもらったんですけれども、あの動画の中で出てきた男の子、彼は高校1年生で、動画の中にも出てきたんですけれども、ダンサーで集まっているのは大学1年生から中学1年生まで、友達の友達とか、SNSを使って呼びかけたりして、本当にいろいろな子が集まっている。学校の中だとどうしても1つ上の先輩に対しては、すごくハードルの高い存在で、なかなか話しかけるのもできない、何か怖いというイメージがあるんですけれども、こうして地域に出てきて、実際あのグループは6つの高校、2つの大学から学生が集まってやっていて、本当に年齢が関係ないなというふうに感じますね。
    その中で、僕は何度も言っているのですけれども、人と人とのつながりの中で社会参加は促されていくという意味では、彼ら自身、ただ単に自分たちの好きなことをしているだけなのに、それが社会参加へとつながっていくということです。
  • 武田氏 こちらが過去にプロジェクトに参加した中高生の声です。この中には、やってみようと思う気持ちが大切なんだとか、社会というものを真剣に考えたということで、やろうという主体性を育てたり、社会について考えるきっかけがこの放課後プロジェクトになっているのではないかということが分かると思います。
    また、なぜ余暇活動の支援なのかということに戻るのですが、いきなり社会とかかわれだとか、政治に参加しろ、ボランティア活動に参加しろといっても、やはり興味がないのでなかなか自分からやろうと思わない、思えないと思うんです。でも、楽しいことや楽しむことによって主体性が育つかなと思っています。また、この「もうひとつの放課後探しプロジェクト」は誰でも参加できるので、そこがまたこのプロジェクトのいいところかなと思っています。
  • 土肥氏 先ほど紹介させていただいた「僕らの一歩が日本を変える」ですとか、東京ですと、高校生、大学生が政治参加を促している活動をしている学生団体がとてもあります。僕たちが最終的に目指しているものと彼らが目指しているものは、一緒だと思うんですが、最終的に、政治に参加したり、能動的に活動しようというふうになっていく彼らの活動と、僕たちYECの活動の違いは、余暇活動の支援であるということ。
    政治参加を促しているのはとてもいいことだと思うんですけれども、やはり収入が高い人など、そうした人じゃないと興味が持てないというがデータとしても出ているので、その中で、ユースセンターについてもそうですけれども、ユースセンターもスウェーデンですと全ての若者が行けるようになっているというふうな現状もあって、いきなり政治参加ではなくて、まず自分たちが楽しむんだということが、何度もポイントとして言っている大事なことだと思います。
  • 武田氏 「もうひとつの放課後探しプロジェクト」の今後の展望として、全ての若者がかかわれる機会にというのがあるのですが、確かに現在の「もうひとつの放課後探しプロジェクト」でも誰でも参加できるのですが、実際かかわっているのは、もとから主体性があったり、社会に対して既に興味があって、何かしらのアクションをしている中高生が、この「もうひとつの放課後探しプロジェクト」にかかわっているのが現状です。今後はそういう社会について興味がある・なしにかかわらず、より全ての若者がかかわれる機会にこの「もうひとつの放課後探しプロジェクト」がなったらいいなと思っています。
    またもう一つ、今は本当にやりたいことをやろうという企画なのですが、この「もうひとつの放課後探しプロジェクト」をきっかけに、自分から地域に出ていって、社会についてかかわれるようになったらいいなと思っています。
    次にYEC課外授業、「みんなのワクワクがつまったまちをつくろう」といったYECの活動を紹介させていただきます。
    この企画が生まれた背景には、先輩が視察で行ったスウェーデンの市民の声で、赤ちゃんも若者も市民の一人として同等に見ているという意見を聞いたので、それを日本でも実現させようと、若者の声を実際に聞けたらいいねということで生まれました。
    もう一つの背景として、先ほどの「もうひとつの放課後探しプロジェクト」は半年かかっていて、期間的に少し長いんですね。もう少し気軽にかかわれるものをつくろうということで始まったのが、このYEC課外授業です。
    実際にどんなことかというと、まず、県議会議員を通じて県の政治に意見を言おうというものなのですが、最初に静岡県の全体から高校生が集まって、その高校生がまず自分が今何を思っているのかということを意見交換します。その後に、次はその高校生がいる場の中に今度は静岡県の職員の方も来ていただいて、一緒に静岡県に対してこれが言いたいと言う高校生の意見ついて意見交換を行います。その後に、実際に高校生が自分の静岡県に対して言いたいことを一つの企画書にまとめるのです
