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第4部 調査結果の分析

第5章 青少年の社会評価と「新しい生活価値志向」の分析

筑波大学教育学系教授 門脇厚司


要旨


青少年のわが国の現状に対する満足度は,政治と社会の在り方には不満が多いものの,生活程度や現在の生き方には満足している者が多い。日本社会についても,就職難,失業,政治の貧困,環境破壊,などといったことが問題であるという認識を持っている青少年は少なくないが,小さな幸せがあればいいという考えに支配されているものがほとんどで,社会が抱えている問題を解決すべく行動に移す青少年は少数でしかない。このような状況は,このところ,いっそう進行しており,ある意味で,青少年の保守化が進行しているともいえる。そうなる最大の原因は,青少年と他者が交流する機会が少ないことにあると推測される。

だからといって,わが国に社会の変革につながる新しい生活を志している青少年がまったく存在しないわけではない。共生社会の実現を可能にする新しい生活価値を支持する青少年が5人に1人くらいいることが確認できた。こうした新しい生活価値をわがものとしている青少年は,社会への関心もあり,社会への見方も適切で,すでに新しい価値にもとついた生き方をし始めていることが確認できる。


本章のねらいと構成

いよいよ21世紀である。地球の人口は現在約60億人とされる。人口の増加が今後も現在のペースで進んでいくことを前提とした世界銀行の予測によれば,21世紀の半ばには約100億人になると予測されている。地球の人口が60億人の現在でも,食料不足や資源不足が問題となり,エネルギーの消費によって引き起こされる環境破壊や環境汚染などが深刻な事態に立ち至っている。こうした事態が人類の存亡に重大な影響を与え始めていることが明らかになっている今日,これからも,各国が競争しながら大量のモノを生産し続け,生産されたモノを大量に消費することが社会の発展であり,結果として人類に幸福をもたらすという考え方を社会の在り方を規定する基本とし続けていいのか。

正答はもちろん否である。しかし,正答が直ちに多数に支持されるわけではない。一方に,社会が現在の在り方であることによって様々な利益を得ている支配的立場にいる少なからずの人たちがいて,他方に,これまでの生き方やライフスタイルが習い性になっている無反省な多くの人々がいるという社会の構図が続く限り,社会の在りように変化はない。

しかし,現代社会が危機的な状況にあることを憂え新しい方向に転換しなければならないと考え,そうした生き方を実行に移している人々がいないわけではない。そうした新しい生活志向をもった人たちが若い世代の中にどれだけいるか。彼らは現在の日本社会をどのように評価し,何が問題であると考えており,どのような生活価値観をもち,どのような生き方をしようとしているのか。また,彼らはどのような属性を持つ人たちなのか。本章では,こうした問題関心と視点から得られた結果を分析する。なお,本章では,作表及び記述で,分かりやすさを優先し,原則として小数点第一位を四捨五入した数値を用いていることをお断りしておく。


1 青少年の社会の現状評価

(1) 社会及び生活の満足度

青少年が社会の現状をどのように評価しているかを見る手掛かりとして,まず,社会及び生活に関する満足度からみておこう。表4-5-1が属性別に結果を整理したものである。


表4-5-1 青少年の社会・生活満足度(属性別)  <CSVデータ>

(%)
    性別 年齢別 学歴別
15〜17歳 18〜21歳 22〜24歳 中学校卒 高校卒 短大・高専卒 大学・大学院卒
a)日本の政治のあり方には 満足 18 18 19 19 14 13 16 15 12
不満 70 64 61 66 76 55 68 69 81
b)日本の社会体制には 満足 26 22 26 25 21 18 19 25 24
不満 63 61 55 37 38 56 68 64 67
c)いまの自分の生活程度には 満足 59 66 67 62 58 47 55 56 67
不満 39 33 31 37 40 47 44 41 31
d)いまの自分の生き方には 満足 62 63 68 60 60 53 53 59 69
不満 36 36 30 39 39 44 47 38 29
e)いまの自分の人間関係には 満足 82 79 80 82 80 71 79 79 90
不満 16 20 19 18 19 27 21 18 9

これでみると,全体としては,政治の在り方には7割(67%),社会体制には6割(62%)が不満(「不満」と「やや不満」の合計)としているが,自分の生活程度や,現在の生き方や,人間関係には,それぞれ,6割(63%),6割(63%),8割(81%)が「満足」(「満足」と「やや満足」の合計)しているという結果である。日々の暮らしにはそれなりに満足しているが,社会の在り方や,政治の現状にはまだ不満が多いという評価といえる。この結果を属性別でみると,女性より男性,年齢は上になるほど,そして学歴は高くなるほど不満が多くなる傾向がある。特に学歴差が大きく,大学や大学院を卒えた青少年ほど社会の現状に厳しい見方をしているといえる。