    このときにできた企画書を静岡県議会議員の方に協力していただいて、静岡県議会で発表していただいて、それを静岡県庁の各課に振り分けて、高校生の意見についてそれぞれ返答をいただきました。これが静岡県からいただいた返答を高校生に報告している場面です。
    実際に高校生から出た意見にどんなものがあるかというと、静岡県にふじっぴーというゆるキャラになるのか、マスコットキャラクターがいるのですけれども、そのマスコットキャラクターをくまモンみたいにもっと自由に使えるような、商業的に利用できるものにしてほしいという高校生からの意見があったので、それを静岡県に高校生が訴えたところ、実際に商業的に利用できるようにするというような話になったりしています。
    静岡県からの返答をいただいたときの高校生からの感想では、自分の意見でも聞いてもらえることがわかってうれしかったということで、今まで自分は社会について何もできないと感じていたそうなんですが、こうやって静岡県から意見を返してもらうことができて、自分でも何かできるんだということに気づいたそうです。
    今までYECの若者に対しての活動について話してきたのですが、もう一度ロジャー・ハートの「参加のはしご」に戻すと、「もうひとつの放課後探しプロジェクト」は、この一番上の「子ども主導の活動に大人も巻き込む」という場所に当たります。中高生がやりたいと言った活動に大人にも協力してもらっているからです。
    次に、YECは若者に向けての活動以外に社会に対しての活動も行っています。その一つが講演会事業でして、先ほどもお話ししたように、2012年度、2013年度は、内閣府の子ども・若者支援事業ネットワーク形成のための研修会事業の委託をいただいて、講演会を行ったりしています。
    こちらをご覧いただいて、やはり若者への活動だけしていても、この黒とか灰色とか白の若者の社会参画の障害となるものは取り除けないので、講演会を通して若者の社会参画へ向けての世論を形成することを通してこのしがらみを取り、若者がもっと社会に参画していけるような状態を目指しています。こちらが講演会のときの写真です。
    私たちは、講演会以外にもう一つオフ会というものを通じて、若者支援に携わる方々のネットワークもつくろうと思って活動しています。写真のように、全く関係ない焼き芋大会を行ったりもしました。こっちがYECの創設者である両角がスウェーデンから帰国して行った報告会の様子です。それ以外にも、ユースセンターということで、東京にある杉並区児童青少年センター、先ほど申し上げた、「ゆう杉並」や「オルパ」、あともう一つユースセンターが東京都にあるのですが、「CAPS」という施設も見学しました。
  • 土肥氏 最後にまとめに入るのですけれども、余暇活動を通すことによって主体性が育まれていく。余暇活動とは、中高生が自分たちでやりたいことを引き出していく活動、自分たちか楽しいと思う活動、それが余暇活動なんですね。
    だから、例えば今YECのメンバーの中には、すごい原発に危機感があると言っている高校1年生の女の子もいて、じゃあ原発のことについて勉強する会を開こうとか、それもれっきとした余暇活動だと思います。それ自身も、中高生、若者たちが自分たちの好きなことだから、楽しいことだから続けていけるというふうに思います。
    そして、2個目が、子ども・若者と大人はパートナーであるというのが、先ほどの中高生は今を担うことができるという言葉にも通じてくるのですけれども、実際に何度も紹介している、「僕らの一歩が日本を変える」の青木君が街頭調査で、前回の衆議院選のときに模擬投票を全国各地でやったんですね。どれぐらい集めたのか、それは今数がはっきりしないのですけれども、そのデータと実際の衆議院選のデータを比較したところ、そんなに差がないということがデータとして出ていて、フォーマルなデータではないので何とも言えないのですけれども、子ども・若者と大人でそんなに社会、政治に対する投票があまり変わらない。考えていることはそんなに変わらないんだから、一緒に考えていこうよということで、子どもと大人、若者はパートナーなんだというふうに考えています。
  • 武田氏 あと、若者の社会参画を促すと、社会について考える人の数の絶対数が増えると思うので、若者の社会参画を促すことで社会がよりいいものに、日常生活がよりいいものになるんじゃないかなと考えています。
  • 土肥氏 北欧でなぜあれだけ若者の社会参画の政策というか、あれほど若者の支援が発達しているのかというと、単純に若者をそういうふうに育て上げていかないと社会がもたないという思考が向こうにはあるらしいのです。日本ほど顕著に出てはいないんですけれど少子・高齢化が非常に進んでいて現状があっても、自分たちの年金ですとか福祉を確保するために、若者を能動的にしていかなければ社会がもたないというふうに考えているそうなのです。スウェーデンの動画を見ていただいたときに、自己主張が強いように思ったかもしれないのですけれども、スウェーデンのストックホルム大学に4年間留学されている、同じNPO法人Rightsの理事をされている小串さんという方がいらっしゃるんですが、その方のコメントの中に、日本とスウェーデンの若者はそんなに変わらないというふうに言っていて、アメリカや中国など、自己主張がすごく強い国はあるんですけれども、スウェーデンの若者は非常に素朴で、小串さんの感覚なんですけど、日本人に非常に似ているというふうにおっしゃっていて、じゃあ何が違うかというと、ただ単に機会が与えられているだけなのではないかと僕は思います。その機会提供の中で、やはり楽しむという余暇活動を支援していく、その中で社会参加を促していくということが大事だと思います。
    最後になるのですが、こうやって今日お呼びしていただいたので、いつもお話しさせていただくときは私たちから提言をさせていただくのですけれども、子ども・若者に関するイベントですとか問題を一緒に考えさせてくださいというふうに言っています。僕自身、今青少年問題協議会の委員としてやっているのですが、子ども・若者に関することを子ども・若者に聞かないでどうするんだと僕は思っていて、この前、「ふじのくに 子ども・若者プラン」という静岡県の子ども・若者プランが出て、パブリックコメントを書かせていただいたり、最近、県の社会教育課の方から関心を持っていただいて、何度もお呼びしていただけるようになったんですが、その中で、余暇活動の支援ってなかなか書けないじゃないのです。いろいろジレンマはあると思うんですけど、どうしてもボランティア活動やそういうものへの参画をさせていくというふうに書いているので、それを書かせていただいたりとか、その中でどうしてもギャップが生まれてしまうので、大人が思っている若者と若者から見た若者って全く異なっていて、それをやはり一緒に考えていかなければいけないなというふうに思います。
    そして、社会参加の機会をたくさんつくっていきましょうということで、僕は何度もしつこいぐらい言っているんですけど、人と人とのつながりが社会だと思うので、いきなり放課後プロジェクトを各地でやろうとか、そういうことではなくて、例えば皆さんが今日家に帰って、お子さんがいるか分からないですけど、その中でちょっとその子の話を聞いてみるとか、近所の子どもたちの話を聞いて、じゃあ一緒にお祭をやろうよとか、そういうふうにつくっていことが、最終的に政治参加ですとか、日本をより豊かにすることにつながっていくのではないかなというふうに思います。その中で、若者の居場所を地域につくっていく、意思決定の場を地域につくるというのは非常に大事だと思っていて、地域のことなら関与できそうだ、自分事として考えられるという側面が「地域」のキーワードだと思っていて、いきなり国政のことについて考えろと言われても、全く自分のこととして考えられないので、それが一番身近なところである自分の家や学校だったりとか、地域だと思うんですね。地域には、いろいろな大人たちがいて、いろいろな世代の子どもたちがいて、その中で育まれていく。これが大切だと思います。
    そして、最後に書かせていただいたのが、YECは若者の社会参画支援をしている団体だよというふうにいつも話すのですけれども、簡単に言うと、「まちづくり」でもあるなというふうに思うんですね。
    まちづくりと聞くと、商店街の活性化などを思い浮かべるかもしれないのですが、そうではなく、まちづくりは社会参加であり、民主主義であり、自分たちのしたいことを実現することがまちづくりだという、これは私たちの団体顧問の津富宏先生という方の言葉を借りていますが、まさにそのとおりだと思っています。静岡県立大学の中に津富先生が顧問をされている団体が全部で10団体ほどあります。私たちは中高生を対象にして活動をしているのですが、その学生団体で活動する一人ひとりがまず参画をしていると僕は思うんですね。いろいろなことに取り組んでいて、もちろん商店街の活性に取り組んでいる人たちもいますけれども、それが結局自分たちのしたいことで、それが最終的に日本、町を豊かにすることなんだというふうに考えています。YECの目指す社会=民主主義を達成することだと僕は思っています。
    ぜひ若者の話を聞いていただきたいなと。そして、ただ聞くだけではなくて、同じパートナーとして見ていただきたいなと思います。それはまさにフラットな社会、若者と大人が町のこと、自分が住んでいる地域のことについて自分ごととして考える。そして、受け身ではなくて能動的に働きかけられる社会になるのではないかと考えています。