(2) 日本社会の問題点と将来見通し

わが国の社会の在り方に不満があるとして,では,青少年は,何がわが国の社会の問題であると考えているのか。次にこの点についてみよう。表4-5-2がそのための表である。


表4-5-2 青少年の社会問題認識(属性別)  <CSVデータ>

(%)
  性別 年齢別 学歴別
15〜17歳 18〜21歳 22〜24歳 中学校卒 高校卒 短大・高専卒 大学・大学院卒
学歴によって収入や仕事に格差があること 38 39 36 42 37 47 44 42 35
女性の地位が男性に比べて低いこと 19 33 27 26 25 18 23 26 21
貧富の差が大きいこと 16 16 19 15 12 24 15 14 7
就職が難しいこと 57 67 63 64 57 60 59 47 33
失業が多いこと 50 48 52 47 48 49 43 51 48
良い政治が行われていないこと 42 35 31 41 44 29 37 39 43
社会福祉が遅れていること 29 38 27 36 38 18 27 36 52
環境破壊が進んでいること 47 49 51 48 45 27 39 46 55
善悪よりも自分の損得を重視して行動する人が多いこと 39 37 32 39 44 26 39 44 57
風俗が乱れていること 15 19 14 17 21 11 18 17 31
治安が悪いこと 19 17 17 19 16 16 17 18 16
その他 1 0 1 0 1 0 0 0 2
特に問題とすべきことはない 3 2 5 2 3 11 3 2 2

全体としてみると,「就職難」(62%),「失業の多さ」(49%),「環境破壊」(48%),「学歴格差」(39%),「政治の貧困」(38%)がわが国が抱える問題の上位5項目である。もちろん,性別によっても違いがあり,女性の場合,「就職難」(67%)は男性より深刻と受け止めており,「社会福祉の遅れ」(38%)や「女性の地位が低いこと」(33%)も問題であるとする割合が高くなっている。

15歳から24歳という年齢差ではあるが,年長者と年少者ではやはり違いがみられ,「就職難」,「環境破壊」,「貧富差」などは年少者ほど多く,「政治の悪さ」,「損得重視の行動傾向」,「社会福祉の遅れ」,「風俗の乱れ」などは年長者に多くなっている。社会が抱える問題の認識という点でもその落差が大きいのは学歴の違いで,学歴が高い青少年ほど「問題である」と厳しく評価する割合が高くなっている。特にそうした傾向が顕著にみられるのは,「損得重視の行動傾向」,「環境破壊」,「社会福祉の遅れ」,「政治の貧困」,「風俗の乱れ」などである。学歴が高くなるほど,就職難や失業などどちらかといえば個人への影響が大きい問題より,環境破壊や社会福祉の遅れなど社会全体として考えなければならない事柄ほど「問題である」とする数が多くなることが読み取れる。

関連して,社会の将来についてどういう見通しをもっているかをみると,「よくなっていく」(「どんどんよくなっていく」と「少しつつよくなっていく」の合計)とみている青少年は4割(40%),「悪くなっていく」(「どんどん悪くなっていく」と「徐々に悪くなっていく」の合計)とする青少年が5割(48%)で,悪くなるとみているほうが多くなっている。男性より女性,年少者より年長者,そして学歴が高くなるほど日本社会の将来見通しは悪いと判断しているといえる。


2 青少年の生き方や日常活動の現状

(1) 青少年の生き方の現状

こうした現状認識をしつつ,青少年は今,どんな生き方をしているのか。それを性別,年齢別,学歴別に整理したのが表4-5-3である。


表4-5-3 青少年の生き方志向(属性別)  <CSVデータ>

(%)
  性別 年齢別 学歴別
15〜17歳 18〜21歳 22〜24歳 中学校卒 高校卒 短大・高専卒 大学・大学院卒
良い業績をあげて,地位や高い評価を得たい 6 2 3 5 3 6 5 2 3
経済的に豊かになりたい 20 18 18 18 20 24 23 20 21
身近な人との愛情を大事にしていきたい 22 32 25 26 31 15 24 30 36
社会や他の人々のためにっくしたい 6 6 5 5 7 2 5 6 10
自分の趣味を大切にしていきたい 25 17 21 21 19 13 18 20 21
その日,その日を楽しく生きたい 21 26 27 23 18 40 25 20 9

現在の暮らし方についての考え方を,全体で多いほうから順にみると,「身近な人との愛情を大事にしていきたい」(27%),「その日その日を楽しくしていきたい」(23%),「自分の趣味を大切にしていきたい」(21%)となっている。個人的なことであれ,社会全体のことであれ,何とか頑張って現状をもっと良くしようと努力する生き方よりは,現在の自分を受入れ,小さな人の輪の中で,それなりの幸せを維持していくという生き方をしているのが実際のようである。