    ちょうどお時間となったので、終わらせていただきます。ありがとうございました。

    (拍手)

質疑応答

  • 質問者<1> 社会参画とまた少し違うことかもしれませんが、居場所の話の関係で質問です。プレゼンの中の問題意識のところで囲い込みの話とか、社会に対して蚊帳の外、まさにそのとおりだなと、私も仕事をして実感をしていて、家とか学校とかと決まって居場所があって、そこで過ごしやすい子どもたちはそれでも大丈夫で、多分自己肯定感が保てたりする。何か事情があったり、つまずきがあって、家にいづらくなったりとか、学校にいづらくなった瞬間に、ほかに居場所がなくて、そうしていくうちに、例えば高校を中退してしまってニートになってしまったりとか、もしくは逆にというか、非行に走らざるを得なくなってしまったりとか、女性だったら性風俗産業の悪い大人に引っかかってしまったりとか、そういう問題があるのかなと。家、家族に対する支援とか、学校でもっと居心地をよくするというのももちろんなんですけれども、それ以外の居場所づくりって、やっぱりすごく重要なのではないかなと。まさに地域の中に居場所をつくっていくことはすごく重要なのではないかなと思うんですね。
    御提言の最後の中で、若者の居場所を地域につくっていこうという御提言があって、まさにそのとおりだと思うんですけれども、そういう目で見て、具体的に国だったり、国だと少し遠過ぎるので地方の自治体でもいいんですけれども、こういうことをやると、子どもや若者たちのためになるような居場所だったり、機会をつくることができるよという、もう少し具体的なお話が聞けたらなと。
  • 土肥氏 ありがとうございます。まさに、僕たちが今、全面的に出さなかったのですけれども、ニート、引きこもり支援なんかも実は視野に入れていて、子どもの権利条約の話なんてすると分かるのですけれども、3つのPって恐らく御存じだと思うのですけれども、Participation、Protection、Provisionという3つのPがあるのですけれども、日本の活動をしている団体には、プロテクション(保護)をする団体が非常に多いなというふうに感じます。その中で、パーティシペーションというと参加なのですけれども、それをしている団体は政治参加ですとか、少しジャンルが偏っていて、地域の中に参加していこうとか、そういうふうに考えている団体というか、活動をしている人たちがあまりいないのではないかと思います。
    最初にニート、引きこもり支援の話をさせていただきたいのですが、こういう活動をしていると、ニート、引きこもり支援をされている方とよくお話をしたりするのですけれども、この前、豊橋の市役所に呼ばれたときに、その活動をされている方とちょっとお話をしてすごく感じたことが、普通の子と一緒にいればいいんだよというふうにおっしゃっていて、どうしてもニート、引きこもりというか、その子たちはすごいかわいそうだとか、そういうふうに見られがちなのですけれども、本当はそうではなくて、別に僕は学校に行かなければいけないとは思っていなくて、もちろん居心地が悪い子もいると思いますし、ただ、その子たちがどこか別の場所で、他の子どもや若者たちと一緒にいることによって育まれていくのかなと思います。
    それで、質問に戻るのですけれども、僕は基本的に、例えば最近考えているんですけれども、地方の自治会ですとか、防災訓練とか、そういうのを全部若者たちと一緒につくっていけばいいなというのが一番具体的には思っています。
    あとは、無くなるという噂を聞いたのですけれども、総合の授業を地域の中で行っていくということがとても大切だと思っています。総合の授業の第一目標を見させていただいたときに、少し省略しますが、子どもたちが主体的に学び、活動すると書いてあるのですけれども、実際、僕たちが当時、総合の授業を受けていて、そう感じたことは全く無くて、ただの楽な授業というか、そういうふうに感じていました。でも、実際に今の活動をしていく中で、学校の先生方、校長先生とか、そういう方も来てくださるのですけれども、総合の授業は何をしていいか分からないというふうに学校の先生もおっしゃるんですね。そういうのを例えば、ちょっと長い目で見たときに、高齢者が今後増えてくる中で、定年後に何かしたいけれども、特に就職するところがない、そういう高齢者の方々が地域の若者たちに何か教えたりとか、これは僕自身が勝手に考えていることですけれども、そういうふうにして子ども・若者が地域に触れる機会を増やしていくのではないかなと思っています。
  • 質問者<1> もう1点関連で。若者が居場所を感じられる、居心地いいと感じられるようにするためというか、居場所をつくるために、地域の大人にどういうことを期待されていますか。