では,こういう暮らし方は具体的にはどのようなことをすることなのか。「熱中したり夢中になれたりするのはどんな時か」という質問への回答でその辺りのことをみてみると,「友だちや仲間といるとき」(66%),「スポーツや趣味を楽しんでいるとき」(55%),「親しい異性といるとき」(22%)が上位3つである。以下,「ゲームをしているとき」とか,「マンガ」や「本」を読んでいるときと続くが,興味半径1.5メートルという彼らの日々の暮らし方がどのようなものかがわかる。


(2) 団体活動等への参加状況

政治の在り方や社会制度に不満をいだきながらも,普段も暮らしの中で小さな幸せが得られればそれで満足という若者たちの姿を確認してきた。このような現状に満足しているとなれば,社会的な広がりのある活動や,組織や団体を作って行う活動に参加する青少年が少ないであろうことは容易に予想できることである。どれだけ少ないか,一通り見ておくことにする。関連した質問への回答を性・年齢別に整理したのが表4-5-4である。


表4-5-4 青少年の活動参加状況(属性別)  <CSVデータ>

(%)
    性別 年齢別
15〜17歳 18〜21歳 22〜24歳
部活動 文化部に入っている 12 22 22 11 9
運動部に入っている 34 21 36 19 16
その他の部活動に入っている 3 4 2 5 3
入っていない 51 55 42 65 72
生徒会活動 積極的に活動している 8 11 12 7 3
協力はしているが,関わってはいない 29 34 36 26 25
まったく興味がない 62 55 52 66 70
団体活動 地域のサークルや団体など 5 2 2 5 3
全国的な青少年団体など 1 1 1 1 0
職場のサークルやクラブなど 3 2 1 3 4
その他の団体 5 2 2 5 4
パソコン通信などのネットワーク 2 2 1 2 3
特に団体などには入っていない 85 91 93 86 85
地域活動(現状) よくある 4 2 2 3 4
ときどきある 14 11 13 11 14
あまりない 35 36 39 34 35
まったくない 47 51 46 53 48
地域活動(意向) ぜひ一緒にやりたい 6 6 6 6 7
時々ならやりたい 42 39 41 38 44
あまりやりたいとは思わない 37 40 38 40 37
まったくやりたいとは思わない 15 14 15 16 12

学校における部活動と生徒会活動,社会に出てからの団体活動と地域活動への参加状況をみたものであるが,学校時代の部活動を除けば,いずれも参加率は,男性女性を問わず,極めて低い。若者たちのカプセル化や繭体化が進んでいるという指摘はかなり以前からなされていることではあるが,他者との交わりがいよいよ少なくなり,かつまた交流範囲が極小化する傾向は今なお続いているということであろう。近年は"社会的引きこもり"という表現もされているが,青少年の他者への無関心と,それが嵩じての社会への無関心はやはり大きな問題と言わなければならないだろう。


(3) 青少年の職業観

青少年の生き方や日常活動をみる最後に,彼らの職場生活への満足度と職業観を見ておこう。

まず,現在の職場への満足度であるが,「満足」(「満足」と「まあ満足」の合計)している者が65%,「不満」(「不満」と「やや不満」の合計)とする者が35%で現状に満足という者の割合が多くなっている。満足している割合は女性に多くなっている。また,「不満」だとする理由についても,「特に不満はない」とする割合もまた35%であることからして,額面通り,3分の2は今の職場や仕事に満足しているとしていいだろう。

では,彼らの職業に対する考え方はどのようなものなのか。これを一覧表にしたのが表4-5-5である。


表4-5-5 青少年の職業意識(属性別)  <CSVデータ>

(%)
  性別 年齢別 学歴別
15〜17歳 18〜21歳 22〜24歳 中学校卒 高校卒 短大・高専卒 大学・大学院卒
やりたいことが見つからなければ,無理に就職することはない 21 20 17 23 21 38 23 24 23
学校を卒業したら,できるだけ早く就職して,親から経済的に自立すべきだ 38 37 36 42 32 15 31 27 35
多少つらくても転職せず,できるだけ一つの職場で働き続けた方がよい 31 29 30 29 30 24 30 30 22
自分のやりたい仕事ができれば,収入や社会的地位にはこだわらない 46 48 44 52 45 33 38 47 53
収入が少なくても働く時間が短い職場がよい 5 4 5 4 5 11 6 3 5
年齢や勤続年数よりも,能力や実績によって地位や給与が決められる方がよい 28 25 21 27 32 35 25 28 33
私生活を犠牲にしてまで,仕事に打ち込むつもりはない 29 35 28 33 36 35 30 44 38
働かないで暮らしていけるだけのお金があれば,遊んで暮らしたい 14 14 11 17 15 29 20 15 7
努力すればそれなりに満足できる地位や収入は得られるものだ 30 32 34 30 30 26 28 26 29
やりがいのある仕事についてがんばるのは人間にとって大事なことだ 51 57 51 55 57 35 47 59 72

全体としては,「やりがいのある仕事についてがんばる」(54%),「やりたい仕事ができれば収入や地位にはこだわらない」(47%),「卒業したら早く就職して自立すべきだ」(37%),「私生活を犠牲にしてまで仕事に打ち込むつもりはない」(32%),「努力すればそれなりに満足できる地位や収入は得られる」(31%)といった考え方が上位を占めている。仕事中毒といわれた親の世代に比べれば,仕事に対してかなり距離を置いた感覚の持ち主であることが読み取れる。「やりたいことがみつからなければ,無理に就職することはない」と考える青少年が5人に1人(21%)いることがそのあたりの変化を如実に物語っている。

男女別で見ると,「やりがいのある仕事をがんばるのは人間にとって大事なことだ」とか「私生活を犠牲にしてまで仕事に打ち込むつもりはない」などの支持者は女性に多く,職場の社会的評価や地位などではなく,仕事そのものへのこだわりということでは女性のほうに強いことを窺わせる。

職業観でもその違いが大きいのは学歴差である。特にその違いがはっきりみられるのは「やりがいのある仕事についてがんばるのは人間にとって大事なことだ」と,「自分のやりたい仕事ができれば収入や地位にはこだわらない」で,学歴が高いほど支持率が多くなり,「やりたいことがみつからなければ無理に就職することはない」と,「働かないで暮らしていけるだけのお金があれば,遊んで暮らしたい」は学歴が低くなるほど支持する割合が高くなっている。現実に,高学歴者ほどやりがいのある仕事に恵まれるという事実があるにせよ,「仕事にやりがいを感ずることができること」と,「学歴をつけること」すなわち「多くを学ぶこと」との間には明らかに関連性があるとみていいようである。としてみると,新規学卒者の間で無業者(フリーター)が増えているという現象は,基本的には,青少年の学びからの離脱傾向を示唆しているのかもしれない。他者との交流機会を多くし,人間(他者)への関心と愛着を強め,ひいては社会への関心を高めることと並び,若い世代の学習動機をどう高めていくかもまた今後の重要な課題の一つといえる。


3 青少年の「新しい生活価値志向」の現状

(1) 「新しい生活価値志向」の実際

前回調査,すなわち5年前の1995年調査と同様,今回も新しい生活価値を構成すると思われるいくつかの価値観を組み合わせ,支持する価値観をいくつでも選択してもらう形式の質問を用意した。前回の結果を分析することによって得られたデータに基づき,前回の18項目から,「人間の能力は違うのだから,能力によって地位や待遇に差があるのは当然だ」,「重要なことは,話し合いで決めるより,優れたリーダーの決断に任せるべきだ」,「重要なことをやり遂げるには,多少悪いことをするのもやむをえない」,「自分の生活を犠牲にしてまで社会奉仕活動をする必要はない」という,どちらかといえば,強者の理屈や論理を代弁すると思われる4つの項目を削除し,代わりに,新しく,「女性はもっと積極的に社会に進出すべきだ」,「結婚しても,女性は夫の姓に改姓する必要はない」,「男性も介護を積極的に行うべきだ」という,女性を優遇する趣旨を強調する3つの項目を加え,全部で17項目で構成することにした。新しくなった17項目は表4-5-6に掲げた通りである。

これら17項目のそれぞれについて,「そう思う」または「そのとおりだ」と支持するかどうかを回答してもらった。その結果が表4-5-6と表4-5-7である。


表4-5-6 青少年の新しい生活価値志向(性・年齢別)  <CSVデータ>

(%)
  男子(N=822) 女子(N=853)
全体 15〜17歳
(N=278)
18〜21歳
(N=332)
22〜24歳
(N=212)
全体 15〜17歳
(N=279)
18〜21歳
(N=349)
22〜24歳
(N=225)
親が年老いたら,子どもが世話をしたり面倒を見るのは当然だ 56 52 56 62 56 48 60 60
今の社会は,高齢者に対する配慮が足りないと思う 32 26 38 33 37 38 36 35
女性は,もっと積極的に社会に進出すべきだ 19 17 19 21 29 30 30 27
今の社会は,障害者に対する配慮が足りないと思う 38 38 38 36 46 43 48 47
もし外国人が近所に住むことになったら,日本人と同じように親しく交際してみたい 47 47 46 48 49 51 54 40
結婚しても,女性は夫の姓に改姓する必要はない 23 23 24 23 18 16 20 17
当人どうしがよければ,結婚の相手はどの国の人でもかまわない 49 42 52 53 57 50 63 56
男の人も,女の人と同じように,家事や育児をするのは当然だ 53 53 53 52 66 64 62 72
男性も介護を積極的に行うべきだ 38 34 39 40 49 42 51 56
結婚し子どもを育てることだけが幸せな人生ではない 34 26 38 40 45 42 47 45
これからは、男性も仕事以上に家庭や地域を大事にすべきだ 41 36 40 49 44 40 46 45
自分と考え方が違うからといって,その人が幸せになろうとするのを妨げるのは良くない 53 46 58 56 58 51 62 58
どうしてもやりたいことがあるのに,無理にがまんしてやらないのは間違いだ 42 35 45 46 50 50 52 45
人間としてやっていけないことは,どんな理由があろうとも,やるべきではない 51 45 51 58 58 51 60 64
困っている人を見たら,頼まれなくても助けてあげるべきだ 46 55 44 48 46 54 58 51
ゴミの処理や地域の美化など,これからは,自分たちでできることは自分たちでやるようにしないといけない 46 46 44 48 50 47 50 52
地球に住む皆が生きのびていくには,お互い,やりたいことをがまんしなければならない 24 23 23 25 21 23 22 17