    我々は仕事で、もちろん子どもや若者と一緒に仕事をすることもあるのですけれども、そういう子ども・若者の育成に取り組んでいる地域の方々たちを相手に仕事をすることも結構あるんですね。地域で声がけ運動をされていたり、すごくいいことだと思うんですけれども、そういう方々、そういう地域の大人に期待したいことというのは何ですか。こういうふうに若者と我々と一緒にやってくれるとうれしいというのは。
  • 土肥氏 極論は、放っておいてほしいと僕は思いますね。すごく時間がかかりますが、子どもや若者が地域の行事をつくっていくと言うとき、例えば、高校生が防災訓練を高校生主導でやるとなったときに、消防団の人がやったほうがすぐできるじゃないですか。でも、それを中高生に任せて一緒につくるというのがとても価値があることだと思っていて、大変だと思うんですけれども、僕はいつも言っているんですけれども、「僕たちは手伝いますから、時間がかかるけどやらせてください」というふうに言っていて、僕たちがしてほしいのは、保護とか、支援とか、そういう言葉じゃなくて、理解なんだというふうに言っていたりもするんですが、まさにそういうことかな、まずは放っておいて見ておいてくれという感じですかね。
  • 質問者<2> カゴメンという大学生が中高生のお兄さん役としてサポートをすると言っていましたが、中高生たちに主体性を身につけさせるとか、好きなことをやらせる際に、時にはそれは危険だろうというアイディアも出てくるのではないかなと思っていて、さっき映像で出た路上でフラッシュモブをする企画とか、道路使用の許可などの問題として、もしかしたらまずいんじゃないのかなとか、そういうことがよぎりました。そこで、子どもたちの主体性を傷つけずにうまくマネジメントしていく際の苦労とか、そういったものがあれば、お聞かせください。
  • 武田氏 危ないなとか、これはまずいんじゃないかと思ったときには、そのまま直接言うのではなくて、中高生自身が自分の頭で考えて気づけるようにしています。例えば、「こうなったらどうするの?」とか、カゴメンが自分の意見として言うのではなくて、本人に気づいてもらえるようにしています。あとは、「危ないことが起こらないようにするためにどうしたらいいと思う?」と問いかけたりしています。
  • 土肥氏 僕たちが中高生をパートナーとして見なければ、大人たちに対してパートナーとして俺たちを見ろなんてまず言えないので、もう中高生は普通にパートナーとして見ていて、ただ意見を受け入れるではなくて、認めるという言葉があったんですけれども、もちろん危険なこととかを全部受け入れていたらだめですが。だから、それを自分の中に1回落とし込んでから、さっき武田が言ったように、「こうなったらどう?」とか、「このためにはどうすればいい?」とか、そういうふうに問いかけていく。
    「自分たちで決めたことだから、ちょっと考えてみなよ」と言って、道路を使わなければいけないので、警察の許可を取らなければいけないとか、それも全部中高生自身がやっています。中高生自身が自分で気づいて行います。そういうふうに「引き出していく」ということがすごい大変なんです。これが多分北欧だと、プロのユースワーカーは資格としてあるんですね。それのユースワーカーたちがすごく懸命になってやっている。まさにファシリテーションですとか、そういうことをプロでやっている人たちなんですけれども、このカゴメンにいたっては、公募で大学生を募集しているんですね。ですから、YECがこういうことを考えてやっているんだとか、そういうことをまず研修をして、留意事項を徹底してから、放課後プロジェクトを進めるようにしています。
    もちろん、それはとても大変で、自分たち自身まだよく分からなくて、それでゆう杉並さんですとか、オルバさんですとか、そういうところの職員の方々は本当にうまいので、そういう方々を見ながらやっている感じです。
  • 質問者<3> すごく豊富な活動をされていると思ったのですけれども、資金面とかではどこから援助を受けたりされているのでしょうか。
  • 土肥氏 資金は僕たちの活動の中でもネックになっています。基本的には、活動によって助成金をとったりなどで賄っています。
  • 武田氏 静岡県立大学からの活動応援金と、あと、静岡県立大学全体でクラブやサークルに援助金みたいな感じで出ているものがあるので、それを活動費として使っています。