表4-5-7 青少年の新しい生活価値志向(学歴別)  <CSVデータ>

(%)
  中学校卒
(N=55)
高校卒
(N=364)
短大・高専卒
(N=191)
大学・大学院卒
(N=58)
時系列比較
1995年 2000年
親が年老いたら,子どもが世話をしたり面倒を見るのは当然だ 44 56 63 72 65.9 56.1
今の社会は,高齢者に対する配慮が足りないと思う 18 30 27 50 46.4 34.5
女性は,もっと積極的に社会に進出すべきだ 16 22 21 33 24.2
今の社会は,障害者に対する配慮が足りないと思う 18 33 41 60 56.8 41.7
もし外国人が近所に住むことになったら,日本人と同じように親しく交際してみたい 26 38 50 47 54.0 47.9
結婚しても,女性は夫の姓に改姓する必要はない 16 19 13 24 20.5
当人どうしがよければ,結婚の相手はどの国の人でもかまわない 42 54 57 62 54.0 53.0
男の人も,女の人と同じように,家事や育児をするのは当然だ 36 57 65 60 57.6 59.2
男性も介護を積極的に行うべきだ 26 37 47 57 43.5
結婚し子どもを育てることだけが幸せな人生ではない 27 36 44 48 46.2 39.6
これからは、男性も仕事以上に家庭や地域を大事にすべきだ 42 42 46 53 52.5 42.4
自分と考え方が違うからといって,その人が幸せになろうとするのを妨げるのは良くない 49 50 58 72 61.8 55.5
どうしてもやりたいことがあるのに,無理にがまんしてやらないのは間違いだ 38 49 48 41 54.0 45.9
人間としてやっていけないことは,どんな理由があろうとも,やるべきではない 35 56 60 69 57.3 54.3
困っている人を見たら,頼まれなくても助けてあげるべきだ 40 47 50 53 28.7 50.4
これからは,ゴミの処理や地域の美化など,自分たちでできることは自分たちでやるようにしないといけない 33 44 48 59 63.2 47.6
地球に住む皆が生きのびていくには,お互い,やりたいことをがまんしなければならない 18 17 17 31 29.6 22.2

全般的に,これら新しい生活価値観への青少年の支持率が高いことがわかる。しかし,表4-5-7によって前回との比較をしてみると,どの項目についても前回より支持率が低くなっていることが読み取れる。こうした結果をどう解釈すべきか。今後の推移をみないと判断するのが難しいが,素直に解釈すれば,年代が若くなるにつれ,新しい価値観に対する感度や共感が鈍くなっているということである。それだけ,社会への関心をなくしているということであり,その分,現状維持という意味では保守性が強まっていることを示唆するものである。

そんな関心をもって表4-5-6をみると,男女とも,年齢が高くなるにつれ支持率が高くなる項目が多いことがわかる。若い年齢層の保守化は社会への無関心が募っているからだとみてよく,煎じ詰めれば他者への無関心に発しているものと思われる。

新しい生活価値観への支持でも差が大きいのは学歴差で,学歴が高くなるほど支持率が高くなっている。そこで,中学卒業者と大学・大学院卒業者との差が大きい順に7項目あげてみると,「今の社会は障害者に対する配慮が足りない」(42ポイント差),「やっていけないことはどんな理由があろうともやるべきではない」(34ポイント差),「今の社会は高齢者に対する配慮が足りない」(32ポイント差),「男性も介護を積極的に行うべきだ」(31ポイント差),「親が年老いたら,子どもが世話するのは当然だ」(28ポイント差),「ゴミの処理など,自分でできることは自分でやるようにする」(26ポイント差),「考えが違うからといって他人が幸せになろうとするのを防げるのはよくない」(23ポイント差)となる。同じ青少年でも学歴が高いほど新しい生活価値を支持する傾向が強いということである。教育期間が長くなり,それだけ学ぶことが多くなるほど現状とは異なる生き方が求められている時代であることに自覚的になるものと考えられる。


(2) 「新しい生活価値志向」の内容分析

今回の調査で「新しい生活価値観」として採用した17項目は,厳密な検討をした上で「新しい生活価値」として認定された内容のものであったわけではない。前回の調査結果を検討し,これまで主流をなしてきた価値を「否定」するところに「新しさ」があると判断しなければならなかった項目を削除し,「肯定」がそのまま「新しい」価値の支持表明となる項目だけにしたところが今回調査の改善点となっている。とはいえ,これが「新しい生活価値」群を構成するに相応しい項目であるかどうかはいまだ確定できないものであったことは先にも言った通りである。

そこで,今回もその内容を吟味するために,多変量解析を施してみた。用いた手法は数量化理論第3類である。その結果を示したのが表4-5-8である。


表4-5-8 新しい生活価値の多変量解(数量化第3類)の結果表  <CSVデータ>

カテゴリー 度数 カテゴリー・スコア
第1軸 第2軸 第3軸 第4軸 第5軸
1 老親は,子どもが世話をして当然 940 0.706 -0.734 -0.020 -1.048 -1.146
2 今の社会は,高齢者に対する配慮が不足 578 1.344 -0.070 -1.024 0.990 0.358
3 女性は,もっと積極的に社会進出すべき 406 0.242 1.447 -1.024 -2.071 1.862
4 今の社会は,障害者に対する配慮が不足 699 1.149 0.135 -1.058 0.988 0.214
5 近所の外国人と親しく交際してみたい 803 -0.256 0.209 0.245 0.402 -0.121
6 結婚しても,女性は改姓の必要なし 344 -0.688 2.490 -0.034 0.342 -1.283
7 結婚の相手はどの国の入でもかまわない 887 -0.478 0.207 0.016 0.527 -0.338
8 男の人も,家事や育児をするのは当然だ 992 -0.096 0.535 -0.058 -0.566 -0.432
9 男性も介護を積極的に行うべき 728 0.394 0.571 0.035 0.072 0.272
10 結婚だけが幸せな入生ではない 664 -0.919 0.510 0.062 0.428 -0.315
11 男性も家庭や地域を大事にすべき 710 0.101 0.381 0.404 -0.264 0.241
12 考え方が違う人の幸せを妨げるのは良くない 929 -0.439 -0.390 0.290 0.537 0.119
13 やりたいことをがまんしてやらないのは間違い 769 -1.468 -1.015 -1.162 -0.032 0.762
14 やってはいけないことはやるべきではない 909 0.044 -0.713 0.388 -0.495 0.071
15 困っている人を見たら助けてあげるべき 844 0.257 -0.561 0.405 0.005 -0.140
16 これからは,自分でできることは自分でやるべき 798 0.315 0.122 0.576 0.408 0.101
17 皆で生きのびるには,やりたいことをがまんすべき 372 0.375 0.096 2.587 0.265 1.750

数量化第3類という解析手法は,よく用いられる因子分析法と似た方法で,通称「似たもの集め」といわれるように,項目ごとの性質の近さを点検した上で,似たような内容の項目をいく通りか割り出してくれる手法である。表4-5-8は第5軸までの結果,すなわち5通り(それぞれの似たものの集合体を「軸」と呼んでいる)の似たもの集めの結果を示したものである。各軸ごとのカテゴリースコアが近いほど似た性格であることを示し,数値が大きいほどその性格を体現している度合が大きいことを示している。また,第1軸,第2軸,第3軸と,軸の順が下がるほど共通する度合が低くなっていることを示している。この結果から,それぞれの軸がどのような点で似ているのか,すなわちそれぞれどのような共通点があるのかを読み取らなければならないが,読み取りをしやすくするために,表4-5-8のスコアを各軸ごとに数値順に並べかえたのが表4-5-9である。