  • 土肥氏 お金はやはり大変なんですけれども、極論を言えば、僕が最終的に目指しているのは、スウェーデンのホームルームの事例なんですけれども、例えば修学旅行を行くか行かないかをまず学生自身が決める。そして、どこに行くかも中高生が決める。そして、そのために幾らかかるという議論をして、そのお金をどうしようか、それも中高生が全部集めるそうなんですね。僕たちの放課後プロジェクトでは、今はまだこちらからお金を出している段階なんですけれども、ゆくゆくは中高生自身が例えば企業に協賛を募ったりできればと。安定的ではないのですけれども、失敗したとしてもとても意味のあるものだと思っていて、そういうふうにしてこれからはやっていきたいなと思っています。
  • 武田氏 あと、先ほどお話ししたのですけれども、課外授業は静岡県の事業としてお金をいただいていました。あと、講演会は内閣府の事業なので、国からいただいたお金で実施しました。
  • 質問者<4> 私も幾つかの大学で、ほとんどボランティアみたいな感じで、ついこの間まで教えていたりなんか、何年かしていたのですけれども、問題として、一つは若者固有の問題なのかどうなのかということを見るためには大人の調査もすべきだなと思っていて、諸外国もそうだと思うんですけれども、若者だけを見ていても、それが若者の問題なのか、その国の社会の問題なのかというのが見えてこないので、何かやられるんだったら、ぜひそういうのをやって比較対照しないと、今の社会に問題があると思っているのは私たちも一緒だと思うし、明るいと思っていないのも多分同じだと思うんですが、そういうところで何が違うの、何が若者固有の問題なのかというのを発見していくことが重要ではないかなというふうには思いました。
  • 土肥氏 実は最近、僕もちょうど考えていて、この質問をしていく中で、「皆さん、社会を変えられると思いますか」と、講演をする中で大人の方たちに手を挙げてもらったりして聞いたりするのですけれども、やはり手が挙がらないという現状があって、実はこれは若者だけの問題じゃないなというふうに僕は認識しているんですね。
    ただ、何で若者に焦点を絞って私たちは活動しているかというと、最終的に若者が元気になっていくことで、社会全体、大人たちも元気になっていくんじゃないかなというふうに思っていて、もちろんデータはこれからとらせていただきたいなと思っています。
  • 質問者<4> そういう社会調査的な観点は別にして、またいろいろな方から御指導いただければいいと思うんですけれども、一つ皆さんのやっている活動で興味深いと思ったのは、これは誰が参加をしているのかということ。抽象的な聞き方で申し訳ないんですけれども、要するに、逆を言えばどんな人が参加しないんですかということにもなるのかもしれません。中高生でも大学生でもいいんですけれども、具体的にやりたいことをものすごく明確に持っている人だったら、例えば、フラッシュモブがやりたかったらダンスサークルに入ればいいじゃんみたいな、既に入っている人もいるだろうし、またバンドをやる人もいれば、ボランティアをやっている人もいれば、スポーツをやったり、演劇をやったりしている人は、それぞれやりたいことを明確に持っていれば、恐らくこのプロジェクトに参加してこないんだろうなと思うんですね。
    逆に言うと、全くやりたいと思うことはないという感じの、家でゲームをやっていればいいやという子もまた参加してこないのかなという。要するに、皆さんの活動に参加してくる人たちというのはどういう層の人たちなのかなと。そういう意味で言えば、例えば土肥さんや武田さんは何でこれに参加したのか、何でこれ以外の活動ではなかったのかということをお聞きしたいなと。
  • 土肥氏 参加している層を見てみると、やりたいことが明確な子ももちろんいるですけど、全く私全然だめですみたいな子もいます。新聞とかに広告を載せていただいているので、親が見て、あんたちょっと行ってきなさいとか、そういうふうにして強制で連れてこられた子とか、もちろん家でゲームしているかどうかは分からないですけれども、そういう子もいます。わかものキャンプですと、いろいろなことを経験する中で案外やりたいことが見つかるんですね。自分の好きなことでやりたいことが見つかっていって、もちろんいろいろな子がいるんですけれども、割と参加者の中では、自分はこういうことがやりたい、でも仲間がいない、だけどYECに行けば仲間が見つかるかもしれないと思って来てくれている子とか、いろいろな子がいます。
  • 武田氏 何でこの活動をしているかですよね。私は、YECは静岡県立大学内のサークルの一つなんですけれども、大学生になって何か始めたいなと思ったときに、ちょうどYECの先輩と出会って、「もうひとつの放課後探しプロジェクト」というものを知りました。
    単純に最初はこれがおもしろくて入ろうと思ったんですけれども、なぜ続けているかというと、この活動を通して北欧の取組を知って、単純に日本とは違うなと感じました。政策もそうですし、普通の人の感覚も違うなと思いました。北欧のような市民の一人ひとり、社会にいる普通の人一人ひとりが北欧みたいに、自分の国にとか、日常生活の問題について考えるようになれば、もっとこの社会はいいものになるんじゃないかなと思って活動しています。