表4-5-9 数量化第3類の結果の整理表  <CSVデータ>

項目 スコア値
第1軸 やりたいことをがまんしてやらないのは間違い -1.468
結婚だけが幸せな人生ではない -0.919
結婚しても,女性は改姓の必要なし -0.688
結婚の相手はどの国の人でもかまわない -0.478
考え方が違う人の幸せを妨げるのは良くない -0.439
近所の外国人と親しく交際してみたい -0.256
男の人も,家事や育児をするのは当然だ -0.096
やってはいけないことはやるべきではない 0.044
男性も家庭や地域を大事にすべき 0.101
女性は,もっと積極的に社会進出すべき 0.242
困っている人を見たら助けてあげるべき 0.257
これからは,自分でできることは自分でやるべき 0.315
皆で生きのびるには,やりたいことをがまんすべき 0.375
男性も介護を積極的に行うべき 0.394
老親は,子どもが世話をして当然 0.706
今の社会は,障害者に対する配慮が不足 1.149
今の社会は,高齢者に対する配慮が不足 1.344
第2軸 やりたいことをがまんしてやらないのは間違い -1.015
老親は,子どもが世話をして当然 -0.734
やってはいけないことはやるべきではない -0.713
困っている人を見たら助けてあげるべき -0.561
考え方が違う人の幸せを妨げるのは良くない -0.390
今の社会は,高齢者に対する配慮が不足 -0.070
皆で生きのびるには,やりたいことをがまんすべき 0.096
これからは,自分でできることは自分でやるべき 0.122
今の社会は,障害者に対する配慮が不足 0.135
結婚の相手はどの国の人でもかまわない 0.207
近所の外国人と親しく交際してみたい 0.209
男性も家庭や地域を大事にすべき 0.381
結婚だけが幸せな人生ではない 0.510
男の人も,家事や育児をするのは当然だ 0.535
男性も介護を積極的に行うべき 0.571
女性は,もっと積極的に社会進出すべき 1.447
結婚しても,女性は改姓の必要なし 2.490
第3軸 やりたいことをがまんしてやらないのは間違い -1.162
今の社会は,障害者に対する配慮が不足 -1.058
今の社会は,高齢者に対する配慮が不足 -1.024
女性は,もっと積極的に社会進出すべき -1.024
男の人も,家事や育児をするのは当然だ -0.058
結婚しても,女性は改姓の必要なし -0.034
老親は,子どもが世話をして当然 -0.020
結婚の相手はどの国の人でもかまわない 0.016
男性も介護を積極的に行うべき 0.035
結婚だけが幸せな人生ではない 0.062
近所の外国人と親しく交際してみたい 0.245
考え方が違う人の幸せを妨げるのは良くない 0.290
やってはいけないことはやるべきではない 0.388
男性も家庭や地域を大事にすべき 0.404
困っている人を見たら助けてあげるべき 0.405
これからは,自分でできることは自分でやるべき 0.576
皆で生きのびるには,やりたいことをがまんすべき 2.587

ここでは軸を3つに限定している。第4軸以下は共通性が乏しいと判断したからである。ここまで説明してくれば,あとは軸ごとの"共通する特徴"を,言い換えれば,それぞれの軸が"どのような点で新しい"と判定されたかを読み取るだけである。表4-5-9に従って読み取ると,第1軸は「弱者への配慮」という点で共通しているといえる。また,第2軸は「女性の優遇」という点で共通していると読める。そして,第3軸はといえば,「共生社会を志向する」という点で共通していると読み取ることができる。

これら読み取り作業を整理し,それぞれの軸の特徴を言い表すに相応しい名付け(ネーミング)をすると次のようにするのが妥当であろう。

第1軸…「弱者配慮」

第2軸…「女性優遇」

第3軸…「共生社会志向」

いうまでもなく,このどれもが男性優位,能力業績本位,強者優遇といったこれまでの社会を支えてきた生活価値観とは異質の特徴を帯びた価値観であることに違いはない。では,このうちのどれをもって「新しい生活価値」と認定すべきか。これからの社会の趨勢を勘案して,本章では第3軸の「共生社会志向」を新しい生活価値の中身とすることにした。カテゴリーリストの大きい方から順に並べると,次のようになる。

1. 皆が生きのびていくには,お互いやりたいことをがまんしなければならない。

2. ゴミ処理や地域の美化など,これからは自分たちでできることは自分たちでやるようにしないといけない。

3. 困っている人を見たら,頼まれなくとも助けてあげるべきだ。

4. 男性も家庭や地域を大事にすべきだ。

5. 人間としてやっていけないことは,やるべきでない。

6. 考え方が違うからといって,その人が幸せになろうとするのを妨げるのはよくない。

7. 近所の外国人と親しく交際してみたい。

8. 結婚し子どもを育てるだけが幸せな人生ではない。

9. 男性も介護を積極的に行うべきだ。

10. 結婚の相手はどこの国の人でもかまわない。

どの項目も,自国と他国,男性と女性,強者と弱者が互いの違いや能力差を乗り越えて共に生きていくことを志向している点で共通していることが改めて理解できよう。


4 共生社会志向と社会認識および生き方

(1) 共生社会を志向する青少年の割合

では,共生社会を志向する青少年は現時点でどのくらいいると想定できるか。また,彼らはどのような特性を持ち,またどのような社会認識をし,どのような生き方をしているのか。本章の最後にこの点について検討を加えておくことにする。

こうした検討をするためにまず行ったのは,共生社会を志向する青少年の一群を割り出す作業である。このために行ったのは,第3軸を構成するプラスの項目,すなわち前節の最後に整理した10項目をどれだけ支持したかによって得点を与えることである。理屈は簡単で,例えば「皆が生きのびていくためには,お互いやりたいことをがまんする」という項目に「そう思う」と○を付けた回答者は,この項目のカテゴリースコアである2.587点をゲットしたことになり,また,この回答者が「自分たちでできることは自分たちでやる」という項目にも「そう思う」と○を付けていれば,さらに0.576点が加算されるという具合である。こうして,10項目すべての「そう思う」に○を付けていれば,5.008点になり,すべてに○を付けていない回答者は0点ということになる。

こうして回答者全員の得点を算出し,その得点分布によって次の3つの群に分類した。

(a) 共生志向・低群(1.00未満)

(b) 共生志向・中群(1.00以上,3.00未満)

(c) 共生志向・高群(3.00以上)

この3つの群それぞれの人数を全体,性,年齢学歴別に示したのが表4-5-10である。


表4-5-10 青少年の共生社会志向群分布(属性別)  <CSVデータ>

  全体 性別 年齢別 学歴別
15〜17歳 18〜21歳 22〜24歳 中等レベル 高等レベル
共生志向・低群
(0〜1.0未満)
685 347 338 254 199 232 469 216
(41.1) (50.7) (49.3) (37.1) (29.1) (33.9) (68.5) (31.5)
共生志向・中群
(1.0以上3.0未満)
628 286 342 178 194 256 360 268
(37.7) (45.5) (54.5) (28.3) (30.9) (40.8) (57.3) (42.7)
共生志向・高群
(3.0以上)
352 180 172 121 111 120 209 143
(21.1) (51.1) (48.9) (34.4) (31.5) (34.1) (59.4) (40.6)

仮に,3点以上の得点を取った青少年を共生社会志向が強いと判定できるとして,こうした青少年は全体としては21%,5人に1人という割合である。性,年齢,学歴の違いによる違いがさほどないのが意外である。


(2) 共生社会を志向する青少年の社会認識と生き方

では,共生社会を志向する度合の違いは社会認識や現在の生き方などにどのような違いがみられるのか。最後にこの点について検討を加えておくことにする。

まず,共生社会志向の強さが社会問題の認識にどのような違いをもたらすものかを示しているのが表4-5-11である。


表4-5-11 共生志向群別社会問題認識  <CSVデータ>

(%)
  全体 低群 中群 高群
学歴によって収入や仕事に格差があること 39 33 43 43 10
女性の地位が男性に比べて低いこと 26 17 30 35 18
貧富の差が大きいこと 16 12 16 22 10
就職が難しいこと 62 55 69 62 7
失業が多いこと 49 38 56 59 21
良い政治が行われていないこと 38 26 44 52 26
社会福祉が遅れていること 34 22 39 48 26
環境破壊が進んでいること 48 31 55 69 38
善悪よりも自分の損得を重視して行動する人が多いこと 38 21 48 54 33
風俗が乱れていること 17 10 19 26 16
治安が悪いこと 18 10 21 26 16
その他 1 0 1 1 1
特に問題とすべきことはない 3 5 1 1 -4

表4-5-11で明らかなように,共生社会を志向する青少年はわが国が抱えている問題が多いと認識していることが読み取れる。共生社会志向の低い青少年とのギャップ(差)が大きい方から順に挙げると,「環境破壊」(38ポイント差),「損得行動の重視」(33ポイント差),「政治の貧困」(26ポイント差),「社会福祉の遅れ」(26ポイント差),「失業の多さ」(21ポイント差)となっている。第1節でみた通り,こうした事項を問題だとする程度は学歴による差が大きいものであったが,「環境破壊」,「損得行動の重視」,「政治の貧困」を問題だとする点では,共生社会の志向が強いか否かの方がもっと大きな差となって表れている。現在の日本の社会はかなり環境を破壊しており,人々は何でも損得勘定で判断し行動しており,政治もまた政治家個人の損得で動かされているとみている青少年ほど,これからは共生社会を実現しなければならないと考えている可能性が高いということである。

共生社会を志向する程度の違いは現在の生き方の違いとなっていることも確認できる。それを示したのが表4-5-12である。


表4-5-12 共生志向別生き方志向  <CSVデータ>

(%)
  全体 低群 中群 高群
良い成績をあげて,地位や高い評価を得たい 4 4 3 4
経済的に豊かになりたい 19 24 15 14
身近な人との愛情を大事にしていきたい 27 19 34 31
社会や他の人々のためにつくしたい 6 5 5 9
自分の趣味を大切にしていきたい 21 24 18 19
その日,その日を楽しく生きたい 23 24 23 23

共生社会志向の強い青少年に顕著な生き方は,「社会や他の人々のためにつくす」生き方であり,「身近な人たちと愛情を大事にする」生き方であることがわかる。これに対し,共生社会志向が低い青少年は「経済的に豊かになる」とか,「自分の趣味を大事にする」ことを目指しているといえる。

こうしてみると,まだ少数とはいえ,これまでのような大量生産と大量消費を競い合う競争社会ではなく,互いにいたわり協力し慎ましく生きていくという新しい生活価値に基づく共生社会を志向する青少年は間違いなく存在しており,そうした彼らはすでに共生社会を先取りする生き方をし始めていることが確認できる。このような青少年が今後どんどん増えていくことを期待したい。そうした青少年が社会の主流を占めるようになったとき,社会も新しい方向に転換し,そうなることで地球社会が抱えている多くの難問も解決に向かうことになると考えるからである。




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