  • 土肥氏 僕が入ったきっかけは、もともと僕は経営情報学部ということもあって、当初起業してやろうと思って経営系の学部に入ったんですね。起業するには、いろいろな社会人に会わなければいけないなと思って、別の団体なんですけれども、キャリア支援の団体に入っていました。
    でも、その中で活動していて、すぐに何かちょっと違うなと思い始めたんですね。キャリア支援は自分だけを見るというか、自分のキャリアと見つめ合うもので活動していたので、何か違うなと感じ始めて、社会に対して生きづらさを感じていたので、これをどうにかできないかなと思ったときにYECという団体と出会いました。周りには、国際関係の活動をしている団体ですとか、まちづくりですとか、キャリア支援、いろいろな団体があるんですけれども、その中でYECの活動は、そうした団体の活動全てのもととなっている、根源的なところにアプローチしていると感じたのです。全ての人たちをエンパワメント、つまり能動的にすることで、もっと社会はよくなるんじゃないかなと僕は考えました。
    だから、YECで頑張れば、ほかの団体もエンパワメントされて能動的になっていく。僕は自分自身を熱い人間だと思っているんですけれども、メンバーには、本当にいろんな子がいます。この子こんなことを考えてるのみたいな、金髪はいないですけれども、ギャル系の女の子とか、いろんな子がいるんです。その子たちが入った理由は、ただ単にわくわくするからということだと思います。まず、自分たちが楽しまないと中高生たちを楽しめさせることはできないので、まずわくわくするように見せるということを心がけていて、そんなYECの活動を僕も一番楽しそうに見えたから、この団体に入ったのだと思います。
  • 質問者<5> 皆さんの活動と、あとこのプレゼンを通じて見せていただいた範囲で見ると、これは感想なんですけれども、いわゆる社会参加というキーワードがずっと出ているのですが、私なんかの考えが古いのかもしれないけれども、私のイメージする社会参加ということで、この中で御説明をされたものというのは、県議会議員なんかに意見提出という部分は確かに社会参加かなというふうに思ったのですが、それ以外に私のイメージする社会参加というものがあまり出てきてないような気がしました。ただ、これは私の中の仮説であって、説明されていないだけなのかもしれません。もしくは、YECの活動自体がまだ初歩の段階だからそこまで行っていないということなのか。あるいは、さっき土肥さんがおっしゃったような、とにかく個人にまず主体性を持たせる、エンパワメントするというところに焦点を当てているのであって、本当の意味の社会参加をするのは、それぞれが自分で見つけていって、YECを出ていってやるものなのだというコンセプトでやっているのか、あるいは最後に消防団の関係のことを言われたけれども、そういう活動につなげていくんだという、まだ途上ということなのか、どこなのかなというふうに思っているんです。
  • 土肥氏 もちろんまだ途上段階ではあると思っています。社会というと大きいものをイメージしますが、私の中では人と人とのつながり=社会だと考えているので、その中でまず人と対面して話したり、参加していくということが最終的な社会参加につながっていくことだと考えています。
    ユースセンターは、利用する年齢が決まっています。その中で自由にやりたいことをやってきた若者たちが社会に出ていったときに、自分たちのやりたいことをやれなくなってしまいます。ユースセンターでは好きなことをやれていたのに、やれなくなる。そうしたら、自分たちでつくり出していこうという意識に変わる。
    YECはユースセンターのような役割を果たしていると思っていますが、もちろん自治会とか、防災訓練ですとか、そういうところにも今後参加していけるように、YECがネットワークとなっていきたいし、今そのネットワークづくりをしています。例えば政治団体ですとか、国際関係、たくさんの団体とつながって、中高生が国際関係に興味を持ったと言ったらそこにつなげられるように。そういうふうにしてネットワークの中心になっていきたいなと。御指摘のとおり、まだ途上段階ではあると思いますけれども、展望としてはそういうふうに考えています。
  • 質問者<6> 今の話にちょっと関係しますけれども、自治体とかだと、多分審議会とか検討会とか、いろいろなプロジェクトで市民メンバーを選びましょうとか、地方議会でも、例えば公聴会で意見を陳述する人を募集したりするようなことがあると思うんですけれども、そういうのに団体としてエントリーしようとか、みんなの意見を集めてみようみたいなものは、先ほど放課後プロジェクトの中で県議会議員の方と何とかという話がありましたけれども、パブコメみたいなものではなくて、もっとダイレクトに自分たちの意思を表明できるようなところに突っ込んでいくみたいなことはやられているのか、あるいはこれからやるんでしょうか。
  • 土肥氏 まだそれはできていません。それも僕は中高生自身が決めていくことだと思っているので、どうなるかわかりませんけれども、私たちはまず中高生のやりたいことを吸い取るインキュベーター役になるというか、そういうことを考えています。
  • 質問者<6> そういう意味で、感想ですけれども、非常にいい活動をされていて、それは別の団体の役割を切り分けるということも必要だと思うんですけれども、この前半のほうに出てくるスライドで、若者は関心があるんだけれども、条件が整っていないとか、社会参加の機会が与えられていないという分析もありますけれども、何というか、若い人たち、エンパワメントしてきた女性とか、黒人とか、そういう人たちのことを振り返ってみても、そういう制約の中で自分たちでチャンスとかを切り開いてきてエンパワメントしてきたと思うんですね。
    だから、若者も願わくば、与えられていないとか、そういうアプローチではなくて、そういうところを自分たちで勝ち取りに行く、そこの過程で大人と話をするとか、意見をぶつけ合うという中でやはり対等なパートナーなんだなと思わせるような、そういうようなことをお考えいただくというのが、結局は民主主義ってそういうものなんじゃないのということで、だからこそスウェーデンなんかは青少年の圧力団体なんかがあるので、そういうふうにも多分機能しているんだろうと思うんですけれども、そんなようなことを皆さんのような元気のある若い人たちに期待したいと思います。頑張ってください。
  • 質問者<7> 余談と質問を。余談は、若者エンパワメント委員会はすばらしいなと思って、実はちょっと聞いていて思ったのは、大人もおじさんもエンパワメント委員会をつくらなきゃだめなのかなと思っています。
    大人の投票率も低いし、なるほど若者の投票率も低い、そうなのかなと思って、自分の若いときを考えても、やはり大学生ぐらいのとき、皆さんたちのように社会を変えられるかとか多分全然思ってなかったなと思って、そういう意味では、皆さんのすばらしいなというふうに思いました。
    ただ、皆さんの活動もしかりですけれども、政治とか行政もちょっとずつ変わってきているのかなと思っていて、例えば私は練馬の氷川台というところに住んでいて、いつも地下鉄に乗るときに、結構区議会議員の若い議員さんたちがビラを配ったりとかして、読んでみると、東京の地元の大学生を集めて意見を聞いて、それを区の議会にも紹介をして、施策にこういうのが反映されましたということを紹介があったりとか、そういう意味では昔に比べ、政治もだんだん変わってきているのかなというふうに、若い人たちの意見も真摯に聞かなきゃなということで、ちょっとずつ変わってきたのかなと。
    行政も、この前、NHKのニュースで思いましたけれども、高知県で津波が来たときの避難をする経路を、小学生が子どもの通学経路で、こういった道で歩けば早く高台に登れるよというのを子どもたちから意見を集めて、それが実は本当の行政の避難計画にも反映されているというのが紹介されていて、自分のころとは大分違って、子どもや若者の意見に行政や政治も注目をするようになってきたのかなと思って、変わってきているのかなというふうに思いました。
    そういう意味で、自分なんかも、大分中年の歳になって、変えられるか変えられないかといったら、相変わらず昔と同じなのかなと自分は思っているんですが、皆さんたちは率直に今どうですか。将来のイメージとか、社会が変えられるかということを率直なところはどうお感じですか。
  • 武田氏 やはり、パブリックコメントを出す機会ですとか、施策に対して意見を言う機会があるので、それを言っていけば、ちょっとは変わるんじゃないかと思っています。
    あと、施策に対して意見を言えるということを知らない人も多いかなと思うので、それを言いたいと思ったときに言えるということが広まれば、もっと変えられると思えるようになるんじゃないかなって思っています。
  • 土肥氏 率直に言うと、僕は個人では変えられないと思いますけれども、みんなでなら変えられると思っています。人と人とのつながり、それが社会変えていく。僕はそんなふうに思っています。
  • 司会 ありがとうございます。
    お時間となりましたので、以上をもちまして「青少年問題調査研究会」を終了したいと思います。
    最後に、土肥様、武田様、本日は誠にありがとうございました。(拍手)

以上